学級・進路

【10年以上の現場の事例】通級を利用して後悔する3つのパターン・対策・注意点

投稿日:2023年9月6日 更新日:

子どもの学級で悩まれてる方「通級を選んで後悔するのはどんな時?通級を選ぶ時の基準、注意点が知りたい」

このようなお悩みに、お応えします。

本記事の内容



✅通級を選んで
 「後悔する3つのパターン」

通級を検討する時に
 「大切なポイント

通級でよくある
 「授業に遅れる問題」と「対策」

学級選びで悩まれてる子
 「必要なもの」



通級を含む「学級選び」は、発達障害・グレーゾーンといわれる特性ある子にとって、特に大事な判断になります。

集団行動、人間関係の作り方、自己肯定感など、その後の生活に影響を与える大事な要素が沢山含まれています。

そこで今回は「通級を選んで後悔したケース・ポイント・対策」について紹介したいと思います。

私は、療育・相談支援を10年以上しており、学級選びの相談支援にも携わってきました。

この支援経験を元にをまとめています。参考になれば幸いです。

通級を選んで「後悔する3つのパターン」

通級を選んで「後悔するパターン」を、

3つ紹介します。

私が支援する中では、特に多い事例になります。



①:本人が感じる「必要性・納得感」がない

②:「先生との相性」が良くない

③:「授業の遅れ」が出る


①:本人が感じる「必要性・納得感」がない

本人が「通級に通う理由・意味」に納得してない場合になります。

これが一番多いケースになります。

「何で自分だけ、別の教室で授業を受けないとダメなの?」

「自分はバカじゃない。普通だ」

と感じていることが多いです。

また、通級を利用する中で、本人が疑問を感じるようになったり、

クラスメイトに「どこに行ってるの?」と聞かれる度に、嫌になってく子もいます。

②:「先生との相性」が良くない

通級の先生との相性が良くない場合になります。

また「先生が必要だと思う課題」と「本人が取り組める課題」とのギャップがあることも、少なくないです。

客観的に見て、必要な課題だけど、本人のモチベーションが低かったり、

本人の興味・関心に合っていなくて、取り組み自体が難しいケースになります。

③:「授業の遅れ」が出る

通級は、授業を抜けて利用するため、通常授業の一部が受けられません。

授業の遅れを取り戻すのが大きな負担になったり、中には、そのまま遅れが開いていく子もいます。

通級を検討する時「大切なポイント

通級を検討する時に「大切なポイントは、

3つあります。



①:子ども本人の「気持ち」
 (必要性・納得感)

②:検討する通級の「情報」を集める

③:学校側(担任・SC)の「意見」

 ※SC=スクールカウンセラー


①:子ども本人の「気持ち(必要性・納得感)」

“子ども本人の気持ち” の確認になります。

・通級を利用する必要性を感じているか
・納得感があるか

この2点が揃って初めて、通級を利用する土台が整います。

そのためには、本人が今の学校生活をどう感じてるのか、困っているかを丁寧に聞く必要があります。

困っていれば、手助けとなる通級を利用する選択肢のお話もできると思います。

また “困り” までいかなくても「個別でゆっくり先生に教わりたい」などの気持ちがある様なら、

通級の必要性は、感じやすいと思います。

具体的な伝え方は、こちらの記事をご覧ください。

支援級をテーマにしていますが、内容的には通級も共通になります。

【関連記事】

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方と注意点

②:検討する通級の「情報」を集める

“実際に通える通級の情報” を集めます。

理想は、実際に利用されてる方(ママ友など)のお話が一番です。

もしくは、通級で指導経験がある先生のお話も良い(信用できる先生なら)と思います。

同じ通級でも、実態(先生の対応・学校のスタンス)は、違ってくるものです。

また、在籍校にあるのか、近くの学校の通級まで行かないと行けないのか(送迎の有無)なども大事な情報になります。

在籍校にない場合は、通級がある学校まで送迎する場合もあります。

場合によっては、親御さんのお仕事の調整をする必要も出てきます。

⚠ 情報は “参考程度” にする

年度ごとに先生が変わることもある為、事前情報と違う場合もあります。

ただ、学校のスタンス(どこまで子どもに向き合ってくれるか)は、参考になりやすいです。

校長先生が変わらなければ、学校のスタンスは大きく変わりづらい為です。

【関連記事】

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準

③:学校側(担任・SC)の「意見」

担任やSC(スクールカウンセラー)の意見(通級の必要性について)を伺うことも大切になります。

普段の学校生活を踏まえて、客観的な意見がもらえる為、参考になりやすいです。

通級でよくある授業に遅れる問題」と「対策」

ここでは、通級を利用することで、

よくある授業に遅れる問題」と「対策」に触れていきます。

本記事でお伝えした通り、通級は授業を抜けて受けるものになります。

お子さんによっては、授業の遅れが出る場合があります。また通級を検討する子は、特性上、学習面で個別フォローが必要な子が少なくありません。

学習面の困りがある(懸念がある)子は、早めの学習フォローがあると安心です。

学習面で一番避けたい点は、学習の失敗体験を重ね、学力以前に勉強自体が嫌になることです。

よくある注意点は、”学習に遅れが出るまで様子を見る” ことです。

遅れが出てからですと、既に失敗体験を重ねているため、遅れを取り戻すのに、その分の本人の頑張りと時間が必要になります(失敗体験は学習の拒否感に繋がる為)。

お子さんによっては、学習の拒否状態になり、支援があっても介入に時間がかかる為、時間・労力・費用などが、より必要になってきます。

そうなる前に、予防的な意味合いとしても、学習での小さな成功体験を重ね、

自信と共に学ぶ意欲を高めておく方が、長い目で見て良いです。

学習対策は「タブレット学習」

特性ある子にとって、タブレット学習が良い理由は、4つあります。

・自分のペースで進められる
(在籍校にも合わせられる)

