自閉症の子のオモチャ選びで迷われている方「自閉症の子に、くるくるチャイムが良いって聞いたけど本当…?自閉症の子におすすめなオモチャが知りたい」
このような疑問に、お応えします。
☑本記事の内容
✅「くるくるチャイム」とは
✅自閉症の子が
「くるくるチャイムが好きな理由」
✅くるくるチャイムの
「効果的な遊び方」
✅自閉症の子に
「おすすめなオモチャ」
✅家の関わりで
「子どもの成長を促したい時」
自閉症のお子さんがいらっしゃると、「興味の幅が狭い…」「遊べるオモチャが少ない」など、お子さんの遊ぶオモチャ選びで、悩むことあります。
確かに自閉症の子の多くは、興味/関心が限られていたり、独特な遊び方をするため、オモチャ選びは難しいです。
この記事を執筆している私は、療育/相談支援を10年以上しており、多くの自閉症のお子さんの支援にも携わってきました。
その支援経験から本記事では、自閉症の子が「くるくるチャイムで遊ぶ時のポイント・注意点」をまとめてみました。
先に、結論から言いますと「くるくるチャイム=自閉症の子に良い」ではありません。
お子さんが「くるくるチャイムが好き」な場合は遊び方次第で、人と関わる力の成長に繋げられます。
その理由と方法を、自閉症の子の特徴から解説しています。
本記事が参考になれば幸いです。
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※現在は「自閉スペクトラム症」になりますが、解説の便宜上本記事では「自閉症」としています。
くるくるチャイムとは
「くるくるチャイム」は、くもん出版さんが販売されているオモチャです。
2007年に「NEWくるくるチャイム」が発売され、超ロングヒット。
2017年5月に、今販売されている「くるくるチャイム」にリニューアルされたようです。
ご存知ない方は、くもん 公式サイト をご覧ください。
自閉症の子が「くるくるチャイムが好きな理由」
自閉症の子が「くるくるチャイムが好きな理由」は、大きく4つあります。
あくまで個人差がありますので「自閉症=くるくるチャイムが好き」という内容ではありません。
ただ、自閉症の子の特性に深く関わっている場合が多いです。
①:感覚の「偏り」
②:「想像する」が苦手
③:「手先/全身」が不器用
④:「規則性」がある
①:感覚の「偏り」
自閉症の子は、感覚の偏り(過敏/鈍い)がある子が多いです。専門的にいうと、「感覚過敏/感覚鈍麻」といわれるものです。
くるくるチャイムおいては、感覚の鈍さが関係します。
自閉症の子の多くは、本来満たされるはずの感覚が、鈍さゆえに満たされにくい状態です。
その為、感覚を満たす為に、例えば…
・オモチャの電車のタイヤの動きを見続ける
・その場でグルグル回る(目が回りづらい)
・特定の物をずっと触ってる
などがあります。
くるくるチャイムは、玉が”くるくる回る”のを見て、楽しむオモチャです。
この”くるくる”が、自閉症の子の感覚を満たしてくれるのです。
②:「想像する」が苦手
自閉症の子は、特性上目に見えない物を理解したり、関連付けたりすることが難しいです。
水遊びや飛び跳ねることを強く好むのも、こういった特性が理由の1つになります。
逆に目で理解することが得意ということなので、目で楽しめる/変化を感じられるものを好みます。
くるくるチャイムは、「目で楽しめる」ことができます。ボールの回転を目で追うことが楽しいんですよね。
③:「手先/全身」が不器用
自閉症の子は、手先が不器用、全身の動きがぎこちない場合が多いです。
・走り方がぎこちない
・スプーン/フォーク/お箸が苦手
・筆圧が弱い/強すぎる
・ボールをまっすぐ投げられない
などになります。
ただ、くるくるチャイムでは、単純な動作で遊べます。
「つかむ、入れる」ができれば楽しめる為、自閉症の子にも扱いやすく、その結果好まれやすいです。
④:「規則性」がある
自閉症の子は、「規則性」を好みます。一定の動きや音を楽しんだり、安心に繋がることもあります。
よく、こだわりの1つで自分のルーティンがあったり、物を横一列に並べる子がいますが、これも同じになります。
くるくるチャイムの玉の動きと音は、一定なので、自閉症の子にとっては、”心地よいもの”になりやすいことが多いです。
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くるくるチャイムの「効果的な遊び方」
冒頭でもお伝えしましたが、お子さんがくるくるチャイムを「好き・楽しめる」場合は、おすすめになります。
それを前提に、ご覧ください。
オモチャは自由に遊んでもらうのも1つですが、自閉症の子の場合、遊び方次第で…
・人への関心
・人と関わる力
を高めることができます。
ここでは、私が実際に療育指導で「効果的だった遊び方」を紹介していきます。
『目が合いづらい』『人に関心がない』などのお子さんに、お勧めします。
✅目を合わせる→おもちゃを渡す
アイコンタクトは、言葉のとおり、相手と「目を合わせること」です。自閉スペクトラム症の子は、目が合いづらいことが多いです。
大きな理由は、他者意識が低い、人への関心がうすいためです。アイコンタクトは、コミュニケーションの入口になります。
よく言葉が遅れている=発語の訓練、と思われがちですが、そもそもアイコンタクトがとれていないと、
言葉を覚えても、人に向けて使うことができません。つまり、コミュニケーションとして活かすことが難しいです。
そのため療育の現場では、『アイコンタクトが未定着の子』は、まず”アイコンタクトからスタート”することが多いです。
大好きなおもちゃであれば、お子さんからの要求がかなり出やすいため、チャンスになります。
それでは、具体的な流れを見ていきましょう。
まず親御さんが「くるくるチャイムの玉」を持って、お子さんの目の前にいる場面を作ります。
玉を持っている(親)
↓
玉に手を伸ばす(子)
↓
玉を親の顔に近づけ、子供と目が合うようにする(親)
↓
親と目が合う(子)
↓
玉を渡す(親)
※一瞬でも目が合えば、オモチャを渡してOKです。
イメージ湧きますか…??
