

子どもの進級先について悩まれている方「普通学級に行かせたいけど、子どもにとって、良い選択なのか分からない」
このようなお悩みに、お答えします。
☑本記事の内容
✅普通学級に「こだわる原因」
✅こだわることで「起こりやすい問題」
✅子どもに合った「学級選びのポイント」
発達が気になる子の学級選びで悩まれる方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
私は、発達支援の相談/指導員を11年以上しており、これまで療育や学級選びのサポートをしてきました。
その経験を元に、本記事では「普通学級にこだわることでのリスク/学級選びのポイント」をまとめてみました。
「お子さんの学級選び」の参考になれば、幸いです。
普通学級に「こだわる原因」

「普通学級にこだわる」が多くなる原因は、主に3つあります。
①:子どもの将来が不利になる不安
②:家族/親族間の対立
③:孤立への不安
①:子どもの将来が不利になる不安

多くの親御さんは、「通級や支援級だと、受験や就職のときに不利になるのでは」と不安を感じます。
不安を感じるのは、当然ですよね。
ただ普通学級以外に進級する上での、明確なデメリットを挙げるのであれば・・
高校受験のときに内申点が出ず、私立の高校受験が不利になる点になります(現時点では)。
他にも、人によってはデメリットになる点があります。
詳しく知りたい方は、【普通学級か支援学級か】内容、選ぶ基準、メリット/デメリットをご覧ください。
②:家族/親族間の対立

夫婦や祖父母との間で意見が対立するケースです。また夫や姑に、次のように責められてしまうこともあります。
「子育てが悪い!しっかり躾をしろ!」
「療育?手帳?うちの子に障害はない!」
「似た子は沢山いる!困ることはない!」
このようなやりとりが増え、普通学級以外の選択肢を選ぶことが、難しくなることも少なくありません。
✍第3者に入ってもらう
家族同士の説得は、難しいことが多いです。特に旦那さんの場合は、論理的で根拠のある説明を求められることも多いです。
専門家から、しっかり説明してもらうことで、伝わりやすくなることもあります。
まずは、専門家などの第3者に入ってもらい、一緒に説明を聞く時間を作りましょう。
③:孤立への不安

子どもが学校で困らないために、担任に伝えることは出来るけど・・
ママ友にまで伝えてしまったら、周りはみんな離れてしまうのではないか…と不安に感じる方も多いです。
✍障害は公表した方がいい
個人的な意見になりますが、私はママ友などにも、公表した方が良いと思います。
理由は、公表しないと「躾ができてない親」「わがままな子ども」と誤解されます。公表することで、そのような誤解を避けられ、理解や協力を得られることもあります。
逆に偏見を持っている方もいます。公表することで距離をとる方もいるかもしれません。
ただ公表することで態度を変える人なら、距離をとって問題ないのではないでしょうか。
大人の方が、考えを変えるというのは、なかなか難しいものです。そういう人に対しては、割り切って距離をとる方が、お互いにとって良いと思います。
普通学級にこだわることで「起こりやすい問題」

「普通学級にこだわる」で、起こる可能性がある問題が、2つあります。
①:支援の遅れ
②:二次障害
①:支援の遅れ

特に『おとなしい子』は、放置されやすく、周囲も「変わった子」程度で、気付かれていないことが、多いです。
また学校の立場ですと、おとなしい子は、放置していても学級運営に支障が出ません。
熱心な先生なら別ですが、放置されることも少なくないのが、現状です。
私が支援している方では、小学校6年生になって、心理検査を受け、そこで知的な遅れがあることが分かりました。
これまでの普通学級が、いかにお子さんにとってハードルが高い環境だったのか、特別支援がいかに必要だったのか、数年後に分かるというご家庭もありました。
【合わせて読みたい記事】
【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは
②:二次障害

お子さんに特別な支援が必要なのに、サポートがない普通学級(先生によっては配慮してくれる場合もあるが)にいる場合、
・授業についていけない
・友達とうまく関われない
・日々叱責される
などの、お子さんにとっての失敗体験を重ねる可能性が高まります。これが続くと、お子さんが二次障害になることがあります。
二次障害とは、不登校や鬱など、二次的な困りに繋がることをいいます。
詳しく知りたい方は、【子どもの二次障害】原因・予防/対処法についてをご覧ください。
子どもに合った「学級選びのポイント」

お子さんに合った学級の選び方は、ポイントが3つあります。
①:今の環境で、子どもが困ってる
②:本人が「個別で教わる時間」を望んでいる
③:第3者から「通級/支援学級」を勧められた
①:今の環境(普通学級)で、子どもが困ってる

お子さんが今の生活(就学前の子は園の生活)で困っていて、
周囲が最善を尽くしても状況が変わらない場合は、環境を変える1つの目安になります。
例えば、一定のペースで授業が進む普通学級ですと、時間をゆっくりかけて「聞く、書く、理解する」ことが必要な子には、
少人数で本人に合ったペースが作りやすい通級/支援学級が、合っていることもあります。
②:本人が「個別で教わる時間」を望んでいる

お子さん自身から、実際に学校で困っていること、個別でゆっくり教わる時間がほしい、
など希望がある場合は、学級を変える理由の一つになります。
普通学級の中で担任に相談し、工夫や配慮をしても、本人が困る状況が変わらなければ、改めて学級について、学校に相談するのが良いと思います。
就学前のお子さんの場合は、就学時健診がありますので、こちらで相談しましょう。
✍「タブレット学習」も選択肢の1つに
本人が学級を変えるのに抵抗がある場合は、無理には変えられません。
もし困りの内容が学習になる場合は、タブレット学習も方法の1つです。
お子さんのタイプによって、合う合わないがあります。
詳しく知りたい方は、【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習 を参考にご覧ください。
内容は、発達障害でなくても、グレーゾーンや近い傾向のお子さんも含まれています。
気になる箇所をご覧ください。
③:第3者から「通級/支援学級」を勧められた

第3者から、通級/支援学級を勧められたことも、目安になります。
特に学校側から提案があった場合は、実際の学校の様子を見て判断されているので、お子さんに必要な場合が多いです。
就学前のお子さんは、就学時健診で提案されることがあります。
【関連記事】
【どんな子が判定される?】特別支援学級を徹底解説!指導内容~卒業後の進路まで
「【普通学級にこだわる】我が子の障害受容ができないと起こる、2つの問題」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
✅普通学級に「こだわる原因」
・子どもの将来が不利になる不安
・家族/親族間の対立
・孤立への不安
✅こだわることで「起こりやすい問題」
・支援の遅れ
・二次障害
✅「学級選び」のポイント
・子どもが今の環境で困っているか
・子どもが望んでいるか
・第3者(特に学校)の意見
以上になります。
本記事がお役に立てれば、幸いです。
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