・理解しやすい勉強

(苦手意識を減らす)

成功体験が積める
(自己肯定感が上がる)

・ゲーム要素がある
(勉強嫌いの子も取り組みやすい)

また、よくある学習の困る点して、

「問題が少し変わると解けない」
「時間が経つと、解けない」

などがあります。タブレット学習は、この問題に効果的にアプローチできます。

本人の解答結果を、AIが分析し、本人に必要な課題のみを提示してくれます。その問題を解き続けることで、学力に繋げてくれます。

①「問題が少し変わると解けない」
⇨アニメーション解説で本質的な理解を促す
(考え方・論理的な理解を促す)

②「時間が経つと、解けない」
⇨②の繰り返しでアプローチ

また、AIにより、問題を微妙に変えて出題されることもあり、パターンや丸暗記による表面的な理解は避けることができます。

アニメーション/音声解説は、文字の読み書き、参考書・市販ドリルの学習が苦手な子も、理解しやすい特徴があります。

その他のメリット・デメリットなど、タブレット学習の詳細は、下の記事にまとめています。

学習方法の1つとして、参考になれば幸いです。

グレーゾーンの子、発達がゆっくりな子、未診断の子にも、共通する内容になっています。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良い タブレット学習

学級選びで悩まれてる子に「必要なもの」

ここでは、学級選びで悩まれてる方に「必要なもの」をお伝えしたいと思います。

学級で悩まれてるということは、

・今の環境(学級)が合ってないかも
・本人により合った環境で過ごしてほしい

など、本人の成長や過ごしやすさを考えた上で、検討されているのだと思います。

そんな学級選びを検討する時に、大切な点が3つあります。

①:本人の特性の把握
②:必要な配慮/環境の把握
③:①②を学校側への相談

本人に合う学級を選ぶには、本人の特性、特性に対して必要になる配慮/環境を把握する必要があります。

本人にとって、必要な配慮/環境が、より得やすい学級(環境)を選ぶことが、大切になります。

そして、学校によって、どこまで配慮が得られるか、環境を作ってもらえるかは、大きく変わってきます。

そのため、お子さんの特性、必要な配慮/環境が把握できた後に、学校に、得られる配慮や環境について、相談をします。

その結果、普通学級もあれば、普通学級+通級、支援級など、選ぶべき選択肢は変わってきます。

基本的には「本人の特性・必要な配慮/環境の把握⇒学校に相談⇒学級を検討」の流れで進めるのが良いです。

既に療育に通われてる方でしたら、療育先への相談が良いと思います。

もし療育先に通われていなかったり、相談が難しい場合は、この後お伝えする相談先を、選択肢の1つとして、ご確認ください。

✅お子さんの特性・必要な配慮/環境の把握は「リタリコジュニア

リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。

専門の先生が、お子さんの行動を分析した上で「本人の特性/必要な配慮/過ごしやすい環境(学級)」について、丁寧に説明してもらえます。

リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。

・療育の最大手
(実績と信頼がある)

・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)

・自己肯定感を高める指導
(子どもの楽しさ/成功体験を大切に)

・学級/学校生活の相談
(学級選び/学校で必要な配慮)
(学校への相談の仕方)

・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)
(具体的な親の関わり方)

例えば、全体指示が苦手な子でしたら、

・そもそも聞いてない
・聞いてるけど、理解してない
・聞いてるし、理解してるけど、やりたくない
(やらないことを選択してる)

など、行動の根本的な原因を分析し、アプローチ方法を教えてくれます(本人の特性、必要な配慮)

原因によって、普通級の範囲内なのか、通級で十分なのか、支援級が良いのか、判断材料が得ることができます。

専門的な視点で助言がもらえると、学級選びの参考になります。

このように、学級を検討する上で、必要な情報を把握できる所が、リタリコジュニア になります。

その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、下の記事をご覧ください。

特性ある子にとって、心配事がある子にとって、参考になる内容になっています。

【リタリコジュニア】発達/療育支援教室

「【10年以上の現場の事例】通級を利用して後悔する3つのパターン・対策・注意点」のまとめ

記事のポイントになります。



通級を選んで
 「後悔する◯つのパターン」

・本人が感じる必要性・納得感がない
・先生との相性が良くない
・授業の遅れが出る

通級を検討する時に
 「大切なポイント

・本人の気持ち(必要性・納得感)
・検討する通級の情報を集める
・学校側(担任・SC)の意見

通級でよくある
 「授業に遅れる問題」と「対策」

・授業の遅れ
・授業以外の学習フォロー
・タブレット学習

学級選びで悩まれてる子に
 「必要なもの」

・子どもの特性の把握
・必要な配慮/環境の把握
・学校側への相談
 (本人の特性を把握した上で)


以上になります。

本記事が、お役に立てば、幸いです。

【関連記事】

【通級にいじめはある?】10年以上の現場から見えた”実態”とは

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発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

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