家での関わり方/その他

【漢字が覚えられない】ADHDの子が覚えられる!4つの方法を紹介!

投稿日:2022年7月4日 更新日:

ADHDの子の勉強で悩まれてる方「子どもが漢字が覚えられなくて困ってる。ADHDの子が漢字を覚えられる方法が知りたい」

「何回練習しても、子どもが漢字が覚えられない…」

「授業についていけず勉強が嫌になったり、自信がなくなったり…心配が尽きない…」

特に、ADHDの特性を持つ子の場合、練習してもなかなか定着しないこと、ありますよね。

多くの親御さんが、悩まれてる問題だと思います。

そこで本記事では、「ADHDの子が漢字が覚えられる4つの方法」をお伝えしたいと思います。

この記事を執筆してる私は、お子さんの療育/学習支援を15年以上しており、現在も支援に携わってます。

その支援経験を元に、実際に上手くいった方法・注意点をお伝えします。

参考になれば幸いです。

ADHDの子の「漢字が覚えられない理由」

ADHDの子の「漢字が覚えられない理由」は、大きく2つあります。



①:「注意力」の偏り
 (特性)

②:「苦手意識」の強さ
 (気持ち)


注意力の偏り

漢字を覚える時、影響が大きい “注意力の偏り” は、2つあります。

注意が 散りやすい 特性

“注意の転動性” ともいいます。

転動性が高いと、他のコトに注意が散りやすいです。

漢字を覚えようとしても、他のコトに注意がいき、必要な学習ができてない状態が多いです。

お子さんにもよりますが、気になるモノの一例になります。

・音(聴覚)
(ex.テレビ・外の音・話し声・人の言動)

・視界に入るモノ(視覚)
(ex.手先でイジれる物・好きな物・人の言動)

転動性が高い子にとって、周囲は刺激に溢れてることが多いです。

注意が続かない特性

“注意の持続性” ともいいます。

”集中できる時間” が、人より限られてます。

努力不足ではなく、ADHDの場合は、特性(本人の意思の問題でない)によるものです。

・本人自身が工夫すること
・集中しやすい環境を作っていく

この2点が、大切になります。

苦手意識の強さ

「どうせ漢字が覚えられない」

「苦手だからやりたくない」

という、ネガティブな気持ちになります。

この気持ちの原因の多くは、失敗体験の多さになります。

「やってみたけど覚えられなかった」
「できなくて、怒られた」

など、”負の経験” が積み重なってることが多いです。

「学習障害」の場合もある

注意力の偏りもなく、本人が頑張ってるのに、どうしても漢字が覚えられない場合は、

「文字の読み・書きが極度に苦手な特性」が原因の場合もあります。

ADHDの子の「漢字を覚える方法」

ADHDの子の「漢字を覚える方法」は、4つあります。



①:「好きなもの」に関連付ける

②:「複数の方法」でなぞる

③:「好きなもの+漢字」を貼っておく

④:「書きやすい枠」を使う


好きなものに関連付ける

『お子さんが好きなもの(イメージしやすいモノ)』に、漢字を紐づける方法になります。

例えば、ポケモンが好きな子でしたら、「オリジナルのポケモン図鑑を作る」などができます。

「ピチュウは、電気タイプ、小さいねずみ」
⇨電気・小さい・動物(漢字)

「リザードンは、炎タイプ、羽で空を飛ぶ」
⇨炎・羽・飛ぶ(漢字)

このように、好きなモノから連想できる漢字を繋げ、覚えていくイメージになります。

少し手間ですが、ポケモンのイラストの下に、覚えた漢字を書いて覚えられると、

楽しみながら、漢字の定着率もグンと上がります。

✅”色で関連付け” もできる

例えば、「雨は青色で書く」、「森は緑色で書く」様なイメージです。

お子さんがイメージしやすいモノでしたら、好き以外の要素を使っても大丈夫です。

色鉛筆・色ペンなど、学びやすさに合わせて、試してみましょう。

複数の方法でなぞる

漢字が苦手な子にとって、書くという作業は苦痛になりやすいです。

その “書く” のストレスを少しでも減らす為に「色んな方法で書く」という考え方があります。

具体的には、こちらになります。

・色鉛筆
・色ペン
・習字
・シャーペン


色んな道具を使って、書くという作業に “新鮮さ” を入れていきます。

また、同じ道具でも、下の要素を変える工夫ができます。

・色
・太さ
・紙のサイズ
・紙の種類
・書く場所


色ペンでしたら、マッキーペンのような太いものを使ったり、

紙のサイズ・場所も、模造紙を床に広げて思いっきり書く方法もあります。

多少の苦手意識がある子には、有効な方法になります。

ただ、多忙な日々の中でやるのは大変ですので、無理のない範囲でお勧めしてます。

好きなもの+漢字を貼っておく

『日常生活で目にする所』に、漢字を貼っておきます。

ただの漢字表ではなく、さきほどの好きなモノと一緒に貼るのをお勧めします。

先ほどの例ですと、ポケモンのイラスト+ポケモの説明(ここに漢字を書く)を紙にまとめ、

リビング・トイレなど、目に付きやすい所に貼っておきます。

勉強を頑張った達成感にもなり、視界に入ることで覚えやすくなります。

また、家族にほめられる機会にもなりやすいので、

“漢字を覚えるモチベーション” にも、繋がりやすいです。

書きやすい枠を使う

『お子さんが書きやすい枠』 で練習すると、効果的です。

学校によっては、指定のノートがあるかもしれません。

ただ、練習の場合は、書きやすい枠を使う方が良いです。

・点線が全くないもの
・縦/横に点線があるもの
・なぞり書き用
・色付きの枠


お子さんに実際に使ってもらって、試してみるのが1つです。

ちなみに、何の枠が合うのかは、お子さんによって、全く違ってきます。

✅”ゲーム性を取り入れる方法” もある

カードを使って、ゲームっぽくして覚える方法もあります。

私が支援してる子にも好評だったカードを、1つ載せておきます。

✅「細部」には、こだわらない

「漢字を書く」だけに、焦点を当てることが大切になります。

・書き順
・字のきれいさ
・枠からはみ出さない

などは、一旦置いておく必要があります。

親御さんとしては、気になる部分だと思いますが、まずは「漢字が覚えられた」が重要になります。(お気持ちは分かります…)

余りに多くのことを求められてしまうと、勉強自体が嫌になってしまい、漢字どころではなくなってしまいます。

私も支援する中で、学習支援を必要とする子の多くが、勉強自体が嫌になってる場合がとても多かったです。

【関連記事】

【療育指導員が紹介】ADHDの子が過ごしやすくなるグッズ8選

【漢字覚えられない ADHDの子の対策】まとめ

記事のポイントになります。



ADHDの子の
 「漢字が覚えられない理由」
・注意が散りやすい
・注意が続かない
・注意が向けられない
・苦手意識の強さ

ADHDの子の
 「漢字を覚える方法」
・好きなものに関連付ける
・複数の方法でなぞる
・好きなもの+漢字を貼っておく
・書きやすい枠を使う
・細部にこだわらない


以上になります。

本記事が参考になれば幸いです。

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