不登校の子の担任がしつこくて困っている方「学校の先生が登校するよう連絡がしつこい。登校させるべき?でも子どもは登校を嫌がっているし…。親としてどうすべきか分からない」
このような疑問/お悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅先生がしつこい
「2つの理由」
✅しつこい先生の
「3つの対策」
✅先生がしつこい時の
「2つの注意点」
✅不登校の子に
「必要なもの」
✅不登校の子が
「備えておきたいこと」
お子さんが不登校ですと、先生との「登校するのか、休むのか、これからどうしていくのか」等の、やりとりが出てきます。
このやりとりで悩まれている方が、今増えています。
この記事を執筆している私は、発達・相談支援を11年以上しています。不登校のお子さんの支援も多くしてきました。
その経験を通して、本記事ではお子さんが不登校のときの「しつこい先生の理由/対策/注意点」をまとめました。
本記事が、参考になれば幸いです。
先生がしつこい「2つの理由」
不登校の子に対して、先生がしつこい理由は、主に2つあります。
①:専門知識がなく、熱心なため
②:学校の評価を気にしているため
①:専門知識がなく、熱心なため
不登校のお子さんに対する専門的な知識があまりなく、熱意でお子さんに関わっているタイプの先生の場合になります。
先生の特徴として多いのは…
・経験が浅め
・子ども想い
・「とりあえず学校に来ちゃえば大丈夫です」等の発言がある
などの様子が見られ、経験や知識を持ち合わせていない場合が多いです。
✅無理解な先生の場合もある
最近はだいぶ減ってきましたが、「不登校は甘えだ!親の育て方が甘い!」というスタンスの先生です。
他の視点を受け入れず、登校を強めに求める先生です。支援をしていると、先生だけではなく、親御さんの中にもこのタイプの方がいらっしゃいます。
②:学校の評価を気にしているため
学校は、不登校児童を出した場合、外部機関にその数や理由など報告する必要があります。
不登校には、欠席日数が何日以上などの基準があり、この不登校児童の数が多いと、学校の信用に関わってきます。
ここを気にしているのは、主に学校の管理職(校長や教頭先生)になりますが、
管理職の指導で担任の先生が学校の評判を守るため、登校するよう必死に電話をしてくる、ということが、残念ながらあります。
✅「登校する=不登校の解決」と思っている先生
登校することが、不登校の解決と思っている先生は、悪気なく子どもを登校させようとします。
先生にとっては「登校する=解決のゴール」になっているためです。
もし担任がこのタイプの先生でしたら、注意が必要です。次の項目で対策を解説しますので、お子さんの為にも、一緒に見ていきましょう。
しつこい先生の「3つの対策」
「しつこい先生の対策」は、3つあります。
私が実際に支援してきて、効果的だった方法になります。
①:登校は、「子どもと家族」で決める
②:先生との「連絡のタイミング、頻度」を決める
③:学校側で「信用できる先生」と繋がる
①:登校は、「子どもと家族」で決める
先生の連絡がしつこいと、プレッシャーを感じ、「子どもは嫌がっているけど、学校に行かせたほうがいいかな…」と、心が揺れる方がいます。
ただ不登校で大切なのは、「本人の意思の尊重」です。
先生がしつこいからという理由で学校に行っても、お子さんが辛い思いをし逆効果になります。
登校するかどうかは、「本人と家族で話をして一緒に決める」ということを、軸に置くことが必要になります。
そして、このスタンスを先生に明確に伝えることが大切になります。『登校は、子どもと親で相談して決めたいと思います』と、伝えるイメージになります。
不登校のお子さんだけでも、神経を使うなか、先生がしつこいと、本当に疲弊されると思います。
ただお子さんのことを考えると、ここの軸を持つことは、とても大切なことになります。
【合わせて読みたい記事】
【不登校ですっと寝てる子】3つの原因・対処法を解説。3つの注意点あり
②:先生との「連絡のタイミング、頻度」を決めておく
「完全不登校の子の毎日連絡」や「不登校ぎみで当日の朝まで休むか分からない場合の連絡」は、親御さんの大きな心身の負担になります。
