子どもの学級について悩まれてる方「通級に “いじめ” はあるの?通級利用しても “いじめ”がありそうで心配。何を基準に学級を選べばいいか分からない」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅通級の「現状」
~いじめはあるのか~
✅通級のいじめの「事例」
✅通級は「選ぶべきか」
✅学級の「選び方」
✅通級を検討される子に
「必要なもの」
✅通級を検討する子の
「学習対策」
法の改正もあり、以前に比べると、通級・支援級など、学級の選択肢は選びやすくなっています。
実際に、通級や支援級がある学校は、増えています。
一方で、下のような不安や疑問を持たれる方が多いです。
「通級に行ったら “いじめ” に合うかも」
「通級って実際どんな感じなの?」
実際に通ってる子のお話を聞くのが一番ですが、なかなか踏み込んだお話が聞けない…という方も多いと思います。
そこで本記事では「通級のいじめ・学級の選び方・注意点」をまとめてみました。
私は、発達支援の相談/支援員を10年以上しており、これまで通級・支援級に通う子の支援に携わってきました。
本記事で紹介するケースは、私が実際に支援した事例を元にしています。
また “いじめ” でなくとも、通級を利用する子が辛い思いをしやすいケースも紹介してます。
参考になれば幸いです。
目次
通級の「現状」~いじめはあるのか~
結論からお伝えすると、通級に “いじめ” はあります。ただ、ケースバイケースになります。
これは通級に限らずですが、その学校や学級によって様々になります。
普通級でも支援級でも、いじめがあったりなかったり、またその年によっても、変わる場合があります。
私が支援してきた中ですと「通級を利用してる」が理由で、いじめに発展するケースは多くありません。
それ以上に、先生の無理解、クラスから抜けることに、本人が劣等感を感じ辛い思いをするケースの方が多いです。
【関連記事】
【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法
通級のいじめの「事例」
ここでは、通級のいじめの「事例」を3つ、見ていきたいと思います。
厳密に言うと、”いじめ” ではない事例もありますが、
本人が辛い思いをする点においては、本質的には同じになります。
①:クラスの子に「冷やかされる」
②:担任の「配慮不足」
③:周囲の「悪気のない言葉」
①:クラスの子に「冷やかされる」
通級は、授業を抜けて、違う場所で授業を受けます。
当然クラスメイトも「◯曜日の◯◯の授業の時にいない」と気付きます。
そのため、心無いクラスメイトがいると、
・授業を抜ける時
・クラス(普通級)に戻る時
などの場面で、
「授業抜けられていいな」
「授業サボって、ずるいな」
など、冷やかされる場合があります。
②:担任の「配慮不足」
当たり前ですが「通級を利用する」自体は、恥ずかしいことではありません。
ただ、お子さん本人は「恥ずかしい。触れられたくない」「何で自分だけ」と思ってる場合が少なくありません。
そんなお子さんの気持ちを考えられず、担任の配慮が足りないことで、本人が辛くなるケースがあります。
それは、担任からクラスメイトへの説明の仕方になります。
実際にあった悪い例としては、
「◯君は、みんなより苦手なことがあるから、別の場所で練習しに行くんだよ」
と、先生からクラスメイトに説明をしていました。
これは、本人からしたら、とても傷つく言葉ですし、クラスメイトも「できないから通級に行くんだ」と誤った認識になります。
そして、先生やクラスメイトの誤った認識が、本人を傷つけ苦しめていきます。
通級は、苦手な所を克服するための場所ではなく、
本人が学びやすい場所・機会を確保し、学校生活を過ごしやすくする為のものです。
③:周囲の「悪気のない言葉」
クラスメイトの子に、
「何で授業受けないの?」
「どこ行ってるの?」
と、悪気なく聞かれることです。
お子さんの捉え方によって変わりますが、
「自分は、皆が出来ることができない」
「自分はどうせバカなんだ」
と思い込み、傷ついてしまうことがあります。
本人が通級に通うことに、疑問や不信感を感じるキッカケにもなります。
本人の気持ちを丁寧に聞きながら、”通級に通う目的” をすり合わせてくことが大切になります。
具体的な伝え方は、下の記事をご覧ください。
支援学級を例にまとめていますが、伝え方自体は、通級も共通した内容になります。
