子どもの不登校で悩まれてる方「不登校の子の親は、問題にどう向き合って乗り越えればいいの?乗り越え方・事例も教えてほしい」
☑本記事の内容
✅不登校は
「親のメンタルが最重要」
✅親のメンタルを守る為に
「大切なこと」
✅不登校の子/親の
「事例」
✅不登校の子/親に
「必要なもの」
「イライラ、不安、無気力、無関心、食欲低下、睡眠不足…」
不登校の問題は、お子さんだけでなく、家族にも大きな負担を掛け、ときに追い詰めてしまうものです。
この記事を執筆している私は、発達・相談支援を10年以上しています。
今まで、多くの不登校の子・親御さんへの支援もさせて頂きました。
その経験を通して感じたのは、お子さんは勿論、親御さんの支援も大事ということ。
精神的に追い詰められ、ノイローゼ気味になる方を、何人も見てきました。
そこで本記事では、「親御さんがノイローゼになる前に、押さえておきたいこと」をまとめました。
お子さんの不登校で悩まれてる方の、お役に立てば幸いです。
目次
不登校は「親のメンタル」が最重要
まず最初にお伝えしたいのは、不登校の問題は、お子さんは勿論ですが、
「親のメンタル」が、最も重要だということです。
なぜなら、不登校の子には、心を休ませる時間が必要で、その為には、家で過ごす安心感が大切になるからです。
本人の “家で過ごす安心感” を作る為には、一緒に過ごす「家族の心身の健康」が不可欠です。
親御さんが疲弊していたり、不安定な気持ちが続いてると、表情や態度・雰囲気から、お子さんは察します。
家で安心して過ごせず、次第に自分の殻に閉じこもっていきます。その分、不登校で辛い思いをする期間が長くなりやすいです。
親のメンタルを守る為に「大切なこと」
ここでは、親のメンタルを守る為に「大切なこと」を5つ紹介します。
試したことがなければ、ぜひ参考にしてみて下さい。
①:不登校児の状態を「知る」
②:信頼できる人に「話をきいてもらう」
③:「支援先」に繋がる
④:「経験者の話」を聞く
⑤:学習の心配は「タブレット学習」を導入
①:不登校児の状態を「知る」
まず最初に、“不登校の子の状態” を把握することが大切になります。
不登校には、段階があります。その段階によって “お子さんに必要な関わり・配慮” は、変わってきます。
ここの把握が難しいと、お子さんの状態に合わない関わりをして、逆効果になる場合があります。
実際の不登校ケースでは、親御さんが良かれと思った関わりが、
かえってお子さんを追い詰めてしまい、問題の解決が難しくなることも、少なくありません。
そういった理由から、下の2点を始めることが必要になります。
・不登校の子の状態を把握する
・これからどんな関わり・配慮が必要か
不登校のお子さんの状態は、下の記事にまとめてます。
「不登校の状態って何?」という方は、ご覧ください。
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②:信頼できる人に「話をきいてもらう」
当たり前ですが、とても大切なことです。
今抱えてる不安・ストレスを、言葉にして人に聞いてもらうだけで、ストレス値が下がる方は多いです。
ただ、「相談できる人がいない」という方もいらっしゃると思います。
そういう方には、このあと説明する
「支援先に繋がる」
「SNSを活用する」
という方法もあります。
次の項で、説明したいと思います。
③:「支援先」に繋がる
家族や学校だけで、問題の解決が難しい場合は、支援先(専門機関)に繋がることを、お勧めします。
・家庭以外の安心できる場所
・学校以外での繋がり
・困ったら “アドバイスがもらえる状態”
これらを作る目的から、支援先と繋がるのは、効果的になります。
本人が行ければベストですが、それが難しい場合は、
まずは、親御さんが相談にいき、話を聞いてもらう所から始めても大丈夫です。
④:「経験者の話」を聞く
不登校の子を育てた先輩ママ・パパに、話を聞くのも1つです。
親戚や近所にいれば、話を聞いてみましょう。
もし、身近に聞ける人がいない場合は、1つの方法として、SNSがあります。
