子どもの不登校で悩まれてる方「授業は受けてないけど行事だけ参加させるのは良い?尊重した方がいいのか、止めた方がいいのか分からない」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅不登校の子が
「行事だけ参加することの意味」
✅行事に参加する前に
「押さえたい4つのポイント」
✅行事の参加に関する
「3つの注意点」
✅行事に参加した後に
「押さえたい3つのポイント」
✅不登校の子に
「必要なもの」
✅不登校の子が
「備えたいこと」
不登校には、完全不登校、別室登校、1部の授業だけ参加、行事だけ参加など様々な形があります。
その中でも、普段は学校を休んでるけど「行事だけ参加したい」という子がいます。
親御さんとしては「学校にちょっとでも関われるのは良いこと..でも授業に出席してないのに、本人が好きな行事だけ参加させるのは問題ないの?」
と、判断に迷われる方も少なくないと思います。
結論からお伝えすると、本人の意思があるのなら、本人にとってポジティブな経験になるのであれば『行事だけ参加する』は良いことです。
ただ、事前に押さえたい点や注意点がありますので、本記事では、1つ1つ詳しくお伝えしていきたいと思います。
この記事を執筆してる私は、不登校・療育支援を10年以上しています。
これまでの支援経験を元にまとめています。参考になれば幸いです。
不登校の子が「行事だけ参加することの意味」
不登校の子が「行事だけ参加することの意味」とは、本人の成功体験になる、ということです。
成功体験とは、行事に参加したことで、
「◯◯の行事に参加して良かった」
「◯◯ができて嬉しかった」
「自分が心配してたより、案外平気だった」
「次の行事も行ってみようかな」
など、本人にとってポジティブな気持ちが持てる経験のことです。
「成功体験を積む」ということは、自己肯定感が上がり、物事へチャレンジする意欲が高まります。
自己肯定感は、お子さんが行動する上での原動力ですので、とても大切な土台になります。
逆に行事だけ参加して、ネガティブな気持ちになるようでしたら、参加する時期を検討したり、参加する方法を見直すなど、工夫が必要になります。
行事に参加する前に「押さえたい4つのポイント」
行事に参加する前に「押さえたいポイント」は、4つあります。
①:「本人の気持ち」を確認する
②:具体的な「参加の仕方」を決める
③:「途中で辛くなった時の対策」を決める
④:学校と「共通認識」をとる
①:「本人の気持ち」を確認する
『本人の気持ち』とは、本人の「◯◯したい」という希望と、「◯◯が怖い」などの不安を聞くことです。
基本的には、本人の気持ちを尊重することが大切ですが、不登校の子は、無理をしてしまって後から反動が来る子も少なくない為、ポジティブな気持ち、ネガティブな気持ちの両方が聞けると良いです。
不安な気持ちが出たら、その不安に対する対策などを事前に一緒に考え、本人の不安がクリアになれば(過度な不安が避けられる状態)、参加する方向で進めるのが良いと思います(詳細は後述します)。
②:具体的な「参加の仕方」を決める
「行事に参加したい」という本人の気持ちが確認できたら、今の本人に合った参加の形を決めます。
・本人が了承してる
・本人の不安に対して対策が決まってる
・本人への負荷が重すぎない
このような点を意識した上で、参加の形を決めていきます。
私が今まで支援してきた中ですと、
・見学で参加
・特定の活動だけ参加
・先生の手伝い役として参加
このような参加の形がありました。
お子さんの成功体験になる様な “参加の形” を見つけることが大切になります。
③:「途中で辛くなった時の対策」を決める
どんなに事前に丁寧に準備していても、本人が行事の途中で辛くなってしまうこともあります。
不登校の子のコンディションは、不安定なため、完全には読めません。
「事前に辛くなった時の対策」を本人と決めておくことが大切になります。
例えば、本人が辛くなったら、
・◯◯の先生に伝える
(本人が信頼してる先生)
・保健室に移動
・早退する
などの対策があります。
本人が納得していて「辛くなっても◯◯すれば大丈夫」と思えているのが理想的になります。
④:学校と「共通認識」をとる
本人の気持ち、参加の仕方、辛くなった時の対策、などを学校に共有します。
特に、参加の形や途中で辛くなった時の対策は、学校の理解・協力も必要になります。
学校として、どこまで協力してもらえるか、現実的にサポートできるかは、様々になります。
・在籍校で現実的にできるライン
・本人に必要な参加の形
・辛くなった時の対策
などのすり合わせしておけると安心です。
また、学校が理解してること、協力してることは、本人の安心感に繋がりやすいです。
