学級・進路

【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは

投稿日:2021年10月18日 更新日:

子どもの学級について悩まれてる方「特別支援学級って、偏見はあるの?偏見がありそうで心配。支援学級を選ぶべきか悩んでる」

このようなお悩みに、お応えします。

本記事の内容



✅支援学級に「偏見」はあるのか

✅偏見との「向き合い方」

支援学級は「避ける」べきか

支援学級を検討する時「準備しておきたいこと」


結論からいうと、「特別支援学級に、”偏見”はあります。ただ、学校や人によって、本当に様々です。

全くないこともあれば、その逆もあります。

では、どういう”偏見”が多く、偏見を持たれる親は、どう向き合えばいいのでしょうか。

そこで本記事では、「支援学級の親子が受ける偏見・向き合い方」をまとめてみました。

また、「支援学級のメリット/デメリット」、「学級の選び方」について、別の記事でもまとめています。

私は、発達支援の相談/指導員を10年以上しており、支援学級に通う子も、数多く支援してきました。

この経験を元に、私が実際に関わってきたお子さんの事例を元に、説明していきたいと思います。

本記事が参考になれば、幸いです。

支援学級に「偏見」はあるのか

冒頭でもお伝えした通り、支援学級に”偏見”はあります。

ここでは、私が今まで支援してきた親御さんから実際に聞き、特に共通点が多い事例(場面)を、紹介したいと思います。



①:「子どもが支援級」と伝えた時の反応

②:周りの親からの「冷たい視線」

③:周りの子が「バカにしてくる」

④:親族や祖父母から「責められる」


①:「子どもが支援級」と伝えた時の反応

同じ学校の親や、まだお互いよく知らないママ友と、我が子のお話をする場面になります。

最初は、感じよく話をしていたはずなのに、「うちの子は支援学級に通っていて」と言った途端、

顔色や態度が明らかに変わって、それ以降は相手から話しかけることが、なくなったとのことです。

私はTwitterをしているのですが、フォロワーさんからも、同様の経験談を聞かせてもらいました。

言葉で言われずとも、距離を置かれたり、相手の反応から、”偏見”を感じる方は、多くいらっしゃいます。

②:周りの親からの「冷たい視線」

授業参観、近所で会った時に距離を感じる「冷たい視線」です。

学校によっては、支援学級在籍でも、普通級と交流したり、普通級の授業に参加できる場合があります。

その中で、特に多かったのが「授業参観」です。支援学級に通うお子さんは、特性を持っていることが多いです。

その特性によっては、目立った言動(離席や唐突な発言)と見られることが多いです。

そういった時に、周囲の親御さんからの「冷たい視線」を浴びることになります。

もし、「授業参観が苦手」、「なるべく嫌な思いをしたくない」という方は、

【授業参観に行きたくない】参観で嫌な思いをしない!3つの方法をご覧ください。

私も経験があるのですが、辛さを和らげらた対処法を、まとめています。

③:周りの子が「バカにしてくる」

これは、相手の子のタイプにもよるので、とても難しい問題になります。

これがヒドくなると、”いじめ”に発展することもあります。

詳しく知りたい方は、【支援学級にいじめはある?】100名以上の子から見える”現状”をご覧ください。

私が実際に支援してきた子たちから、見えてきたことをまとめています。

④:親族や祖父母から「責められる」

「育て方が悪い」「遺伝子が悪い」「しつけが甘い」など、“親の育児”を問題視する考え方になります。

味方であるはずの父親・祖父母・親戚が、母親に対して責めることがあります。

本当に信じがたいことですが、実際に経験される方は多いです。

中には、「育児放棄」とみなして、祖母に虐待通報された親御さんも、いらっしゃいました。

母親が孤独になったり、一人で抱えて辛い思いをしたり。支援する中で、本当にたくさん見てきました。

個人的には、社会の制度や理解がまだまだ足りていない、社会課題でもあると思います。

偏見との「向き合い方」

ここでは、偏見との「向き合い方」を見ていきましょう。

私が支援してきて、シンプルですが、一番効果があった方法になります。

逆に言うと、苦しまれている方のほとんどの方は、こちらが難しかったです。