【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方・注意点
通級は「選ぶべきか」
お子さん本人が、今の学校生活(普通級での)で困りを抱えている場合は、検討するのが良いと思います。
「通級」は、学校生活をより良くする為の1つの方法になります。
また学校内で、取り組みやすい方法とも言えます(学校によっては、大変な場合もありますが)。
サポートの選択肢は多い方が良いです。その上で1つずつ、お子さんに合ってるか確認することが重要になります。
次の項では、どのポイントを確認していけばいいのか、具体的に触れていきたいと思います。
学級の「選び方」~通級を例に説明します~
ここでは、学級の「選び方」を3つのポイントで見ていきます。
①:本人の「意思」
②:通級の先生/スタイルとの「相性」
③:第3者の「客観的な意見」
①:本人の「意思」
学級選びで最も大切なのは、本人の気持ちになります。
本人が「通級を望んでる」ことが重要になります。
もしくは「今の学校生活で困ってる(普通級)」場合になります。
いずれの場合も、理由を具体的に聞いてみます。
「ケンカしないで、友達と仲良く遊びたい」
「もっとゆっくり授業が受けたい」
など『お子さんなりの理由』が聞けると、通級の必要性(検討する本気度)も変わってきます。
お子さんに意思があるなら、次の②に移っていきます。
②:通級の先生/スタイルとの「相性」
通級の利用を検討する時に、確認したい相性は2点になります。
・先生
・通級のスタイル
(通い方)
先生との相性は、言葉の通りになります。少なくとも、本人が苦手なタイプでないかは見ていきたい点になります。
「通級のスタイル(通い方)」については、注意が必要になります。
通級は、通常の授業を抜けて、別の場所で授業(通級)を受けます。
お子さんによっては、
・授業を抜けるのが恥ずかしい
・周りの目が気になる
・授業に遅れるのが嫌
(普通級の授業が受けられない為)
など、通級のスタイルが、合わない子もいます。
ここは、事前に通級のスタイル(授業を抜ける形)を説明して、本人の気持ちを確認する必要があります。
通級を利用する際に、障壁になりやすい要素になります。
③:第3者の「客観的な意見」
第3者から、通級を勧められた場合も、大事なポイントになります。
特に、学校側から提案があった場合は『本人の学校での言動』を見て、判断してます。
学校側の『通級級を勧める理由』が、納得・理解できる場合は、前向きに検討して良いと思います。
判断のポイントなど、具体的な内容は、下の記事をご覧ください。
【合わせて読みたい記事】
【通級を勧められた時】利用すべき?3つの判断基準とは。事例も紹介
通級を検討されてる子に「必要なもの」
ここでは、通級を検討されてる子に「必要なもの」をお伝えしたいと思います。
通級を検討されてるということは、
・普通学級だと、この先困るかも
・今の学級で、本人が少し困ってるかも
・困りが大きくなる前に対策を打ちたい
(ex.勉強の苦手意識、友達関係、不登校など)
など、本人の学校生活を考えた上で、悩まれているのだと思います。
本人に通級が必要かを判断する上で、大切な点が3つあります。
①:本人の特性把握
②:必要な配慮/環境の把握
③:①②を学校側へ相談
通級は頼れる支援の1つになりますが、本記事でお伝えした通り、お子さんによっては、デメリットもあります。
通級の必要性の有無を判断するために、お子さんの状態を客観的に見てもらえる機会が大切になります。
本人の特性、必要な配慮/環境が把握できれば、普通級でも工夫できる余地があるかもしれないですし、もしかしたら通級があった方が良い、という判断がしやすくなります。
また、学校/担任によって、どこまで協力が得られるか、変わってきます。できる配慮できない配慮も、先生によって違ってきます。
そのため、お子さんの特性、必要な配慮/環境が把握できた後に、学校に相談することが重要になります。
『本人の特性/必要な配慮/環境』などが、学校(担任)として、どこまで協力してもらえるか、事前に相談していきます。
既に療育に通われてる方でしたら、まず療育先へ相談する所からで問題ありません。
もし療育先に通われていなかったり、相談が難しい場合は、次でお伝えする相談先を、選択肢の1つとして、ご確認ください。
✅本人の特性、必要な配慮/環境の把握は「リタリコジュニア」
リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。
専門の先生が、お子さんの行動を分析し「本人の特性/必要な配慮/過ごしやすい環境(学級)」について、丁寧に解説してくれます。
リタリコジュニアの良さは、大きく5つあります。
・療育の最大手
(実績と信頼)
・応用行動分析
(エビデンスに基づく支援)
・自己肯定感を高める指導
(子どもの成功体験/楽しみ)
・学級/学校生活の相談
(学級相談/学校で必要な配慮)
(担任への相談方法)
・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)
(具体的な親の関わり方)
例えば、集団指示が苦手な子でしたら、
・そもそも聞いてない
(注意特性:注意散漫、集中力の偏り)
・聞いてるけど、理解してない
(認知力:情報処理、理解する力)
・聞いてるし、理解してるけど、やりたくない
(気持ちの折り合いのつけ方:きりかえ、苦手意識)
など、同じ行動でも原因(特性)によって、変わります。原因(特性)によって、必要な配慮/環境作りも変わってきます。
根本的な原因を分析し、対処法を教えてもらえます(本人の特性、必要な配慮)。
見えてくる特性次第で、普通級の範囲内で対処できる可能性があるのか、通級の必要性が高いのか、見えてきます。
このように、学級を検討する上で必要になる、専門家から客観的な見立てがもらえると、判断がしやすくなります。
その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。
心配事がある子にとって、参考になる内容になっています。
通級を検討する子の「学習対策」
ここでは、通級を検討する子の「学習対策」をお伝えします。
通級を検討されてる子の中には、学習面で潜在的に困りを抱えている子がいます。
下の様子がある場合は、学習フォローが必要なサインになります。
・学習の苦手意識がある
・宿題に時間がかかる
・なかなか定着しない
(時間が経つと忘れる)
・テストの点数が低い
(白紙の時がある)
学校の授業の内容・ペース、学習方法が、お子さんに合っていない可能性があります。
学習面の困りが表面化しやすい時期は、小学3~4年生です。
早い子は、1、2年生で “学習への拒否感” という方で、出る場合もあります。
✅学習対策は「タブレット学習」
特性がややあったり、学習の遅れ・未定着が気になる子への “学習サポート” の1つの選択肢になります。
理由は、
・自分のペースでできる
(在籍校の進度に合わせられる)
・個人の学習課題の分析/抽出
(AIの学習ナビゲート)
・多様な学び方
(ex.アニメーション/音声解説)
など、学習のサポート機能が充実しています。
通常の学習では、自分たちで学習課題を選びますが、
それだと取り組むべき問題の順番や優先順位が、本人の課題感とズレてることがあります。
それを予防するのが、AIの学習ナビゲートになります。
その子の解いた問題をベースに課題を分析し、学習すべき問題を自動抽出してくれます。
また、紙面では理解が難しい子も、アニメーションや音声解説があるので、学びやすいです。
その他、メリットやデメリットなど詳細は、下の記事をご覧ください。
“グレーゾーン” や “発達がゆっくりな子” にも、共通する内容になっています。
「【通級にいじめはある?】10年以上の現場で見えたこと」のまとめ
記事のポイントになります。
✅通級の「現状」
~いじめはあるのか~
・いじめはある
・数は少ない
・周りから質問され傷つくことがある
・担任の配慮不足で傷つくことがある
✅通級のいじめの「事例」
・クラスの子に冷やかされる
・担任の配慮不足
・周囲の悪気のない言葉
✅通級は「選ぶべきか」
・本人が困ってる場合、検討したい
・本人に合ってれば、選びたい
✅学級の「選び方」
・本人の「意思」
・通級の先生/スタイルとの「相性」
・第3者の「客観的な意見」
✅支援学級を検討されてる子に
「必要なもの」
・本人の特性の把握
・必要な配慮/環境の把握
・学校側への相談
(本人の特性を把握して)
✅通級を検討する子の
「学習対策」
・学習の失敗体験の予防
・本人に合う学習法の把握
・学習意欲を高める
・タブレット学習
以上になります。
本記事が、学級選びの参考になれば幸いです。
【関連記事】
[…] 【通級にいじめはある?】10年以上の現場から見えた”実態”とは […]