子どもの進路について悩まれてる方「支援学校か、支援学級に行くべきか、迷ってる。うちの子に合ってる進路を選びたい。選ぶ基準が知りたい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅支援学校or支援学級
「どっちがいい?」
✅支援学校or支援学級
「選ぶ時の4つの手順」
✅支援学校と支援学級の
「違い」~メリット・デメリット
✅支援学校が合いやすい子の
「特徴」
✅支援学級が合いやすい子の
「特徴」
✅支援学級を選ぶ子が
「備えたいこと」
✅進路で悩まれてる親御さんに
「必要なこと」
特性ある子の進学先の判断は、多くの親御さんが悩まれる難しい問題だと思います。
以前と比べ「支援学級」「支援学校」は、増え、お子さんの選択肢は増えました。
一方で、
「うちの子はどっちが合ってるの?」
「選ぶ基準が分からない」
と悩まれてる方が多いのも、事実になります。
そこで本記事では、お子さんの進学先を選ぶ際に関わる「支援学校・支援学級」に関する情報をお伝えします。
私は、療育・発達支援員を10年以上しており、これまで特性ある子の支援に携わってきました。
その支援経験を元に、本記事をまとめています。参考になれば幸いです。
支援学校or支援学級「どっちがいい?」
支援学校と支援学級は、お子さんによって、どっちが良いのか、変わってきます。
進学先に何を求めるのかによっても、違ってきます。
ただ、支援学校の方が支援の厚さがあり、その分、生活面での困り度が大きい子が通う場所になります(詳しくは後述します)。
そこを踏まえ、具体的にどんな視点で、選んだ方が良いのかお伝えします。
支援学校or支援学級「選ぶ時の4つの手順」
支援学校or支援学級を「選ぶ時の手順」は、4つあります。
こちらの順で進められるのが、一番スムーズになります。
①:支援学校、支援学級の「違い」を知る
②:「発達のバランス/知能レベル」の把握
③:「通学圏内の支援学校/支援学級」の把握
④:検討中の支援学校/支援学級に見学にいく
①:支援学校、支援学級の「違い」を知る
当たり前になりますが、まず最初に、支援学校と支援学級の違いを把握します。
対象となる児童、支援内容、卒業後の進学先、支援をする先生を把握した上で、メリット・デメリットを確認します。
支援学校と支援学級の違いについては、後ほど図でお伝えします。
②:「発達のバランス/知能レベル」の把握
お子さんの発達のバランス(得意/不得意/凸凹)、知能レベルを把握します。
代表的なのは、WISCなどの検査を受け、書面で残す形が望ましいです。
WISCの場合ですと、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4つの領域から、客観的に数値化されます。
お子さんの得意、不得意、生活上で想定される困りなど、心理士の所見から確認することができます。
注意点は、
「口頭で言われてだけで書面は残ってない」
「何を言われたか覚えてない」
など、勿体ないケースもありますので、検査前に書面が残るのか、事前に確認することをお勧めします。
かかりつけの小児科、クリニックなどで実施するか、実施していない場合は、実施可能な病院などを紹介してもらえます。
お近くのクリニック、児童精神科、教育支援センターなどに問い合わせをするのが一番良いです。3~6か月待ちぐらいは当たり前になるぐらい、混み合ってる所が多いです。
もし、3か月以上待つ場合は、民間療育の リタリコジュニア でも心理検査を実施しています。
2か月以内で受けられる場合が多いので、早めに受けたい方向けになります。
心理検査を受けたい旨をお伝えすれば、その後ご案内があります。
③:「通学圏内の支援学校/支援学級」の把握
現実的に、通学できる支援学校/支援学級を把握します。
お住まいの地域によっては、そもそも選択肢が少ない場合も考えられます。
④:検討中の支援学校/支援学級に見学にいく
支援学校、支援学級の違い、お子さんの発達バランス/知能レベルが把握できたら、通学可能な支援学校、支援学級に見学に行きます。
見学の際に、こちらの2点があるのか、聞けると安心です。
・本人に似た特性の子の受け入れ実績
・本人が通った場合に得られる配慮
例えば、予定外のことが起こるとパニックになる特性の子に対しては、クールダウンできる部屋が設けらてる等です。
また、本人の様子を伝え、見学先の先生の意見を聞くのも重要です。
先生から見て、
「配慮があれば、通えそうです」
「うちの学校だと、難しいかもしれません」
など反応があると、参考材料になる為です。
支援学校と支援学級の「違い」~メリット・デメリット
支援学校と支援学級の「違い」になります。
項目 | 特別支援学校 | 特別支援学級 |
呼び方 | 支援学校(2007年まで:ろう学校、盲学校、養護学校) | 支援級、なかよし学級など |
人数 | 3~8名 | 8名以下 |
