学級・進路

【普通学級にこだわる】我が子の障害受容ができないと起こる、2つの問題

投稿日:2021年4月26日 更新日:

子どもの学級で悩まれてる方「普通学級に行かせたいけど、子どもに合ってるのか分からない」

このようなお悩みに、お応えします。

本記事の内容



普通学級に
 「こだわる原因」

こだわることで
 「起こりやすい問題」

子どもに合った
 「学級選びのポイント」

✅学級選びで悩まれてる方に
 「必要なこと」



発達が気になる子の学級選びで悩まれる方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

私は、発達支援の相談/指導員を11年以上しており、これまで療育や学級選びのサポートをしてきました。

その経験を元に、本記事では「普通学級にこだわることでのリスク/学級選びのポイント」をまとめました。

参考になれば幸いです。

普通学級に「こだわる原因」

「普通学級にこだわる」が多くなる原因は、主に3つあります。



①:子どもの将来が不利になる不安

②:家族/親族間の対立

③:孤立への不安


①:子どもの将来が不利になる不安

多くの親御さんは、「通級や支援級だと、受験や就職のときに不利になるのでは」と不安を感じます。

不安を感じるのは、当然ですよね。

ただ普通学級以外に進級する上での、明確なデメリットを挙げるのであれば・・

高校受験のときに内申点が出ず、私立の高校受験が不利になる点になります(現時点では)。

他にも、人によってはデメリットになる点があります。

詳しく知りたい方は、【普通学級か支援学級か】内容、選ぶ基準、メリット/デメリット をご覧ください。

②:家族/親族間の対立

夫婦や祖父母との間で意見が対立するケースです。また夫や姑に、次のように責められてしまうこともあります。

「子育てが悪い!しっかり躾をしろ!」
「療育?手帳?うちの子に障害はない!」
「似た子は沢山いる!困ることはない!」

このようなやりとりが増え、普通学級以外の選択肢を選ぶことが、難しくなることも少なくありません。

✅第3者に入ってもらう

家族同士の説得は、難しいことが多いです。特に旦那さんの場合は、論理的で根拠のある説明を求められることも多いです。

専門家から、しっかり説明してもらうことで、伝わりやすくなることもあります。

まずは、専門家などの第3者に入ってもらい、一緒に説明を聞く時間が作りたいです。

③:孤立への不安

子どもが学校で困らないために、担任に伝えることは出来るけど・・

ママ友にまで伝えてしまったら、周りはみんな離れてしまうのではないか…と不安に感じる方も多いです。

✅障害は公表した方がいい

個人的な意見になりますが、私はママ友などにも、公表した方が良いと思います。

理由は、公表しないと「躾ができてない親」「わがままな子ども」と誤解されます。公表することで、そのような誤解を避けられ、理解や協力を得られることもあります。

逆に偏見を持っている方もいます。公表することで距離をとる方もいるかもしれません。


ただ公表することで態度を変える人なら、距離をとって問題ないのではないでしょうか。

大人の方が、考えを変えるというのは、なかなか難しいものです。そういう人に対しては、割り切って距離をとる方が、お互いにとって良いと思います。

普通学級にこだわることで「起こりやすい問題」

「普通学級にこだわる」で、起こる可能性がある問題が、2つあります。



①:支援の遅れ


②:二次障害


①:支援の遅れ

特に『おとなしい子』は、放置されやすく、周囲も「変わった子」程度で、気付かれていないことが、多いです。

また学校の立場ですと、おとなしい子は、放置していても学級運営に支障が出ません。

熱心な先生なら別ですが、放置されることも少なくないのが、現状です。

私が支援している方では、小学校6年生になって、心理検査を受け、そこで知的な遅れがあることが分かりました。

これまでの普通学級が、いかにお子さんにとってハードルが高い環境だったのか、特別支援がいかに必要だったのか、数年後に分かるというご家庭もありました。

【合わせて読みたい記事】

【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”