仕事をされている親御さんの場合は、朝は尚更忙しいため、朝の電話連絡が大変です。
そこで、担任の先生と事前に『連絡をとるタイミング、頻度を決めておく』ことが、対策としてあります。
例えば…
・登校するときだけ連絡する
(完全不登校)
・毎週月曜と金曜の朝だけ先生に連絡する
(不登校ぎみ)
このように、お子さんの状態に合わせて、先生と相談し、決めておけると毎朝の「今日の連絡は…」というストレスが減らせます。
減らせる負担は工夫し、お子さんに向き合える時間を作っていくことが、大切になります。
③:学校側で「信用できる先生」と繋がっておく
残念ながら、担任の先生が信用できるとは限りません。
こちらがどんなに工夫しても、向き合ってくれなかったり、信用できない先生はいます。
ただその状態ですと、お子さんが、いざ「学校に行きたい」といったときに、お子さんが安心して登校する環境を作ることは、難しいです。
そのために、学校側の「信用できる先生」が必要になります。
例えば、
・校長先生
・教頭先生
・スクールカウンセラー
・通級の先生
などになります。特にスクールカウンセラーの先生は、学校と親御さんの中立の立場に当たる方になります。
学校側に伝えにくいことなども相談し、どうすべきか、助言をもらうことができます。
このような「学校との繋がり」を早めに作っておくことが、大切になります。
先生がしつこい時の「2つの注意点」
先生がしつこい時に、やりがちな注意点が2つあります。
ここが避けられるだけでも、現状を悪化させる可能性を下げることができます。
①:焦らせて登校させない
②:先生に謝らない
①:焦らせて登校させない
先ほどの説明を重なりますが、先生のプレッシャーに押されて、登校させるのは逆効果になります。
「無理やり行かされた」「誰も自分の気持ちを分かってない」「やっぱり学校は嫌だ」となります。
お子さんの気持ちに合わせて、進めていくことが必要になります。
とは言っても「勉強についていけなくなる…子どもの将来が心配…」という方も、いらっしゃると思います。
不登校の子の学習で悩まれている方は、【不登校の子は勉強追いつくの?】学習支援でも実践してる6つの勉強法 をご覧ください。
②:先生に謝らない
欠席の電話をするとき、「今日は欠席させて頂きます。すみません…」と伝えることが多いと思います。
ただ欠席の連絡は、お子さんが近くにいるときは、注意が必要です。
自分が学校休んで、自分の親が電話で先生に、「すみません」と言っていたら、
お子さんとしては「学校休むことはそんなに悪いことなんだ」「家族にも先生にも迷惑掛けちゃってる」と、自己肯定感が下がったり、罪悪感が強まります。
そういったことを避けるために、「すみません⇨ありがとうございました」にすることで、ある程度解消ができます。
こちらが参考例になります。
「今日は欠席させて頂きます。すみません」
⇩
「今日は欠席させて頂きます。電話のお時間ありがとうございました。」
お子さんの状況や先生のタイプに合わせて、参考にしてみてください。
それでも、「先生に迷惑は掛けているから、お詫びの一言は伝えたい..」という方は、
可能な範囲で、お子さんのいない所で、電話ができると良いと思います。
不登校の子に「必要なもの」
ここでは、不登校の子に「必要なもの」をお伝えしたいと思います。
不登校の子には、何より安心感が一番大切になりますが、担任の先生の理解が状態ですと、学校で本人の安心感をつくことは難しくなります。
学校のサポートがなく、不登校の状態が続くと、「どうせ自分には何もできない」といったネガティブな発言が増え、自己肯定感が下がる一方になります。
本人の失敗体験、辛い経験が積み重なる前に、介入が難しくなる前に、本人の安心感を作り、自己肯定感を高めて、本人に必要な選択(ex.学校、フリースクール、進学)ができる状態を作る必要があります。
そのためには、本人の特性を客観的に把握し、働きかける支援先が必要になります。
学校以外の “居場所” を作り、本人の安心感を作ることが大切になってきます。
担任の理解が得られず、本人にとって学校が、安心して過ごしにくい環境でしたら、こちらの4つの必要性が高くなります。
・家族以外との社会的繋がり
・家/学校以外の居場所
・本人の特性/対処法の把握
・不登校の相談先