内容 | 自立と社会参加 (ex.社会ルールの遵守、道具の使い方、時間理解) | 個別の支援計画に基づいた授業 |
メリット | 支援が手厚い・自立に直結しやすい | 個々の特性に応じた指導が受けられる |
デメリット | 関わる人・経験できることが限定されやすい | ・専門的な先生とは限らない ・内申点がほとんどつかない ※中学 |
支援学校と支援学級のメリット、デメリットは、こちらになります。
✅支援学校のメリット
・専門性が高い支援
・知識、スキルが高い先生
(全員が特別支援学校教諭免許状あり)
・進学や就職の相談ができる
(通常の学校より情報が集まる)
✅支援学校のデメリット
・手続きが複雑
・本人が嫌がる場合がある
・関わる人が限られる
✅支援学級のメリット
・発達/特性に合う指導が受けられる
・自己肯定感を保ちやすい
・普通級と交流が持てる場合がある
✅支援学級のデメリット
・在籍基準があいまい
・担任の質の違いが大きい
・学校、地域差が大きい
・子どもが拒否することがある
・高校は、ほとんど支援級がない
・近くの学校に通う必要がある
(学区内に支援級がない場合)
【関連記事】
【現場でよくある事例】支援級(情緒級)を選んで後悔する3つのパターン・対策
支援学校が合いやすい子の「特徴」
支援学校が合いやすい子の「特徴」になります。
あくまで、支援してきた中で、個人的に感じた点になります。
・知的障害がある
・社会での自立に力を入れたい
(生活に直結するスキル)
・苦手な環境が多く、パニックになりやすい
(環境の変化が著しく苦手)
あとは、本人が支援学校の雰囲気・どんな場所なのか知った上で、安心して過ごせるかになります。
支援学級が合いやすい子の「特徴」
支援学級が合いやすい子の「特徴」になります。
こちらも、支援する中で感じられた点になります。
・集団が非常に疲弊しやすい
・集団行動に常に遅れがある
・困っても誰にも助けを求められない
・他害、癇癪など周りに大きな影響が出る
・知的な遅れがある
(境界域~軽度まで)
※境界域:IQ71~84 軽度:IQ51~70
こちらも、本人がメリット、デメリットを把握した上で、本人が納得していることが大切になります。
支援学級を選ぶ子が「備えたいこと」
ここでは、支援学級を検討する(選ぶ)子が、中長期的に備えたいことをお伝えします。
支援学級を検討する理由の多くは、学習面orSS面(コミュニケーション面/集団参加)が多いです。
その中でも、サポートが遅れがちなのが、学習面になります。
集団や友達とのやりとりは、トラブル、授業などの集団行動に影響が出るなど目立ちやすく、比較的早く対応されやすいです。
ただ、生活面が落ち着いても、学習面の問題は、先々の困りに発展することがあります。
支援学校に進学する子は、生活面の自立がテーマになりますが、支援学級となると、進路・就職先など、特に考えておく必要があります。
お子さんによりますが、支援学校に比べると卒業後の選択肢が多い上、高校は基本的に支援学級がなく、本人へのサポートが手薄になります。
また、中学生の子ですと、支援学級在籍の場合、内申点がつかず、受験の選択肢が狭まります。
そういった背景から、早めに本人に合った学習方法を把握することが大切になります。
学習が全てではありませんが、進学や将来の選択肢が変わってくる為、大切な要素になります。
支援学級に進む子は、早めに備えておきたい点になります。
また、学習の失敗体験を積めば積むほど、学習の拒否感は強まるので、学力以前に、学習に取り組めるかどうかの問題もあります。
そうなる前に、失敗体験の予防も兼ねて、対策をしていきたいです。
✅学習対策は「タブレット学習」
特性ある子にとって、タブレット学習が良い理由は、4つあります。
・自分のペースで進められる
(在籍校にも合わせられる)
・理解しやすい勉強
(苦手意識を減らす)
・成功体験が積める
(自己肯定感が上がる)
・ゲーム要素がある
(勉強嫌いの子も取り組みやすい)
また、特性ある子の学習の困りポイントとして、
「少し問題が変わると解けなくなる」
「時間が経つと、忘れちゃう」
などがあります。タブレット学習は、この問題に効果的にアプローチできます。
本人の解答結果を、AIが分析し、本人に必要な課題のみ提示してくれます。その問題を解き続けることで、学力に繋がっていきます。
①「少し問題が変わると解けなくなる」
⇨アニメーション解説で本質的な理解を促す
(本質的/論理的な理解を促す)
②「時間が経つと、忘れちゃう」
⇨②の繰り返しでアプローチ
また、AIにより、問題をやや変えて出題されるため、丸暗記による表面的な理解を避けることができます。
アニメーション/音声解説は、文字の読み書き、参考書・市販ドリルの学習が合わない子も、理解しやすい特徴があります。
その他のメリット・デメリットなど、タブレット学習の詳細は、こちらの記事をご覧ください。