あくまで参考例ですが、大事なことは「親御さんと目が合う=玉がもらえる(子どものメリット)」を徹底することです。
1日の頻度にもよりますが、1ヶ月ほど続けていけると(お子さんが楽しめている前提)、
「目が少し合うようになってきた」と実感される方が多いと思います。
くもんの公式HPからも購入できますが、Amazonポイントを貯められている方は、こちらから購入もできます。
✅くるくるチャイム
⚠注意点
ここでお伝えしたいのは、お子さんに「絶対」はないということです。
『自閉症(スペクトラム)と診断されたから、○○』という考え方は、避けた方が良いです。
例えば、自閉症の子の特性を考えると、一般的なママゴトの遊び方を促すのは、避けるべきでしょう。
ただ、お子さんによっては、遊べることもあります。
ママゴトのおもちゃの場合、食べ物に「マジックテープ」があります。
あの「ザラザラ」の感触や「ビリッ」という音を楽しむ子もいます。
このように『自閉症(スペクトラム)』といっても、一人ひとり違ってきます。
結果として、『お子さんが遊べていたり、楽しめていること』が、大切になると思います。
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自閉症の子に「おすすめなオモチャ」
自閉症の子に「おすすめなオモチャ」 を7個紹介したいと思います。
①:スパイキー感覚ボール
- 水洗いOK
- 感覚遊び(触覚)ができる
- 柔らかい素材で安全
- 握る、ねじる、投げる、踏む、さする、触るができる
②:Sefod グレープボール
- 感覚遊び(視覚/触覚/固有受容覚)ができる
- ストレス発散になる
- 外に持ち出しやすい
- 握る、ねじる、投げる、触るができる
※固有受容覚:筋力や力の加減を感じる感覚
③:歯のブレスレット
- 口周りの感覚遊び(触覚/固有受容覚)ができる
- 口周りの運動(口腔運動)ができる
- 音が不明瞭な子にオススメ
- 口周りの筋力が弱くヨダレが多い子にオススメ
【合わせて読みたい記事】
④:3Dピンアートボード
- 感覚遊び(視覚/触覚/聴覚)ができる
- 他のオモチャにはない、独特の感触が楽しめる
- 揺らして音を楽しむことができる
⑤:強力磁石 立体パズル
- 感覚遊び(視覚/触覚/固有受容覚)ができる
- 形の概念理解を促せる
⑥:Aliciga クリスタル粘土
- 感覚遊び(視覚/触覚/固有受容覚)ができる
- 色の概念理解が促せる(混ぜながら)
⑦:○×ピンポンブー
- 感覚遊び(聴覚/固有受容覚)ができる
- この音を好む自閉症の子が多い
- 良い/悪いを伝えるときにも活用できる
【合わせて読みたい記事】
「【自閉症に良いって本当?】くるくるチャイムとは。効果的な遊び方」のまとめ
記事のポイントになります。
✅くるくるチャイムとは
・くもん出版さんのロングヒット商品
・玉を穴に入れて転がすオモチャ
✅自閉症の子が
「くるくるチャイムが好きな理由」
・感覚の偏り
・変化が目で分かるものが好き
・手先/全身が不器用
・規則性がある
✅くるくるチャイムの
「効果的な遊び方」
・目を合わせる→おもちゃを渡す
・要求を引き出す
✅自閉症の子に
「おすすめなオモチャ」
・本記事を参照
以上になります。
本記事が参考になれば幸いです。
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