就学相談を受けるか迷われてる方「就学相談は行かない方がいいの?親が希望しない支援級や支援学校で決められちゃうって本当?」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅就学相談でショックを受ける
「2つのポイント」
✅就学相談でショックを受けた
「2つの事例」
✅就学相談後の
「5つのパターン」
~通級・支援学級を勧められた子~
✅就学相談で大切になる
「4つの視点」
小学校入学前のお子さんについて、相談ができる就学相談。
本来なら、不安を抱えてる親御さんの味方になるはずが、
「就学相談なんて、行かなきゃ良かった」
「言われたことがショックで立ち直れない」
など、就学相談に関するネガティブな声をネットで見かけます。
そこで、本記事では、就学相談に関する大切な情報をお伝えしたいと思います。
本記事の執筆者の私は療育・発達支援を10年以上しており、発達障害やグレーゾーンなど、多くのお子さんの支援に携わってきました。
就学相談で悩まれてる方の支援にも携わってきた中で、大切に感じたポイントをお伝えします。参考になれば幸いです。
あくまで、私が支援する中で感じたことですので、参考程度にご覧ください。
就学相談でショックを受ける「2つのポイント」
就学相談で「ショックを受けるポイント」は、2つあります。
①:「子どもを否定された」気持ちになる
②:家族で「揉めるキッカケ」になる
①:「子どもを否定された」気持ちになる
就学相談をする中で、精神的なダメージを受ける親御さんが一定数います。
お子さんの様子、就学相談によっては、通級、支援級を勧められることがあります。
ただ、親御さんとしては、
「うちの子に、障害があるってこと?」
「普通学級だと、皆についていけないの?」
など、精神的にショックを受けることが多いです。中には、お子さんのコト、親の育児を否定された気持ちになり、精神的に追い込まれてしまう親御さんもいます。
「就学相談」という場で言われることは、思ってる以上に、親御さんに影響を与えます。
②:家族で「揉めるキッカケ」になる
就学相談で受けた内容がキッカケで、家族内で意見が対立します。
特に多いのは、通級や支援級を勧められた際に、母親は本人が過ごしやすい学級(環境)で良いと思っていても、
父親や祖父母が「障害児がある子が行く所でしょ」「うちの子に障害はない」となり、衝突になります。
家族内で揉める火種になり、意見がまとまらず、支援がないまま普通級に行き、お子さん本人が辛い思いをしてしまうことは、少なくありません。
そして、家族内で一緒に考えてくれる味方がいないことで、親御さん自身(特に母親)が孤独感で苦しむことがあります。
【関連記事】
【発達障害だけど普通学級で貫き通します】事例の紹介~学級選びのポイント~
就学相談でショックを受けた「2つの事例」
就学相談でショックを受けた「事例」を2つお伝えします。
一言でいうと「通級or支援学級を勧められた」ケースになります。
「うちの子が障害児ってこと?」
「うちの子は、他の子と違うってこと?」
など、先ほど同様に、お子さん自身や育児を否定された気持ちになることがあります。
①:「通級」を勧められた
②:「支援学級」を勧められた
①:「通級」を勧められた
通級を勧められることが多い特徴は、園生活に大きな支障が出てない点になります。
背景としては、園の先生の理解・協力があったり、周りの子に恵まれていたり、園自体が自由保育で、本人が尊重されてきた等があります。
また、医師に相談したり、検査を受けても、診断名がついたり、数値でハッキリ出ることが少ないです。
いわゆる、“グレーゾーン” や “発達ゆっくり” と言われる子になります。
ただ、周囲の協力が少ない環境だと、
・授業中の離席
・集団行動から遅れる
・指示を聞けない
・指示を行動に移せない
・複数の指示理解が難しい
など、心配事が出やすくなります。
個別対応が少ない小学校生活の環境のため、通級が勧められることは、珍しくありません。
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②:「支援学級」を勧められた
支援学級を勧められることが多い特徴は、園生活に支障が出てる点になります。
具体的な様子としては、
・きりかえが難しい
・自傷、他害、癇癪
・飛び出しなどの逸脱行動
・待つ、着席が難しい
・指示を聞けない
・指示の理解が難しい
・集団に合わせ行動しづらい
などがあります。集団生活に大きな影響が出る行動が出やすい特徴があります。
また、検査結果から、発達の凸凹が大きかったり、診断名がつく子がいます。
中には、発達特性よりも、情緒面(不安感の強さ)の困りを抱えて、支援学級になる子もいます。
ただ、発達/知的な遅れがない為、普通学級や通級でスタートし、難しかった場合に、支援学級に転籍する子も多いです。
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【普通学級or支援学級か】内容、選ぶ基準、メリット/デメリット