それは、下のポイントになります。

・相談者を作っておく
・専門家と繋がっておく
・話を聞いてもらえる機会を作る
・他の人の経験談を知る


一言でいうと、『一人で抱え込まない』ことです。

言うまでもなく、偏見は辛いです。

でもそれ以上に、

・話を聞いてくれる人がいない
・日々の育児を労ってもらえない
・一人で抱えている孤独感が辛い

など、他者との繋がりがないことで、苦しまれる方が多いです。

逆にいうと、相談できる人、話を聞いてもらえる人、相談機関を繋がっていくことができると、

一人で抱え込まず、少し心の負担が軽くすることができます。

また、他の方の経験談を聞くのも、1つです。

もし、『同じ境遇の方を知りたい・繋がりたい』という方は、Twitterがお勧めになります。

文字が苦手な方でなければ、「私と同じ人がこんなにいるんだ」とか「辛い思いをしていたのは私だけじゃないんだ」と、

気持ちが軽くなるキッカケになることも、あると思います。

私のフォロワーさんにも、近い境遇の方が多くいらっしゃいますので、

興味のある方は、当サイトの発達マップ(@hattatu map)を覗いてみて下さい。

支援学級は「避ける」べきか

ここまでの内容ですと、「支援学級って、悪いことばっかり…」と思われている方が、多いかもしれません。

でも、そんなことはありません。

支援学級で過ごしやすくなった子も沢山いらっしゃいます。

支援学級は、”お子さんが必要とする配慮が得やすい環境”になります。

そのためには、”お子さんに必要な配慮”が得られる学級はどこなのか、

学校の担任やスクールカウンセラーに相談をして、一緒に決めていくことが大切になります。

そのためには、まずお子さんにはどんな配慮が具体的に必要なのか?を、把握する必要があります。

配慮が必要になるお子さんの特徴は、いくつもあります。

その中で特に、「配慮が必要な子に多い特徴」を別の記事で、まとめています。

詳しく知りたい方は、【普通学級か支援学級か】内容、選ぶ基準、メリット/デメリットをご覧ください。

前半は支援学級の特徴・メリット・デメリット(普通学級との違い)が中心になります。

支援学級に通った方が良いお子さんの特徴は、後半部分をご覧ください。

✍支援学級は「進路」に影響する

現状では、私立の高校受験は厳しくなる可能性が高いです。

もし、私立の高校に通う予定希望がある場合は、下の記事を参考に必要な情報が把握できるよ良いと思います。

【特別支援学級だと内申点は出ない?】普通学級との違い

支援学級を検討する時「準備しておきたいこと」

支援学級を検討する子の中には、学習面で困り抱えてる子が一定数います。

今受けてる授業、学習方法がお子さんに合っていたら、様子を見守るのも良いと思います。

ただ、下の様子がある場合は、早めの学習フォローがあると安心です。

・テストの点数が低い
・課題が白紙の時がある
・学習の拒否感が出てきた
・宿題に時間がかかる

(他の子の数倍かかる)

理由は、学校の授業の内容・ペース、学習方法がお子さんに合っていない可能性がある為です。

同じ学習をするにしても、遅れを取り戻す学習と、周りと同じ授業のペースでの学習とでは、気持ちの面でも違ってきます。


また学習の姿勢やモチベーションに直結するため、同じ学習量でも成果も変わります。

学習面の困りが表面化しやすい時期は、小学3~4年生です。

私が支援する中でも、学習のご相談をいただくことが最も多い学年になります。

そんな学習の困りに対して、私がお勧めしているは、タブレット学習になります。

タブレット学習は、お子さんの学習課題の抽出・アニメーション解説など、特性を前提にした学習システムになります。

タブレット学習については、下の記事に詳しくまとめています。

発達障害の子向けの記事ですが、通級を検討される子にも参考になる内容になっています。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

「【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



支援学級に”偏見”はあるのか
・偏見はある
・「子どもが支援級」と伝えた時の反応
・周りの親からの冷たい視線
・子どもがバカにしてくる
・親族や祖父母から責められる