本人の不安を少しでも減らす為には、環境作りも大切になってきます。
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行事の参加に関する「3つの注意点」
行事の参加に関する時の「注意点」は、
3つあります。
①:本人への期待値を「上げ過ぎない」
②:「ネガティブな声掛け」はしない
③:「何度も」聞かない
①:本人への期待値を「上げ過ぎない」
大人側からの “本人への期待値” を上げ過ぎないことです。
行事に参加できることは、不登校の子にとっては大きいことですし、ご家族としても嬉しく応援したくなるものです。
「行事に参加できるなら、授業も参加できるかも..」と期待される気持ちが出るのも、自然なことだと思います。
ただ、不登校の子は気持ちやコンディションに波があり、1つの場面だけでは判断ができません。
仮に行事に参加できても、その後学校に登校できる日数が増えるとは限りません。
過剰に反応せず、いつも通りの様子で「行事楽しかったんだね。良かったね」と終えるぐらいの方が良いです。
逆に、行事に出たことで、周りから「学校もう少し頑張ってみる??」など言われると、”行事に参加したこと=ネガティブな経験” に繋がりかねません。
②:「ネガティブな声掛け」はしない
行事に参加したことで、細かい所が気になる場合があるかもしれません。
例えば、
・先生に挨拶してない
・挨拶の声が小さい
・行動が周りに遅れてる
など、ご家族として「◯◯した方が良いと思うよ」「◯◯だともっと良かったね」などの声掛けをしたくなる時があるかもしれません。
ただ、ネガティブ(もしくは本人にとってポジティブではない)な声掛けは避けたい所です。
理由は、行事に参加したことで指摘されれば、自己肯定感も下がり、行事に参加する意欲が失われる為です。
③:「何度も」聞かない
「行事楽しかった?」
「学校どうだった?これからどうする?」
「先生や友達と話せた?何話したの?」
本人が快く答えてくれたり、本人から話をしてくれる場合を除き、
ご家族から、何度も質問したりすることは避けたいです。
もし本人にとって行事への参加が良いものでなかったら、嫌なことを思い出させるキッカケになってしまいます。
ご家族として気になる所ですし、聞きたい所ですが、気持ちを押さえて見守っていきたい点になります。
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行事に参加した後に「押さえたい3つのポイント」
行事に参加した後に「押さえたいポイント」は3つあります。
①:しっかり「休む」
②:「本人の感想」を聞く
③:「ポジティブな振り返り」をする
①:しっかり「休む」
たとえ短い時間でも、行事に参加することは、本人にとって大きな負荷がかかるものです。
周りから見て変わりない様に見えても、精神的に消耗していたり、家に帰ってから反動が出ることもあります。
本人のペースで十分に休んでもらい、休息を最優先にします。
また、周囲の大人からも「休むこと(休んで良いこと)」をメッセージとして伝えるのも大切です。
お子さんによっては、同学年の子を見て焦ったり、もっと頑張らなきゃと力が入る子もいます。
ただ、本人に合ったペースで進めないと、反動が来て、裏目に出ることが多いです。
②:「本人の感想」を聞く
休息がとれたら、何気ない会話の時などに、感想が聞けると良いです。
テーブルを挟んで面と向かって聞くより、普段の雑談の中で、話の流れの中で聞けると良いです。
本人がどう感じたかによって、今後の学校との向き合い方など、考える材料が増える為、参考になります。
明らかに、本人が嫌がることが想像できたり、そもそもそういった話をする関係性でない場合は、聞かない形で問題ありません。
③:「ポジティブな振り返り」をする
本人が対話できる状態でしたら、行事に参加して、どうだったか振り返りができると良いです。
「友達とアニメの話ができたんだね」
「行事で◯◯が出来たんだ!凄いじゃん!」
「行事の中で特に◯◯が楽しかったんだね」
など、本人が行事に参加した中でポジティブな要素を拾って言葉にして返すことで、本人としても…
「行事に参加して良かった」
「言われてみれば◯◯楽しかったな」
など、本人が自身のポジティブな気持ちを再度感じられたり、新たな気付きを与えるコミュニケーションの機会に繋がります。
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不登校の子に「必要なこと」
ここでは、不登校の子に「必要なこと」をお伝えしたいと思います。
不登校といっても、別室登校、五月雨登校、完全不登校など、お子さんによって様々になります。