就学相談後の「5つのパターン」~通級・支援学級を勧められた子~
就学相談後でよく見られる「5つのパターン」をお伝えします。
就学相談で、通級、支援学級を勧められた子の事例になります。
①:「普通学級」でそのまま過ごす
(大きな支障は出てない)
②:「普通学級⇨通級or支援学級」
(困りごとが大きくなった)
③:「通級⇨普通学級」になった
(困りごとが小さくなった)
④:「通級⇨支援学級」になった
(困りごとが減らない)
⑤:「通級/支援学級を継続」してる
(学級が本人に合ってる)
①:「普通学級」でそのまま過ごす(大きな支障は出てない)
普通学級でそのまま過ごし、大きな問題がない状態になります。
もちろん、細かい点でいうと、忘れ物が多い、授業中ぼーっとしてる時がある、友達とのやりとりで少し行き違いがある、などはあります。
ただ、学校生活に大きな支障はなく、周りの子も、本人のキャラクターとして受け止めたり、面白い子として関わってくれます。
小学校低学年は、周りの子も気にしなかったり、本人も周りとの違いを感じたり考えることも少ない為、楽しく生活を送ってる子が少なくありません。
②:普通学級⇨「通級or支援学級」(困りごとが大きくなった)
就学相談時、やや心配していた点が、表面化されたケースになります。
具体的には、
・他児とトラブル
・注意されると怒る、癇癪を起こす
・忘れ物が多い
・授業を聞いてない
・集団行動から遅れてる
など、様々になります。
困りの程度が小さい内は、通級を利用する方がいます。
クラス全体、教室運営に影響が出る場合は、学校から支援学級を勧められることがあります。
③:「通級⇨普通学級」になった(困りごとが小さくなった)
通級を利用する形で小学校生活をスタートしたケースになります。
ただ、困りごと自体は大きくなく、通級がなくても問題ないぐらい落ち着いています。
担任から「通級がなくても過ごせそうですね」とお話を受けた方もいます。
学校生活で担任から見ても、親御さんから見ても、大丈夫という判断がついたら、年度の変わり目で通級をやめる方がいます。
通級については、学校やお子さんの様子によっては、デメリットもあるので、詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【関連記事】
【10年以上の現場の事例】通級を利用して後悔する3つのパターン・対策・注意点
④:「通級⇨支援学級」になった(困りごとが減らない)
通級を利用して就学したけど、困りごとが減らないケースになります。
通級の支援量では、足りていないという点から、支援学級に転籍します。
学校によっては、普通学級に籍を残したまま、年度末まで支援学級をお試しで利用できた方もいました(年度途中で転籍が難しい為)。
通級よりも支援が手厚い “支援学級” にすることで、困りごとを減らしてく方向性で進んだケースになります。
ただ支援学級については、いくつか注意点があります。支援学級を検討される方は、参考にご覧ください。
【関連記事】
【現場でよくある事例】支援学級を選んで後悔する~3つのパターン・対策
⑤:「通級/支援学級を継続」してる(学級が本人に合ってる)
今の通級or支援学級が本人に合っていて、現状維持するケースになります。
今の支援量が本人に合っているという点からです。
年度毎に、通級や支援学級の継続について、学校と相談して決めていきます。
就学相談で大切になる「4つの視点」
就学相談で「大切な視点」は、4つあります。
就学相談をする上で、大切な視点、具体的な行動になります。
①:就学前の「相談先の確保」
②:「本人の情報」を書面で出す
③:なるべく「複数で参加」する
④:早めの「学習サポート」
①:就学前の「相談先の確保」
「就学前に、子どもの相談ができる場所」が確保できると考えます。
お子さんの発達や育児相談など、特に療育・特別支援に関わる相談先は、大変込み合ってます。
また、近くに相談できる所がなかったりと、物理的な問題も少なくありません。
そのような背景を考えると、一時期とはいえ「相談できる場所」があるのは、お子さん、親御さんにとって大切なことになります。
いざ、相談したい!という時に、すぐ相談できる場所があるのと、相談先を調べてから始めるのでは、動き出しに大きな違いが生まれます。
他にも、療育機関に相談するのも良いです。療育とは、お子さんに必要なスキルを学んでもらう場、そして親が家での関わり方を学ぶ場になります。
具体的な困りがあって、解消したい問題がある場合は、療育の支援を受けるのも1つです。
「何から相談していいか分からない」という方も、支援員と対話をする中で、一緒に整理をすることもできます。
いずれにしても、相談できる場所の確保は、就学前には押さえたい点になります。
②:「本人の情報」を書面で出す
お子さん本人の様子を、なるべく具体的・客観的な情報で渡します。
代表的なものは、3つになります。
・発達/心理検査
