学級・進路

【転校難しい?】支援学級から支援学校へ~転校方法、転校前に確認したい4つのポイント~

投稿日:2024年1月1日 更新日:

子どもの学級で悩まれてる方「支援学級から支援学校に転校ってできる?実際に転校する子はいる?今の支援学級が合わない気がして今後の学校生活が心配」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



支援学級⇨支援学校
 「転校できるのか」

✅支援学級⇨支援学校
 「転校したい時は」

支援学級⇨支援学校
 「転校前に確認したいポイント」

支援学校への転校を検討される子に
 「必要なもの」


支援学級に在籍する子が
 「備えたいこと」


特性があるお子さんの環境(学校・学級)選びは、とても難しく、多くの方が悩まれる問題になります。

特に、知的な遅れがそこまでなかったり、一般的なコミュニケーション・生活習慣が身についてる子ですと、将来のことも考えると判断は一層難しくなります。

そこで本記事では「支援学級から支援学校へ転校」に関する情報をお伝えしたいと思います。

この記事を執筆してる私は、療育・発達支援を10年以上しています。

学校・学級選びに関する支援に携わる中で、大切だと感じた点をまとめています。

お子さんの学校・学級選びの、お役に立てば幸いです。

支援学級から支援学校へ「転校できるのか」

支援学級から支援学校へ「転校できるのか」は、学校・地域によって異なります。

転校した事例はありますが、私が支援してきた中ですと、ほとんどありませんでした。

その理由は、私が支援するお子さんは、学級選びなども含め、早い段階で療育でサポートしてる為、「途中で転校」という何かしら本人と環境が合わなかった(選択が違っていた)というケース自体が少ない為になります。

支援学校の方が合ってる可能性があるけど、支援学級でできるか試してみたいという親御さんはいらっしゃいます。

特に、将来の選択肢は変わってくる為、支援学級でできるか試して、難しければ支援学校に転校と考えられるのは、1つの考え方になると思います。

支援学級から支援学校へ「転校したい時は」

まず、在籍してる支援学級の担任に相談になります。そこから「校長先生に相談」が一般的になります。

地域に、支援コーディネーターがいれば、支援学校からお子さんの様子を巡回して見てもらえます。

授業中の本人の様子を見て、担任や親御さんに助言することもあります。

繰り返しになりますが、検討する学校や地域によって違う為、そもそも可能なのか確認する必要があります。

転校自体が可能な場合は、必要な手順、転校時期など、相談しながら進めていきます。

【関連記事】

【支援学級】担任と合わない時はどうする?2つの対策・注意点

支援学級から支援学校へ「転校前に確認したいポイント」

支援学級から支援学校へ「転校前に確認したいポイント」は、4つあります。

言うまでもなく、転校は、お子さんの今の生活、将来に大きな影響を与える判断になります。

“転校” という判断が、お子さんに合っているのか、丁寧に確認したい点になります。



①:転校の「目的」

②:「誰が」困ってるのか

③:困りの「具体的場面」を出す

④:「学校側の意見」を聞く


①:転校の「目的」を明確にする

「支援学級が合わないから、支援学校」という考え方ではなく、転校することで、どんな問題を解消したいか、目的を明確にしていきます。

例えば、学習面よりも、生活面の自立に課題があるから、生活に密接したスキル(時間/お金の管理、身だしなみ)を身に着けられる支援学校に転校する、などの考え方があります。