SNSでは、不登校や発達障害など、お子さんの育児で悩まれてる方が、沢山いらっしゃいます。
経験談・考えなどを発信される方もいれば、お互い労って支え合ってる方もいます。
SNSですので、本音で話ができ、ご近所ならではの気遣いも不要です。
「全く情報がない」「色んな方の経験談が知りたい」という方には、お勧めになります。
私が普段、発信してるSNSのフォロワーさんも、お子さんが不登校・発達障害で、日々向き合ってる方が沢山いらっしゃいます。
似た境遇の方もいらっしゃいますので、そんな方たちと繋がったり、お話を聞くのも1つだと思います。
SNSの検索窓で「不登校」など検索すると、情報が集めやすいと思います。
もしくは、私のSNS(発達マップ)のフォロワーさんから、探されるのも1つです。
気になる方は、こちらも参考にしてみて下さい。
⑤:学習の心配は「タブレット学習」を導入
不登校問題で、親御さんの心労の1つが「学習の遅れ」です。
授業に参加できない⇨学習が遅れる⇨進路の選択肢が少なくなる
という心配が、常にあります。
また家で勉強するにしても、親御さんが日中仕事で、様子が見れず、勉強が十分にできているか、把握しきれないケースも多いです。
もしくは、本人のやる気がなかったり、親御さんが教えるにも、限度があるので、家庭学習で困ってしまうこともあります。
そこで、私がお勧めしているのは、「タブレット学習」になります。
不登校の子が、タブレット学習を使うメリットは、下記になります。
・家庭内で出来る
・一人で出来る
・遠隔で親が把握できる
・出席扱いになる場合がある
「塾に通わせたいけど、外に出たがらない」
「子どもに勉強を教える時間がない」
「学習の遅れが心配(ストレス)」
という方には、1つの選択肢になります。
事例はまだ少ないですが、出席扱いになるケースもあります。
その点も踏まえ、不登校で悩まれてる方向けに、下の記事でまとめてます。詳しく知りたい方は、ご覧ください。
【相談支援員が解説】不登校でもスマイルゼミで出席扱いになる。7つの条件
もし、お子さんが発達障害の様子がある場合は、こちらを記事をご覧ください。
不登校の子/親の「事例」
ここでは、不登校の子/親の「事例」を紹介します。
私の支援経験の範囲内ですと、大きく分けると3つのパターンに分かれます。
あくまで、私が支援してきた子の事例になりますので、参考程度にご覧下さい。
①:「支援先」に繋がる
⇨フリースクール・通信制高校
②:家庭で「休養」
⇨少しずつ学校へ登校
③:「精神的に不安定」になる
⇨クリニックに通院
①:「支援先」に繋がる⇨フリースクール・通信制高校
不登校期間が数ヶ月以上続き、学校に行ける気配がない方は、
支援先に相談される場合が多いです。
支援先とは、主に民間療育になります(福祉サービスは混み合っていて、実質利用できないことが多い)。
お子さんが気持ちを話したり、生活の振り返り・今後頑張りたいことなど、対話などを通して、一緒に話をする内容になります。
本人から出た「今後頑張りたいこと」に繋げる為に、フリースクールや通信制の高校に通う子がいます。
ここで大切なのは、「フリースクール・通信制高校に行く」が目的にならないことです。
お子さんが将来やりたいこと、これから学びたいことを実現する為の手段として、
「フリースクール・通信制高校に行く」のイメージになります。
ここの認識がズレると、新しい学校に通ったけれども、途中で行きたくなくなった、など後から困ってしまうことになります。
✅「転校」も1つの方法
「在籍校がどうしても合わない」という方の中には、稀に転校される方がいます。
在籍校との関係性が悪かったり、別の学校の校長先生の考え・学校方針などに共感できて、
そこの学校に通う為に、引っ越しをされる場合があります。
②:家庭で「休養」⇨少しずつ学校へ登校
不登校の子には、よく「充電期間が必要」と言われます。
ここでは、深くは触れませんが、
不登校の子は、心に負った傷を回復させる時間が必要になります。
その為に家でゆっくり休みます。回復してくると、次第に本人の意識が外に向きます。