②:二次障害

お子さんに特別な支援が必要なのに、サポートがない普通学級(先生によっては配慮してくれる場合もあるが)にいる場合、

・授業についていけない
・友達とうまく関われない
・日々叱責される

などの、お子さんにとっての失敗体験を重ねる可能性が高まります。これが続くと、お子さんが二次障害になることがあります。

二次障害とは、不登校や鬱など、二次的な困りに繋がることをいいます。

詳しくは、【子どもの二次障害】原因・予防/対処法 をご覧ください。

子どもに合った「学級選びのポイント」

お子さんに合った学級の選び方は、ポイントが3つあります。



①:今の環境で、子どもが困ってる

②:本人が「個別で教わる時間」を望んでいる

③:第3者から「通級/支援学級」を勧められた


①:今の環境(普通学級)で、子どもが困ってる

お子さんが今の生活(就学前の子は園の生活)で困っていて、

周囲が最善を尽くしても状況が変わらない場合は、環境を変える1つの目安になります。

例えば、一定のペースで授業が進む普通学級ですと、時間をゆっくりかけて「聞く、書く、理解する」ことが必要な子には、

少人数で本人に合ったペースが作りやすい通級/支援学級が、合っていることもあります。

②:本人が「個別で教わる時間」を望んでいる

お子さん自身から、実際に学校で困っていること、個別でゆっくり教わる時間がほしい、

など希望がある場合は、学級を変える理由の一つになります。

普通学級の中で担任に相談し、工夫や配慮をしても、本人が困る状況が変わらなければ、改めて学級について、学校に相談するのが良いと思います。

就学前のお子さんの場合は、就学時健診がありますので、こちらで相談しましょう。

✅学習の心配がある子は「早めの学習対策(タブレット学習)」が大事

本人が学級を変えるのに抵抗がある場合は、無理には変えられません。

もし学習面の心配がある子には、早めの学習対策が大切になります。学習面で一番避けたいのは、

・学習の失敗体験
・学習の拒否感
・自己肯定感の低下


こちらの3つになります。この3つを避けるためには、学習の躓きが出る前に、学習対策を始めることが重要になります。

タブレット学習のメリットデメリットなど、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

発達障害に関わらず、グレーゾーン、発達が気になる子など、学習が心配な子に参考になる内容になっています。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良い タブレット学習

③:第3者から「通級/支援学級」を勧められ

第3者から、通級/支援学級を勧められたことも、目安になります。

特に学校側から提案があった場合は、実際の学校の様子を見て判断されているので、お子さんに必要な場合が多いです。

就学前のお子さんは、就学時健診で提案されることがあります。

【関連記事】

【支援学級の子は高校進学できない?】7つの進路先

学級選びで悩まれてる方に「必要なこと」

ここでは、学級選びで悩まれてる方に「必要なこと」をお伝えしたいと思います。

学級選びで悩まれてる方は、

・普通学級だと、ついていけるか心配
・本人により合った環境で過ごしてほしい

など、本人の過ごしやすさを考えた上で、悩まれているのだと思います。

そんな学級選びを検討する時に、必要なことが3つあります。

①:本人の特性の把握
②:必要な配慮/環境の把握
③:①②を学校側への相談

学級選びは、お子さんの特性、学校、担任、クラスの状況によっても、選択肢が変わってきます。

学級を考える上で、お子さんの現状をまず把握する必要があります。

どんな特性があって、どんな配慮が必要なのか、どんな環境だと過ごしやすいか、

などは、明確にしたうえで、学校に相談することが望ましいです。

お子さんの現状が分からないと、学校としても、どこまで配慮すればよいのか、配慮すべきなのか、判断が難しい為です。

そのためには、専門家の視点で客観的にお子さんの特性を把握する機会が必要になります。

本人の特性、必要にな配慮/環境が把握できれば、普通学級で良いのか、通級が必要なのか、支援学級の方が良いのか、など判断がしやすくなります。

本人にとって、必要な配慮/環境が、より得やすい学級を選ぶことが、大切になります。

既に療育に通われてる方は、まずは療育先への相談が良いと思います。

もし療育先に通われていなかったり、相談が難しい場合は、次でお伝えする相談先を、選択肢の1つとして、ご覧ください。

✅本人の特性・必要な配慮/環境の把握は「リタリコジュニア

リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。

専門の先生が、お子さんの行動を分析し「本人の特性/必要な配慮/過ごしやすい環境(学級)」について、丁寧に説明してくれます。

リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。

・療育の最大手
(実績と信頼がある)

・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)

・自己肯定感を高める指導
(子どもの楽しさ/成功体験)

・学級/学校生活の相談
(学級選び/学校で必要な配慮)
(学校への相談の仕方)

・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)
(具体的な親の関わり方)

例えば、全体指示が苦手な子でしたら、

・聞いてない
(注意特性:注意散漫、過集中、集中の持続)

・聞いてるけど、理解してない
(認知力:情報処理、理解力、短期記憶)

・聞いてるし、理解してるけど、やりたくない
(気持ちの折り合い:きりかえ、苦手意識)

など、同じ行動でも原因(特性)によって、必要な配慮/環境作りが変わってきます。

根本的な原因を分析し、対処法を教えてもらうことができます(本人の特性、必要な配慮)

見えてくる特性次第で、本人に必要な環境・合う学級が、ある程度見えてきます。

このように、学級を検討する上で、必要な専門家から客観的な意見がもらえると、学級選びが考えやすくなります。

その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、下の記事をご覧ください。

特性ある子にとって、困りを抱えてる子にとって、参考になる内容になっています。

【リタリコジュニア】療育支援員がおすすめする理由

「【普通学級にこだわる】我が子の障害受容ができないと起こる、2つの問題」のまとめ

記事のポイントになります。



普通学級に
 「こだわる原因」
・子どもの将来が不利になる不安
・家族/親族間の対立
・孤立への不安

こだわることで
 「起こりやすい問題」
・支援の遅れ
・二次障害

子どもに合った
 「学級選びのポイント」

・子どもが今の環境で困っているか
・子どもが望んでいるか
・第3者(特に学校)の意見

学級選びで悩まれてる方に
 「必要なこと」

・子どもの特性の把握
・必要な配慮/環境の把握
・学校側への相談
 (本人の特性を把握した上で)



以上になります。

本記事が、お役に立てば幸いです。

【関連記事】

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準

-学級・進路

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