(家/学校の過ごし方/家族の関わり)
(進学先/今後の方向性)
繰り返しになりますが、本人の安心感がベースになります。
自分の思ってること、好きなこと、疑問、不安など、日頃感じてる心の内を、リラックスして話せる人の存在が、まず必要になります。
否定せずに、話を聞いてくれる人の存在は、本人の安心感に繋がり、行動を起こす活力に繋がります。
そんな “信頼できる人との繋がり” ができたら、
・本人が抱えてること
(今の気持ち、困り事の相談)
・今後したいこと
(家の過ごし方/学校生活/進路)
・自分の特性/対処法を知る
(得意/苦手/思考の癖/対処法を知る)
など、本人が “自分自身に向き合う機会” が必要になります。
その最初の入口が、自分の話に共感してくれて、一緒に考えてくれる大人の存在になります。
そして、この大人の存在は、家族以外の第三者でないと難しいことが多いです。
(親子間だと感情が入り、深いお話までになりにくい為)
不登校問題は、本人の安心感をベースに、本人の気持ちを引き出し、1つ1つの気持ち(意思や不安)に寄り添いながら、丁寧に進めることが大切になります。
最初は、本人が “この人と話してると楽しい” と思えれば十分ですが、
問題の根本解決を見据えると、本人の特性を理解し、本人の過ごしやすさに繋がる『視点/考え方/対処法』を示してくれる、専門スキルがある先生が必要になります。
例えば「学校で不安を感じると、周囲に言えず限界まで我慢する子(体調を崩すまで)」の場合、
授業中辛くなったら、机に置いてるヘルプカード(裏面に「保健室に行きたいです」と記載)をめくり、先生が確認したら、保健室に行く流れを作ります。
本人の精神的な負担を考慮し、一般的な “言葉で伝える方法” は避け、カードをめくる意思表示に変えることで、本人が “ヘルプ発信(周囲に助けを求める)” しやすくする意図があります。
もちろん、事前に学校に説明しておき、本人が発信したら、すぐにフォローしてもらえる様な環境作りは必要になります。
「辛くなっても、カードをめくれば保健室で休める」という本人の安心感が、結果的に学校で過ごせる時間の長さに繋がっていきます。
そして、”ちゃんと伝えれば、助けてもらえる” という本人の成功体験になり、この先新しい環境に進む際も、本人が行動(発信)しやすくなります。
このように、本人の特性、学校の環境、今後の生活を踏まえて、長期的な視点で、具体的な対処法が示せる相談先が必要になります。
そして不登校の子のサポートには、家族のサポート、学校の協力(理解)も重要になります。
本人が身近な人に心を開いて話せていたら、それは素晴らしいことですが、根本的な問題に進展が見られない場合は、本人に必要な要素が、まだ足りてないということになります。
その場合は、本人の特性に合わった根本的な問題にアプローチできる、支援経験のある先生が必要です。
✅不登校の相談は「リタリコジュニア」
リタリコジュニア とは、療育/不登校支援の教室になります。
お子さんの “年齢/特性/困り事/意思” によっても、変わりますが、
・コミュニケーション
(家族以外との会話の機会)
・学習
(特性に合う学習法/学習計画)
・自己管理
(家の過ごし方/体調/時間/物)
・困り事の相談
(話を聞いてもらう時間/居場所)
・学校連携
(ex.学校の通い方/進路)
など、生活面、学習面、学校生活、家族関係、進路など、本人に必要な支援が幅広く受けられます。
小学校中学年以下の子でしたら、好きな遊び(ex.ボードゲーム、カードゲーム、工作)を中心に、
小学校高学年以降(思春期)の子は、本人の興味関心がある話など、対話ベースで進めることが多いです。
リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。
・療育の最大手
(実績/信頼/豊富な知見)
・自己肯定感を高める指導
(安心感/楽しさ/居場所)
・学校/学級の相談
(学校の過ごし方/進路)
・ペアレントトレーニング
(家での過ごし方)
(具体的な親の関わり方)
・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)
不登校の子の支援は、本人の安心感、家族の関わり、学校への向き合い方が、最も重要になります。