これが、「保健室登校」や「放課後に担任に話に行く」などに繋がります。
少しずつ、学校で過ごせる時間が増え、保健室で過ごしていたのが、
教室で過ごせる様になったり、学校で過ごせる時間が増えてきます。
周囲の大人が、不登校の子への理解を深め、声掛けをすることが、大切になります。
不登校の子への “具体的な声の掛け方” は、下の記事をご覧ください。
【合わせて読みたい記事】
【不登校の子ども】何が正解なの?望ましい声かけ/避けたい声かけ
③:「精神的に不安定」になる⇨クリニックに通院
不登校が理由で、叱責されたり、無理やり学校に行かされたりと、
辛い経験を重ね続けることで、「精神的に不安定」になる子がいます。
具体的な様子としては、
・無気力
・引きこもり
・情緒不安定
など、日常生活・社会生活に大きな支障が出る状態です。
この場合は、医療機関、児童相談所などの専門機関に繋がり、
本人の心身の安定を作ることに、専念する必要があります。
不登校の子/親に「必要なもの」
ここでは、不登校の子/親に「必要なもの」をお伝えします。
私は不登校そのものが悪いことだとは思っていませんが、不登校になることで、
本人の自己肯定感が下がっていたり、学びや経験の機会損失になっていたり、辛い思いに繋がってる場合は、少しでも早く支援に繋がるべきだと思っています。
不登校の状態が続いていくと「どうせ自分はバカなんだ」「自分なんていない方がいいんだ」といったネガティブな発言が増え、心を閉ざすようになります。
本人の失敗体験、辛い経験が積み重なる前に、介入が難しくなってしまう前に、本人の安心感を作り、自己肯定感を高めて、本人に必要な選択(ex.学校、フリースクール、進学)ができる状態を作る必要があります。
そのためには、不登校の子の支援経験がある先生(支援先)に一度見てもらい、以下のアドバイスがもらえると、今後の生活が良い方向に向かいやすくなります。
・本人の特性/対処法の把握
(辛い原因/対処法)
・家の過ごし方/学校の向き合い方
(本人の特性に合った)
・今後の方向性
(進学先/フリースクール等)
大前提として、本人の安心感がベースになります。
自分の好きなモノ、興味のある話、自分が普段感じてることなど、リラックスして話せる人の存在がまず必要になります。
否定せずに、話を聞いてくれる人の存在は、本人の安心感に繋がり、行動を起こす活力に繋がります。
「この人話しやすいかも」「話してて楽しい」
と本人が感じられたら、
・本人が抱えてること
(今の気持ち、困り事の相談)
・今後したいこと
(家の過ごし方/学校生活/進路)
・自分の特性/対処法を知る
(得意/苦手/思考の癖/対処法を知る)
など、本人が “自分自身に向き合う機会” が必要になってきます。
その最初の入口が、自分の話に共感してくれて、一緒に考えてくれる大人の存在になります。
そして、この大人の存在は、家族以外の第三者でないと難しいことが多いです。
(親子間だと感情が入り、深いお話までになりにくい為)
不登校問題は、本人の安心感をベースに、本人の気持ちを引き出し、1つ1つの気持ち(意思や不安)に寄り添いながら、丁寧に進めることが大事になります。
最初は、本人が “この人と話してると楽しい” と思えれば十分ですが、
問題の根本解決を見据えると、本人の特性を理解し、本人の過ごしやすさに繋がる『視点/考え方/対処法』を示してくれる、専門スキルがある先生が必要になります。
例えば「学校で不安を感じると、周囲に言えず限界まで我慢する子(体調を崩すまで)」の場合、
授業中辛くなったら、机に置いてるヘルプカード(裏面に「保健室に行きたいです」と記載)をめくり、先生が確認したら、保健室に行く流れを作ります。
本人の精神的な負担を考慮し、一般的な “言葉で伝える方法” は避け、カードをめくる意思表示に変えることで、本人が “ヘルプ発信(周囲に助けを求める)” しやすくする意図があります。
学校には事前に説明しておき、本人が発信したら、すぐにフォローしてもらえる環境を作っておきます。
