

発達性協調運動障害の子の自転車で悩まれてる方「子どもが自転車に乗れなくて心配。運動が苦手な子でも乗れる様になる方法が知りたい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅自転車が苦手な「原因」
✅自転車の「練習方法」
~モチベーション~
✅自転車の「練習方法」
~技術~
✅オススメな「自転車アイテム」
お子さんの就学が近づくにつれて、周りの子が自転車に乗れるようになり、
「うちの子も乗れてほしいな…」と、感じる方もいるかと思います。
特に運動が苦手な子にとっては、苦手意識がついたり、運動が嫌になってしまう経験に繋がることも、少なくありません。
「今のうちに練習して、できることを増やしてあげたい」と、思われる親御さんも多いと思います。
この記事を執筆している私は、療育・相談支援を10年以上しており、その中には発達性協調運動障害の子も、多くいらっしゃいました。
私の息子も、発達協調性運動障害の診断を受けており、自信を失わないようにしつつ、自転車に乗れる様になるまで…色々と試行錯誤しました…。
その支援・育児経験を元に、本記事では下記の内容をまとめました。
本記事が参考になれば、幸いです。
自転車が苦手な「原因」

発達性協調運動障害の子の自転車が苦手な「原因」は、協調運動の困難さにあります。
協調運動とは、”2つ以上の部位を同時に動かす” ことをいいます。
まずは、生活全般の「具体的な協調運動」を見ていきましょう。
✍「生活面」の協調運動
【手と目】
・板書が苦手
・ボールのキャッチが苦手
・ボールがまっすぐ投げられない
【手と手】
・工作/製作が苦手
・消しゴムが上手く使えない
【足と手】
・縄跳びが苦手
・走りながらボールを投げる、捕るが苦手
【足と目】
・転びやすい
・ボールを蹴るのが苦手
次は、「自転車に乗る」では、どんな協調運動があるのか、見ていきましょう。
✍「自転車に関係する」協調運動
【手と目】
・進行方向を見る+ハンドル操作
【手と手】
・左右のハンドル操作
(左右の手:似た動き)
・曲がる時の左右の押し引き
(左右の手:異なる動き)
【足と手】
・ハンドル操作+ペダルを漕ぐ
・ブレーキを握る+地面に足をつける
【足と目】
・進行方向を見る+ペダルを漕ぐ
・止まる位置を見る+地面に足をつける
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自転車の「練習方法」~モチベーション~

発達性協調運動障害の子の自転車の「練習方法」を、2つの視点で紹介します。
・モチベーション
・技術
この2つのどちらが欠けても、自転車に乗ることは難しいです。
「自転車に乗る」ということは、継続的な練習が必要になります。
継続的に取り組むためには、モチベーションが必須になります。
ここでいうモチベーションとは、
・少しずつ乗れるような感覚
(自己成長)
・ほめてもらえて嬉しい気持ち
(承認)
など、お子さんにとっての喜び(メリット)になります。
大人が一方的に「自転車の練習しよう!」と言うよりも、
お子さんが「楽しい!もう1回やりたい!」という気持ちを作ることが、大切になります。
まずは、「モチベーション」を上げる4つの方法を見ていきましょう。
①:「ポジティブな視点」をもつ
②:ハードルを「下げる」
③:「細かく・具体的」にほめる
④:成果を「視覚化」する
①:「ポジティブな視点」をもつ

「○○を改善しよう」ではなく、『○○ができるようになった!』という視点を持ちましょう。
体育会系の人は別かもしれませんが、私たち大人も何かを教わる時に、
できてない所ばかりを指摘され続けたら、モチベーションが下がると思います。
「全然成長してないのかな…」と、次第に自信・やる気を失うと思います。
ましてや、発達性協調運動障害の子は、運動が苦手だったり、自信がない場合が多いです。
お子さんの立場を考えると、「改善視点」よりも、『成長視点』の方が、モチベーションが上がります。
モチベーションが上がれば継続できるので、結果として、成功率が上がります。
②:ハードルを「下げる」

「ハードルを下げる」とは、”大人が求める要求のレベル” を下げることになります。
いわゆる
目標の細分化(スモールステップ)ですね。
いきなり「自転車に乗る」が目標になると、乗れるまでの練習が、全部「失敗」になってしまいます。
ゴールが遠いと、お子さんも「出来る様になってきてる実感」が持ちづらいですよね。
そのため、「ハードルを下げる」が大切になります。
例えば、下記のようなイメージになります。
・大人が支えた状態で3m進む
・地面に足をつけながら、一人で5m進む
「自転車に乗る」を分解して、お子さんが背伸びして届く様な目標にするのが、ポイントになります。
③:「細かく・具体的」にほめる