このように、目的を明確にした上で、「支援学校に転校」という選択肢が合ってるのか、確認をします。

②:「誰が」困ってるのか

転校を考える理由があると思います。その理由は、今誰かが困っていたり、今後困る可能性があるものだと思います。

その “誰が” 困っているのか(今後困る可能性があるのか)を確認していきます。

中には、親御さんが不安だから、転校を検討するケースがあります。

ただ客観的に見て、本人の今の生活、今後を考えた時に、転校が本当に良い選択になるのかは、慎重になった方が良い場合があります。

先ほどの「目的を明確にする」に似ていますが、転校の理由は、誰の何の困りを軽減する為のものなのか、が大切になります。

③:困りの「具体的場面」を出す

もし転校の理由が「今の支援学級が本人に合ってない」という場合は、どういう場面でそう感じるのか、具体的場面で確認することが大切になります。

例えば、よくある例として、授業で先生の指示が理解できず、本人の学びになってない(作業的になってる)ケースです。

他にも、クラスメイトとコミュニケーションがとれず、本人が過ごしにくさを感じてるなどです。

④:「学校側の意見」を聞く

学校側の意見、そして支援コーディネーターの意見が参考になります。

特に、支援コーディネーターは、その地域で色んなご家庭の相談に乗っています。地域の支援学校の情報に精通してる為、地域の実情に合わせてアドバイスがもらえます。

【関連記事】

【現場でよくある事例】支援学級を選んで後悔する3つのパターン・対策

支援学校への転校を検討される子に「必要なもの」

ここでは、支援学校への転校を検討される子に「必要なもの」をお伝えしたいと思います。

支援学校へ転校を検討されるということは、

・今の環境が合ってないかも
・本人により合った支援に繋がりたい

など、本人の成長や過ごしやすさを考えた上で、検討されているのだと思います。

もし転校する場合は、特性ある子の “過ごす環境が大きく変わる時”には、4つの視点が大切になります。

①:子どもの特性の言語化
②:必要な配慮/環境の言語化
③:①②を新たな学校/担任に伝える

④:必要な支援の見直し

支援学級に通ってる子の親御さんは、お子さんの特性について把握されてる場合が多いと思います。

お子さんに必要な関わりもできる方が多いと思います。

ただ、新たな学校/先生に、お子さんの特性/配慮してほしい点を説明することは、簡単ではありません。

新たな担任に、お子さんの特性や関わり方など、最低限の情報を事前に伝えておくことは大切になりますが、多くの親御さんにとって、それが難しいのが現状になります。

そこで必要になるのが、お子さんの特性/必要な配慮の言語化になります。

感覚では分かっていても、お子さんを知らない第三者の方に伝えるには、言葉に落とし込み伝える必要があります。

転籍する前に、情報共有をし、お子さんへの正しい理解を学校側に持ってもらうことが重要になります。

新たな学校の環境で、一番影響が大きいのは、言うまでもなく担任の先生です。

お子さんの特性・配慮を言語化し、学校側に伝えておくことは、お子さんが新たな環境での過ごしやすさに直結します。

可能でしたら在籍してる支援学級の先生へ相談するのが一番です。

もし、相談が難しい場合は、次の相談先を選択肢の1つとして、ご覧ください。

✅特性ある子の相談は「リタリコジュニア

リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。

専門の先生が、お子さんの行動を分析し「発達/特性・必要な親の関わり方/学校での配慮」について、丁寧に教えてくれます。

リタリコジュニアが良い理由は、大きく6つあります。

・療育の最大手
(実績と信頼がある)

・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)

・自己肯定感を高める指導
(子どもの楽しさ・成功体験)

・学級/学校に関する相談
(学級/学校選び)
(具体的な担任への伝え方)

・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)
(具体的な親の関わり方)

・オンライン支援
(遠方/海外にお住まいの方)

環境が変わる場合は、支援の見直しも必要です。

過ごす環境によって、お子さんに必要な支援の形も変わる為になります。

お子さんの学校、支援選びの相談も、リタリコジュニア でできます。

その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。

【リタリコジュニア】発達/療育支援教室

発達障害の有無に関わらず、困りを抱えた子にとって、共通する内容になります。

支援学級に在籍する子が「備えたいこと」

ここでは、支援学級に在籍する子が「備えたいこと」をお伝えします。

支援学校に転校する場合は、読み飛ばしていただいて大丈夫です。

支援学級に在籍する子の中には、学習面の困難さを抱えてる子が一定数います。

言うまでもなく、学習の遅れは、進路・将来の選択肢にも影響が出てきます。

早い段階で、本人に合った学習対策を始めることが大切になります。

特性ある子の学習対策で大切なのは、2点になります。

・特性に合う学習法の把握
・学習の成功体験を積む

(苦手意識をつけない)

多くの子に当てはまる一般的な学習方法では、理解することが難しかったり、定着までに時間がかかります。

そのため、本人の特性に合わせた学び方で、学習を進めることが大切になります。

本人の特性に合わない学習は、労力や学習時間と成果が、見合わないことが多いです。

同じ学習時間(労力)なら、特性に合う学習方法の方が成果が出て、意欲が出るので、学習時間が増え、結果的に学力に繋がりやすくなります。

このような学習の良いサイクルは、本人の自己肯定感の向上に繋がります。

一方で、失敗体験は重ねることで、学習拒否感に繋がり、自己肯定感が下がってきます。

学習だけでなく、生活面への影響も否定できない為、失敗体験を増やさない工夫も大切になってきます。

学習対策は「タブレット学習」

学習対策の1つとして、タブレット学習があります。

特性ある子にとって、タブレット学習が良い理由としては、

・自分のペースでできる

・必要な学習課題の抽出
(AIで本人の学習課題の分析)

・特性を考慮した学習PGM
(ex.アニメーション/音声解説)

・ゲーム感覚でできる
(苦手意識がある子向け)

など、特性ある子が学習しやすい様に、設計されたタブレット学習になります。

視覚優位、聴覚優位のお子さんもそれぞれ、学びやすい設計になっています。
※視覚優位:見て、理解・記憶しやすい
※聴覚優位:聞いて、理解・記憶しやすい

家庭学習に限界を感じていたり、本人の特性に合う学習塾が見つからないなど、お困りの方は、1つの学習対策として、参考になると思います。

タブレット学習の、その他のメリット・デメリットなど、詳細は、こちらの記事をご覧ください。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良い タブレット学習

発達障害の有無に関わらず、学習の困りを抱えた子に参考になる内容になっています。

1つの学習対策として、参考になれば幸いです。

「【転校難しい?】支援学級から支援学校へ~転校方法、転校前に確認したい4つのポイント~」のまとめ

記事のポイントになります。


✅支援学級⇨支援学校
 「転校できるのか」
・学校、地域差がある
・年度によって違いもある

✅支援学級⇨支援学校
 「転校したい時は」
・担任、管理職の先生に相談する

支援学級⇨支援学校
 「転校前に確認したいポイント」
・転校の目的を明確
・誰が困ってるのか
・困りの具体的場面を出す
・学校側の意見を聞く

支援学校への転校を検討される子に
 「必要なもの」

・子どもの特性の言語化
・必要な配慮/環境の言語化
・新たな学校/担任に伝える

支援学級に在籍する子が
 「備えたいこと」

・早めの学習フォロー
・本人に合う学習方法の把握
・学習の成功体験を増やす
・タブレット学習


以上になります。

本記事、が参考になれば幸いです。

【関連記事】

【支援学級の子は高校進学できない?】7つの進路先~進路選びの3つのポイント~

-学級・進路

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