「辛くなっても、カードをめくれば保健室で休める」という本人の安心感が、結果的に学校で過ごせる時間の長さに繋がっていきます。
そして、”ちゃんと伝えれば、助けてもらえる” という本人の成功体験になり、この先新しい環境に進む際も、本人が行動(発信)しやすくなります。
このように、本人の特性、学校の環境、今後の生活を踏まえて、長期的な視点で、具体的な対処法が示せる相談先が必要になります。
✅不登校の相談は「リタリコジュニア」
リタリコジュニア とは、療育/不登校支援の教室になります。
お子さんの “年齢/特性/困り事/気持ち” によっても、変わりますが、
・コミュニケーション
(家族以外との会話の機会)
・学習
(特性に合う学習法/学習計画)
・自己管理
(特性の把握/対処法/生活リズム)
・困り事の相談
(話を聞いてもらう時間/居場所)
・学校連携
(ex.学校の通い方/進路)
など、生活面、学習面、学校生活、家族関係、進路など、本人に必要な支援が幅広く受けられます。
小学校中学年以下の子でしたら、好きな遊び(ex.ボードゲーム、カードゲーム、工作)を中心に、
小学校高学年以降(思春期)の子は、本人の興味関心がある話など、対話ベースで進めることが多いです。
リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。
・療育の最大手
(実績/信頼/豊富な事例)
・自己肯定感を高める指導
(安心感/楽しさ/居場所)
・学校/学級の相談
(学校の過ごし方/進路)
・ペアレントトレーニング
(家での過ごし方)
(具体的な家庭での関わり方)
・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)
不登校の子の支援は、本人の安心感、家族の関わり、学校への向き合い方が、最も重要になります。
特に、本人と、”家/学校の過ごし方” が合ってないことで、状況が悪化してるケースは多い為「本人の自己肯定感の回復/家族の関わり/学校連携」へのサポートは、必要不可欠になります。
「〇〇の話(本人が好きなモノ)ができる先生がいるんだけど、試しに1回行ってみる?」ぐらいの、良い意味での軽い気持ちで、実際に先生と関われると良いと思います。
もし、本人がまた来たい思えば、通うこともできますし、気持ちが向かなければ、1回限りで終えることもできます。
1回の指導の中で「本人の特性/家族の関わり/家、学校の過ごし方」など、専門の先生から助言をもらえることは、親御さんとして心強いと思います。
そして、不登校の支援経験がある先生から、他の子の事例(成功/失敗)も聞けると、
学校との向き合い方、進路など、今後の方向性を具体的に考える上で参考になります。
その他、メリット・デメリットなど詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
思春期の年齢ですと、本人が嫌がることもありますが、本人への伝え方から、教室に事前に相談ができます。
お子さんの気持ち/様子、家庭の状況に合わせて、活用いただければ幸いです。
「【不登校の親】ノイローゼになる前に。親のメンタルを守る為に大切なこと」のまとめ
記事のポイントになります。
✅不登校は
「親のメンタルが最重要」
・親自身のことも大切にする
・”学校に行く” を目的にしない
✅親のメンタルを守る為に
「大切なこと」
・不登校児の状態を知る
・信頼できる人に、話をきいてもらう
・支援先に繋がる
・経験者の話を聞く
・学習の心配は、タブレット学習を導入
✅不登校の子/親の
「事例」
・支援先⇨フリースクール・通信制高校
・家庭で休養⇨少しずつ学校へ登校
・精神的に不安定になる⇨クリニック
✅不登校の子/親に
「必要なもの」
・専門の先生に一度見てもらう
・本人の特性/対処法の把握
・不登校の相談先
(家の過ごし方/学校の向き合い方)
(今後の方向性)
以上になります。
本記事が、参考になれば幸いです。
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