✅偏見との向き合い方

・一人で抱え込まない
・相談できる人と繋がっておく
・話を聞いてもらえる機会を作る
・同じ境遇の方の事例を知る

支援学級は避けるべきか
・必要な配慮が得られるなら入った方が良い
・子供に必要な配慮をハッキリさせる
・必要な配慮が一番得られる学級を選ぶ

支援学級を検討する時「準備しておきたいこと」
・早めの学習フォロー
・タブレット学習


以上になります。

本記事が、お子さんに合った学級選びのお役に立てれば、幸いです。

【関連記事】

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方と注意点

-学級・進路

執筆者:


  1. […] 【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは […]

  2. […] 【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは […]

  3. […] 【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは […]

  4. […] 【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは […]

  5. […] 【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは […]

  6. […] 【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは […]

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【特別支援学級の担任】はずれが多いって本当?3つの対策を紹介します

特別支援学級の担任に不安がある方「特別支援級の担任にはずれが多いって本当?はずれの担任の場合、どうすればいい?」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 ✅特別 …

【どんな基準で判定される?】通級を徹底解説!通う時の3つの目安・注意点とは

通級(判定など)について知りたい方「通級ってどんな基準で判定されるの?うちの子が判定されるのか知りたい。通級が必要な目安、注意点も知りたい」 このようなお悩みにお応えします。 ☑本記事の …

【ショックを受けるのが普通】支援学級を勧められた時に確認したい3つのポイント

支援学級を勧められて悩まれてる方「学校から支援学級を勧められてショック…。これからどうしていいか分からない。学級選びで大切こと・注意点が知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 &# …

【支援学級にいじめはある?】100名以上の子から見える”現状”とは

子どもの学級について悩まれてる方「特別支援学級って”いじめ”はあるの?何となく、”いじめ”がありそうで心配。支援学級を選ぶべきか悩んでる」 このようなお …

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準について

子どもの学級で悩まれてる方「通級に通うのは、恥ずかしいこと?通わせるべきか迷ってる。通う基準・実際に通った子の事例を教えてほしい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 & …