不登校の原因も様々で、理由が明確な場合もあれば、本人にも分からないこともあります。
どのお子さんにも共通して大切になるのは、本人の状態・状況が、1~2か月以上進展してる様子が見られない場合は、こちらの4つの必要性が出てくるという点になります。
・家族以外との社会的繋がり
・家/学校以外の居場所
・本人の特性/対処法の把握
・不登校の相談先
(家の過ごし方/学校の通い方)
ベースとなるのは、本人の安心感になります。
リラックスして話せたり、自分の思ってること、好きなもの、疑問や不満など、日頃感じてる心の内を話せる人の存在は、安心感になり、本人の活力になります。
そんな “信頼できる人との繋がり” ができたら、
・本人自身が抱えてること
(今の気持ち、悩み事の相談)
・今後したいこと
(やりたいこと/希望/進路)
・自分の特性/対処法を知る
(自身の得意/苦手/対処法を知る)
など、自分に向き合う機会が必要になります。
自分の話を否定せず聞いてくれて、同じ目線で考えてくれる大人の存在が大切になります。
そして、この大人の存在は、家族以外の第三者でないと難しい場合がほとんどです。
(親子間だと感情が入り、深い所まで話しにくい為)
不登校問題は、本人の安心感をベースに、本人の気持ちを引き出しながら、1つ1つの気持ち(意思や不安)に寄り添いながら、時間をかけて進めることが大切になります。
最初の入口は、本人自身が “話してて楽しい!” と思うだけで十分ですが、
問題の根本的な解決を考えると、本人の特性を理解し、本人の過ごしやすさに繋がる『視点/考え方/対処法』を示してくれる様な、専門スキルがある先生が必要になります。
例えば「学校で不安を感じると、周囲に言えず限界まで我慢する子(体調を崩すまで)」の場合、
授業中に辛くなったら、机に置いてるヘルプカード(裏面に「保健室に行きたいです」と記載されてる)をひっくり返し、先生が確認したら、保健室に行くようにします。
本人の精神的な負荷を考え、言葉で伝える方法は避け、カードをめくる意思表示に変えることで、本人の “ヘルプ発信力(周囲に助けを求める力)” を高める意図があります。
また、親御さんから先生に、必要性などを伝え、理解/協力を得ます(伝え方などは、親御さんのサポートをしつつ)。
「辛くなっても、カードをめくれば保健室で休める」という本人の安心感が、発信力を高め、結果的に学校での過ごしやすさに繋がり、登校できる日数の増加に繋がっていきます。
このように、本人の特性を踏まえて、具体的な対処法を示してくれる相談先が必要になります。
学校の先生に心を開いて話せていたら、それは素晴らしいことですが、根本的な問題に進展が見られない場合は、本人に必要な要素が、まだ足りていないということになります。
その場合は、具体的な対処法を示してくれる、支援経験のある先生が必要になります。
✅不登校の相談は「リタリコジュニア」
リタリコジュニア とは、療育/不登校支援の教室になります。
お子さんの年齢/特性/困り事によっても、変わりますが、
・コミュニケーション
(会話のキャッチボール)
・学習
(特性に合う学習方法/学習計画)
・自己管理
(家の過ごし方/体調/時間/物)
・困り事の相談
・学校の通い方
(ex.学校とのやりとり/進路)
など、本人に必要なサポートをしてもらえます。
小学校中学年以下の子でしたら、好きな遊び(ex.ボードゲーム、カードゲーム、工作)などを中心に、
小学校高学年以降(思春期)の子は、本人の好きな話など、対話ベースで進めることが多いです。
リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。
・療育の最大手
(実績と信頼)
・自己肯定感を高める指導
(安心感/楽しさ/居場所作り)
・学校/学級の相談
(学校の通い方)
(担任とのやりとり/進路相談)
・家での関わりサポート
(具体的な親の関わり方)
(ペアレントトレーニング)
・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)
不登校支援は、家族の関わり、学校との向き合い方が、最も大切になります。
特に、本人と、”家/学校の過ごし方” が合ってないことで、状況が悪化してるケースは少なくない為、「本人の自己肯定感の回復/家族の関わり/学校のサポート」は欠かせません。
一度体験という形で、先生と話をしてみて、本人がまた行きたいと思えば通うこともできますし、気持ちが乗らなければ、そのまま終えることもできます。
「本人の特性、対処法、家族の関わり、家/学校の過ごし方、担任への相談の仕方、進路」など、1回限りの指導で、専門の先生から助言をもらうこともできます。