先ほどの『ハードルを下げた目標』に沿って、都度ほめてあげましょう。
「一人で1mも進めたね!」
「片手しか手伝ってないのに3mも進めたの!?すごい!」
このように「数字を入れてほめる」と、お子さんの喜びはUPします。
もし、メートルなどの距離のイメージがつかない子は、進んだ距離を目印つけて、伝えるのも良いと思います。
私が実際に使っているチョークを載せておきますね。
外では、これを重宝しています。参考程度にご覧ください。
☑クレヨラ チョーク ジャンボチョーク 水で落とせる48色
④:成果を「視覚化」する

「お子さんの成長」を、目で確認できる形に残していきましょう。
先ほども少し触れましたが、下記のようなイメージになります。
・自転車が進んだ距離に目印つける
・自転車に乗れてる時間を数える
(書き残す)
自転車で進めた距離を地面に目印つけたり、物を置いて、目で見て分かるようにします。
次は、その目印(前のお子さん自身の記録)を目指して、がんばります。
また、自転車に乗れてる時間(両足が地面に離れてる)を数えて、スコア表のように、紙に書き出す方法もあります。
お子さんのモチベーションが上がる方法を、選んでみましょう。
自転車の「練習方法」~技術~

土台のモチベーションができたら、次は「技術」になります。
ここでは、「自転車に乗る」を4つのステップに分けて、見ていきましょう。
必要なステップは個人差がありますので、お子さんに必要なステップを参考に、ご覧ください。
①:ハンドルを持って「押しながら歩く」
②:自転車に「またがった状態で」歩く
③:「両足で地面を蹴りながら」進む
④:自転車を漕ぐ
(大人が後ろで支えながら)
①:ハンドルを持って「押しながら歩く」

まず最初は、自転車の扱いに慣れる所から始めてみましょう。
乗る前に、ハンドルを持ち、押しながらゆっくり歩いてみましょう。
直線が慣れてきたら、曲がったり、Uターンにも挑戦してみましょう。
乗る前にハンドル操作の感覚を掴めておけると、後々楽になります。
②:自転車に「またがった状態で」歩く

自転車を押すことができたら、次は自転車にまたがり、両足を地面につけ、ゆっくり歩きましょう。
自転車にまたがった状態で、フラフラする場合は、
サドルの高さが合ってない可能性があるので、安定する高さに調節すると安心です。
③:「両足で地面を蹴りながら」進む

またがった状態で歩けたら、次は両足で地面を蹴りながら進んでみます。
自転車が前に進み勢いがついてきたら、両足を浮かせて、バランスのとり方も覚えられると良いです。
最初は、勢いがつかないと思うので、何回か地面を蹴って勢いがついてから、両足を地面から離してみましょう。
両足を離して進めた距離を、「○m進めたね!」「○○の場所までいけたね!」など、
具体的に伝えると、お子さんが更に楽しんで、練習ができます。
④:自転車を漕ぐ(大人が後ろで支えながら)

地面を蹴りながら進めるようになったら、そのまま両足をペダルに乗せて、漕いでみましょう。
最初は、後ろで大人が両手を使いながら、支えるのが良いです。
そして、大人の補助を段階的に減らしていきましょう。
①ハンドル+サドルを支える
②ハンドルだけ支える
③サドルだけ支える
④補助なし
下にいくほど、補助が減っていく状態になります。
⚠「訓練」にならないように
「自転車に乗る」だけが目的になり、訓練の様になるのは、避けた方がよいです。
よくあるのが、大人が熱心に教えてるけど、お子さんの気持ちがついていかず、そのまま嫌になってしまうパターンです。
“『楽しむ』の過程に、自転車の練習がある”
という視点が、大切になります。
オススメな「自転車アイテム」

ここでは、オススメな「自転車アイテム」、を2つ紹介します。
発達協調性運動障害の子は、運動への不安や苦手意識が強い場合が多いです。
そのため、少しでも不安を減らしていくことが大切になります。
アイテムを使うことで安心する子でしたら、活用いただき、自転車が楽しめる機会に繋げられると良いと思います。
☑【3~8歳向け】 DAZUAN ヘルメット 子ども用 プロテクターセット
☑【6~14歳向け】 子ども用自転車ヘルメット・プロテクターセット
「【乗れてきた!楽しい!が大切】発達性協調運動障害の子の自転車の練習方法」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
✅自転車が苦手な原因
・協調運動の困難さ
・複数部位を同時に動かすのが苦手
✅自転車の練習方法 ~モチベーション~
・ポジティブ視点をもつ
・ハードルを下げる
・細かく、具体的にほめる
・成果を視覚化する
✅自転車の練習方法 ~技術~
・ハンドルを持って押しながら歩く
・自転車にまたがった状態で歩く
・両足で地面を蹴りながら進む
・自転車を漕ぐ
(大人が後ろで支えながら)
✅オススメな自転車アイテム
・【3~8歳向け】DAZUAN ヘルメット 子ども用 プロテクターセット
・【6~14歳向け】子ども用自転車ヘルメット・プロテクターセット
以上になります。
お子さんが楽しく自転車に乗れる機会に繋がれば、幸いです。
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