サイト作成者プロフィール

Image

発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

2023/05/20

【発達障害の子向け】ビーズクッション4選!使用時の5つのポイントも紹介

2023/05/16

【療育支援員が紹介】ADHDの子におすすめクッション5選!効果的な使い方も解説

2023/05/11

【療育支援員が紹介】不登校の子にオススメな習い事。4つの選ぶポイント・注意点とは

2023/03/23

【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法とは

2023/03/06

【小学校で支援学級を勧められた時】学級選びの3つのポイント・事例紹介

2023/02/22

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準について

2023/02/16

【不登校の中学生】一日のスケジュールとは?時間管理で大切な4つのポイント

2023/01/30

【別室登校は、いつまでするもの?】大切な7つのポイントを解説します

2023/01/26

【支援員が解説】不登校の中学生の4つの自宅学習・始め方の4つのポイント

2022/10/18

【自閉症の子におすすめ】感覚刺激グッズ13選!療育支援員が紹介します

2022/10/12

【発達障害の子向け】噛み癖に役立つグッズ5選!支援員が使う時のポイントを解説

2022/06/16

【療育支援員が紹介】自閉症の子が落ち着くグッズ20選!落ち着かせるポイントも解説

2022/04/12

【発達支援員が解説】週何回?療育の頻度と期間とは。目的と通い方で変わる

2022/04/06

【宿題でいつも癇癪…】発達障害の子がスムーズにできる6つの対処法

2022/03/16

【療育支援員が解説】発達障害の子におすすめな習い事。ジャンル別に選び方~注意点まで

2022/01/27

【不登校の子は勉強追いつくの?】学習支援でも実践してる6つの勉強法

2022/01/12

【2023年 支援員がおすすめ】発達障害の子向けタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

2021/12/16

【療育支援員が解説】すららの発達障害の子の評判は?オススメな子の特徴・理由・注意点

2021/10/22

【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例を紹介

2021/10/21

【支援級勧められたけど普通級に行った!】学級選びで大切な3つのポイント

2021/10/18

【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは

2021/10/15

【支援学級にいじめはある?】100名以上の子から見える”現状”とは

2021/10/12

【特別支援学級から普通学級】デメリットはある?判断する基準を説明します

2021/07/27

【不安が強い子供】今日から始められる!2つの原因と8つの対処法とは

2021/07/16

【支援学級】担任と合わない時はどうする?2つの対策と注意点について

2021/06/30

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説

2021/06/23

【物の管理】子供が物をなくすのにイライラ!3つの原因と対処法について

2021/06/18

【療育支援員が紹介】発達障害の子におすすめな椅子5選!補助グッズも解説

2021/06/16

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説

2021/06/09

【子供の心理】しつこい原因は何?「3つの原因」の対処法を説明します

2021/05/11

【障害児の学級選び】普通学級は親のエゴ?子どもに合った学級選びとは

2021/05/10

【不登校】元気なのに学校に行かない?3つの理由と接し方を説明します

2021/04/13

【発達障害】幼稚園から指摘された時、親はどうするべき?2つの考え方とやるべきこと

2021/03/19

【普通学級か支援学級か】内容、選ぶ基準、メリット/デメリットを説明します

2021/03/11

【通級は効果がない?】通級指導教室を徹底解説!内容から判定基準まで

2021/03/03

【どんな子が判定される?】特別支援学級を徹底解説!指導内容~卒業後の進路まで

2021/02/24

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方と注意点を紹介します

2021/02/14

【通級って何?】通級指導教室の支援内容・メリット・デメリット・選ぶ基準とは

2021/01/15

【療育辞めてよかった!】辞めるタイミングは4つ!事例・注意点も解説します

2021/01/12

【療育のやめどきは、いつ?】4つのタイミングとは。事例/注意点あり

2020/12/07

【場面緘黙の子供】なんで挨拶が苦手なの?3つの理由・5つの接し方とは

2020/11/25

【発達障害の子の家庭学習】天神がおすすめ!内容・料金・効果・口コミ・退会について

2020/11/20

【リベルタサッカースクール】入会~退会/料金/内容について解説します!

2020/07/27

【発達障害】逆さバイバイはいつまであるの?原因と接し方について解説します

2020/07/02

【落ちた人も多い?】特別児童扶養手当とは。金額/条件/申込方法を解説

2020/06/24

【自閉スペクトラム症】いつから?くるくる回る原因と対応方法を説明します

2020/06/17

【発達障害】クレーン現象はいつから?定型発達の子にもある?原因、接し方、相談先を解説します

2020/06/15

【健常児にもある?】子どものオウム返しとは。言葉を増やす2つの関わりを説明します

2020/06/03

【療育支援員がおすすめ】自閉症の子が遊べるおもちゃ【厳選26選】

2020/05/21

【子どもの癇癪】3つの原因から考える!クールダウンの方法とは

2020/05/01

【発達相談員がおすすめ】発達障害の子が楽しめる絵本~厳選10冊の紹介~

2020/04/06

【ADHD/グレーゾーンの子供】幼稚園選びの4つのポイント※注意点あり

2020/03/31

【療育支援員がおすすめ】ADHDの子の子育てに役立つ本を紹介~厳選5冊~

2020/03/27

【通所受給者証のデメリット】3つの注意点・メリット・申請方法を解説

2022/06/10

【発達相談員が紹介】言葉が遅い子におすすめ!おもちゃ7選!遊び方の4つのコツ

2022/06/02

【療育支援員が紹介】発語を促すおもちゃ12選!遊び方の4つのコツも解説

2023/05/25

【発達障害の子にプレゼント】おすすめ28選!支援員が紹介する自閉症・ADHDの子が好きなオモチャ

2022/11/14

【自閉症の子向け】人と楽しめる!おすすめゲーム7選!療育指導員が紹介

2022/11/16

【発達障害の子におすすめ】遊び9選!楽しい!成長する!~療育支援員が紹介~