不登校の支援経験がある先生から、他の子の事例なども聞けると、今後のことを考える上で参考になると思います。
その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。
思春期のお子さんの場合、本人が嫌がることもあると思いますが、本人の誘い方/伝え方から教室に相談することができます。
お子さんの気持ち/様子、家庭の状況に合わせて目的を決めて、活用いただけますと幸いです。
不登校の子が「備えたいこと」
ここでは、不登校の子が備えたいことをお伝えします。
不登校問題は、本人に合った形で、学校との向き合い方(学校以外の選択肢が必要な場合もあります)を考慮した上で、サポートすることが大切になります。
ただ、卒業までの時間は限られている為、進学や将来のことを考えると、不登校が長期化した時にも備えて、別のサポートも必要になってきます。
それは、不登校の子の多くが困る “学習の遅れ” に対するサポートなります。
不登校期間の長さに応じて、学習の遅れは大きくなる為、進学・将来の選択肢への影響も大きくなります。
不登校問題は「◯ヶ月後に解決」など、明確な見通しが立てられない為、学校以外の時間の中で、早めの対策が大切になります。
✅学習の遅れは「タブレット学習」
不登校の子の自宅学習の1つに、
「タブレット学習」があります。
不登校の子にとって、タブレット学習が良い理由は、4つあります。
・自分のペースでできる
(その日の調子に合わせられる)
・安心して過ごせる環境
(リラックスできる場所)
・理解しやすい勉強
(勉強の達成感)
・成功体験が積める
(自己肯定感が上がる)
取り組むべき課題だけが画面表示される為、何をどこまで頑張ればいいのか(その日のゴール)が明確です。
また、本人の回答結果からAIが分析し、その子に必要な課題を自動抽出⇨アニメーション・音声解説してくれます。
一言でいうと「その子に今必要な学習課題を、選んでくれて、分かる様に解説してくれる学習」になります。
学習が進まない1つの理由に、
「どこから勉強すればいいのか分からない」
「勉強の単元を選ぶのが面倒くさい」
などがあります。学習に入る前の段階で、モチベーションや集中力が削がれ、本来必要な学習時間が確保できないケースも少なくありません。
本人には、目の前の課題にだけ集中できる環境を作り、他の部分(必要な課題の発見・問題の選定)はタブレットに任せるのが、効果的です。
また、参考書やドリルなどの通常の学習に比べると、本人のフォローをする親御さんの負担も軽いです。
お仕事、家事、育児などがある中、本人に必要な学習サポートをするのは、とても大変なことです。
また、学力だけでなく、本人の自己肯定感の向上にも繋がります。
「◯◯の勉強の仕方なら、分かる!」
(自分に合った方法を知る)
「◯点とれた!前より点数上がった!」
(成功体験⇨自己肯定感が上がる)
自分に合った方法が明確になれば(やれば結果が出ることが分かるので)、学習意欲は高まり、自分から学習する姿勢に変わってきます。
不登校の理由の1つとして「学業不振」がありますが、学習の失敗体験による自己肯定感の低下の予防もできます。
嫌いだった自分自身への印象が変わったり、人に関わったり、活動に参加する意欲も湧きやすくなります。
本人がこれから生活する上で、大切な土台作りに繋がります。
タブレット学習のその他のメリット・デメリットなど詳細は、こちらの記事にまとめています。
発達障害の有無に関わらず、不登校の子にも、共通する内容になっています。
学習方法の1つとして、参考にご覧ください。
「【不登校】行事だけ来るのはいい?参加前、後で押さえておきたい7つのポイント」のまとめ
記事のポイントになります。
✅不登校の子が
「行事だけ参加することの意味」
・成功体験を積む
・自己肯定感の向上
・次の行動への意欲に繋がる
✅行事に参加する前に
「押さえたい4つのポイント」
・本人の気持ちを確認する
・具体的な参加の仕方を決める
・途中で辛くなった時の対策を決める
・学校と共通認識をとる
✅行事の参加に関する
「3つの注意点」
・本人への期待値を上げ過ぎない
・ネガティブな声掛けはしない
・何度も聞かない
✅行事に参加した後に
「押さえたい3つのポイント」
・しっかり休む
・本人の感想を聞く
・ポジティブな振り返りをする
✅不登校の子に
「必要なこと」
・家族以外との繋がり
・学校以外の居場所
・本人の特性/対処法の把握
・不登校の相談先
(家族の関わり/学校の向き合い方)
✅不登校の子が
「備えたいこと」
・早めの学習フォロー
・本人に合った学習法の把握
・失敗体験の予防
・タブレット学習
以上になります。
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