・療育先の個別支援計画/指導記録※
・児童連絡票※
(小学校への引継ぎ)
※児童発達支援を利用されてる方
臨床心理士、言語聴覚士、療育機関など、専門家の見立て/所見を共有できると良いです。
③:なるべく「複数で参加」する
就学相談に限らずですが、相談は、なるべく2名以上の参加が望ましいです。
理由は、親御さん一人の参加ですと、感情的になってしまったり、情報量が多くて整理して考えることが難しかったり、
主観が入った話が多くなった場合、相談員の方が状況を正確に把握できない、などがあります。
そのため、お子さんの様子を教えてくれる人が複数いると、偏ることなく、より正確なお子さんの情報が伝わります。
より正確な情報が伝わった分だけ、本人により合った判断・配慮が見えやすくなります。
④:早めの「学習サポート」
ここでいう早めの学習サポートが必要になる子は、“診断名はつかないけど、学習面が気になる子” になります。
以下のような、様子が見られる子が多いです。
・診断つかない
(発達ゆっくり/グレーゾーン)
・物事の理解がゆっくり
・文字の読み書きが苦手
・数の概念の理解が怪しい
他の子より、理解のペースがゆっくりでも、授業と家での学習(親が教える)で何とかなる子もいますが、
中には、勉強が嫌で学校への行き渋りが出たり、ストレスで頭痛や腹痛になる子もいます。
不登校になるキッカケになることもある為、学習の失敗体験を積み重ねる前に、早めの学習サポートがあると安心です。
診断がつかない分、支援が受けづらかったり、周りから見過ごされやすく、行き渋りや不登校など、問題が大きくなってから周りが気付くケースも、少なくありません。
✅就学前の学習対策は “タブレット学習”
就学前~小学1年生頃までは、特に学習の姿勢作り(学習の成功体験を作る)が大切になります。
タブレット学習のような、良い意味でゲーム感覚でできる学習は、お子さんの拒否感に繋がりにくいです。
また、親御さんが教える負担を軽くするメリットもある為、家族にとっても良いです。
親御さんですと、我が子に対しては、「何でこれが分からないの?」といら立ちやすく、お子さんもストレスが溜まります。
その点、タブレット学習ですと、アニメーション解説があり、市販教材や口頭での説明が理解しにくい子にとっても分かりやすい為、お互いのストレスにもなりづらいです。
小学校の学習が心配な方は、学習サポートの1つの選択肢として、こちらをご覧ください。
発達障害、ADHD、自閉症をテーマにしていますが、診断がつかないグレーゾーンの子にも、共通する内容になっています。
✅就学先の最終判断は “親の意思”
就学相談では、通級や支援学級を勧められることはありますが、学級の最終判断は親御さんに委ねられます。
親御さんが望んでないのに、強制的に支援級になることはありません。
ただし、相談の仕方、話の流れなどで、親御さんが望んでない(まだ疑問を持ってる)方向に行くことはあります。
あくまで1つの情報として捉え、家族内で相談することが望ましいです。
また、療育に通われてる方は、療育先に相談することをお勧めします。
どんな配慮や環境がある学級が良いのかなど、本人をよく知ってる支援者からのアドバイスは、参考になります。
✅”先輩ママの情報” は有力
可能な方は、先輩ママ(就学相談をした/在籍校で通級or支援級を利用中)にお話が聞けると良いです。
実際にその学校で経験された方からは、リアルな情報が聞けます。
同じ園のママ友、療育先のママ友など、小学校の先輩ママ友など、相談できる方がいる場合は、積極的に情報を集めていきたい所です。
「通級、支援級ってどんな所?何が違うの?」という方は、こちらの記事をご覧ください。
特徴、メリット、デメリット、対象になる子など、要点の把握ができます。
✅通級指導教室(通級)とは
✅支援学級(支援級)とは
【普通学級か支援学級か】内容、選ぶ基準、メリット、デメリット
「【行かなきゃ良かった】就学相談でショックを受ける2つのポイント~後悔しない為の4つの視点~」のまとめ
記事のポイントになります。
✅就学相談でショックを受ける
「2つのポイント」
・子どもを否定された気持ちになる
・家族で揉めるキッカケになる
✅就学相談でショックを受けた
「2つの事例」
・通級を勧められた
・支援学級を勧められた
✅就学相談後の
「5つのパターン」
・「普通学級」でそのまま過ごす
(大きな支障は出てない)
・「普通学級⇨通級or支援学級」
(困りごとが大きくなった)
・「通級⇨普通学級」になった
(困りごとが小さくなった)
・「通級⇨支援学級」になった
(困りごとが減らない)
・「通級/支援学級を継続」してる
(学級が本人に合ってる)
✅就学相談で大切になる
「4つの視点」
・就学前の相談先の確保
・本人の情報を書面で出す
・複数で参加する
・早めの学習サポート
以上になります。
本記事が、参考になれば幸いです。
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