発達障害に関わらず、学習の心配事がある子にとって、共通する内容になります。
学習方法の1つとして、参考になれば幸いです。
進路で悩まれてる親御さんに「必要なこと」
ここでは、進路で悩まれてる親御さんに「必要なこと」をお伝えしたいと思います。
進路で悩まれてる親御さんの多くは、
・本人が過ごしやすい環境を見つけたい
・成長、楽しみに繋がる環境を選びたい
・本人の将来も見据えて、考えたい
など、様々な思いをお持ちだと思います。
本人の進路を考える上で、大切な点が3つあります。
①:本人の特性把握
②:必要な配慮/環境の把握
③:①②を踏まえ、進路の検討
本人の特性、必要な配慮/環境が把握できれば、どの進路が合ってるのか、判断がしやすくなります。
専門家の視点で、客観的な意見がもらえると、お子さんの今後を考える上で、参考になります。
既に療育に通われてる方でしたら、まず療育先へ相談するのが良いと思います。
もし、療育先に通われていなかったり、相談が難しい場合は、次でお伝えする相談先を、選択肢の1つとして、ご確認ください。
✅本人の特性、必要な配慮/環境の把握は「リタリコジュニア」
リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。
専門の先生が、お子さんの行動を分析し「本人の特性/必要な配慮/過ごしやすい環境(進路)」について、丁寧に解説してくれる教室になります。
リタリコジュニアの良さは、大きく6つあります。
・療育の最大手
(信頼と実績)
・応用行動分析
(エビデンスに基づく支援)
・自己肯定感を高める指導
(子どもの成功体験/楽しみ)
・学級/学校生活の相談
(進路相談/学校で必要な配慮)
・家での関わりサポート
(具体的な親の関わり方)
(ペアレントトレーニング)
・オンライン支援
(遠方/海外にお住いの方向け)
例えば、指示を行動に移すのが、苦手な子でしたら、
・聞いてない
(注意散漫、集中力/興味関心の偏り)
・聞いてるけど、理解してない
(情報処理、理解する力、短期記憶)
・聞いてるし理解してるけど、やりたくない
(きりかえ、苦手意識、情緒面)
など、表面的には同じ行動でも、原因(特性)によって、必要な配慮/環境作りも変わってきます。
1回の指導で、根本的な原因を分析し、根本的なアプローチの仕方を教えてもらえます(本人の特性、必要な配慮)。
もちろん、希望すれば継続的な支援も受けられます。
指導の結果、見えてくる特性次第で、本人に合う進路も、より具体的になってきます。
このように、専門家から客観的な見立てがもらえると、進路選びの判断がしやすくなります。
その他、メリット・デメリットなど、詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。
特性ある子の親御さんに、参考になる内容になっています。
「【どっちがいい?】支援学校か、支援学級に行くのか~迷った時の4つの手順・考え方~」のまとめ
記事のポイントになります。
✅支援学校or支援学級
「どっちがいい?」
・学習の進度が一般的
・多くのクラスメイトと交流が持てる
✅支援学校or支援学級
「選ぶ時の4つの手順」
・支援学校、支援学級の違いを知る
・発達のバランス/知能レベルの把握
・通学圏内の支援学校/支援学級の把握
・検討中の支援学校/支援学級へ見学
(似た特性の子の受け入れ実績)
(得られる配慮/先生の意見を聞く)
✅支援学校のメリット
・専門性が高い支援
・知識、スキルが高い先生
(特別支援学校教諭免許状)
・進学や就職の相談ができる
(通常の学校より情報が集まる)
✅支援学校のデメリット
・手続きが複雑
・本人が嫌がる場合がある
・関わる人が限られる
✅支援学級のメリット
・発達/特性に合う指導が受けられる
・自己肯定感を保ちやすい
・普通級と交流が持てる場合がある
✅支援学級のデメリット
・在籍基準があいまい
・理解ない先生もいる
・学校、地域差が大きい
・子どもが拒否することがある
・高校は、ほとんど支援級がない
・近くの学校に通う必要がある
(学区内に支援級がない場合)
✅支援学校が合いやすい子の
「特徴」
・知的障害がある
・社会での自立に力を入れたい
・苦手な環境が多く、パニックになりやすい
✅支援学級が合いやすい子の
「特徴」
・集団が非常に疲弊しやすい
・集団行動に常に遅れがある
・困っても助けを求められない
・他害、癇癪など周りに大きな影響が出る
・知的な遅れがある
(境界域~軽度)
✅支援学級を選ぶ子が
「備えたいこと」
・学習の成功体験を作る
・本人に合う学習法の把握
・学習意欲を高める
・タブレット学習
✅進路で悩まれてる親御さんに
「必要なこと」
・本人の特性の把握
・必要な配慮/環境の把握
・学校側への相談
(本人の特性を把握して)
以上になります。
本記事が、参考になれば幸いです。
【関連記事】