特に、本人と、”家/学校の過ごし方” が合ってないことで、状況が悪化してるケースは多い為「本人の自己肯定感の回復/家族の関わり/学校連携」のサポートは必要不可欠になります。
「〇〇の話(本人が好きなモノ)ができる先生がいるんだけど、試しに1回行ってみる?」ぐらいの、良い意味での軽い気持ちで、実際に先生と関われると良いと思います。
もし、本人がまた来たい思えば、通うこともできますし、気持ちが向かなければ、1回限りで終えることもできます。
「本人の特性/家族の関わり/家、学校の過ごし方」など、1回の指導の中で、専門の先生から助言をもらうことができます。
そして、不登校の支援経験がある先生から、他の子の事例(成功/失敗)も聞けると、
学校との向き合い方、進路など、今後の方向性を具体的に考える上で参考になります。
また、不登校の子には「避けたい関わり/環境」などが多くある為、その日からすぐ活かせる内容が多いです。
その他、メリット・デメリットなど詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
思春期の年齢ですと、本人が嫌がることもありますが、本人への伝え方から、教室に事前に相談することができます。
お子さんの気持ち/様子、家庭の状況に合わせて、活用していただければ幸いです。
不登校の子が「備えておきたいこと」
最後に、不登校の子が「備えておきたいこと」をお伝えします。
私は、不登校そのものが悪いとは思っていません。多くの場合、お子さんのタイプと学校の環境が合わなかった、ということだと思っています。
無理に登校することで、お子さんの心が壊れてしまうことは避けたいです。
そういう意味で、お子さん自身を守るという意味で、 “学校を休む” は1つの選択肢になると思っています。
ただ、その生活が続くことは、先々お子さん自身が困ることになります。その困りの1つが、学習になります。
不登校の期間に比例して、学習の遅れは大きくなってきます。
学習の遅れが大きくなると、登校できる状態になっても、不登校に戻るキッカケに繋がる可能性が上がります。
そして将来の選択肢が減っていきます。
次第に、学習への苦手意識が強まり、拒否感が出てくる子もいます。
そうなると、学力をつける以前に「学習に取り組む(成功体験を積み、習慣化する)」ことに、
時間を割かなければいけなくなります。
これらの理由から、早めの学習フォローが必要になってきます。
もちろん、お子さんに勉強する意思があること(少なくとも拒否してない)が前提になってきます。
✅学習対策は「タブレット学習」
不登校の子の1つの学習対策として「タブレット学習」があります。
タブレット学習が良い理由は、4つあります。
・自分のペースでできる
(コンディションに合わせられる)
・自宅でできる
(不安が学習の妨げにならない)
・理解しやすい勉強
(学習意欲が高まる)
・成功体験が積める
(自己肯定感の向上)
取り組む課題のみが画面表示される為、何をどこまで頑張ればいいのか(見通し)明確です。
また、本人の回答結果をAI分析し、その子に合った課題を自動抽出⇨アニメーション・音声解説してくれます。
一言でいうと「その子に今必要な学習課題を、丁寧に解説してくれる学習」になります。
「◯◯なら、自分にもできる!」
(自分に合った学習方法を知る)
「◯点とれた!前より点数が上がった!」
(成功体験⇨自己肯定感の向上)
自分に合った学習方法が見つかれば、学習意欲は高まり、学習への苦手意識を下げます。
苦手意識が弱まると、学習時間が増え、結果的に学力に繋がります。
そして、自己肯定感が上がることは、学習以外の生活面にも良い影響が出てきます。
自分自身を否定する気持ちが弱まったり、ネガティブな発言が減ったり、新しいことにチャレンジする活力が出てきます。
常に環境の変化が伴う今後の生活で、とても大切な経験に繋がります。
タブレット学習の、その他のメリット・デメリットなど、詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。
発達障害に関わらず、不登校の子にも共通する内容になっています。
学習フォローの1つの選択肢として、参考になれば幸いです。
「【不登校】しつこい先生にはどう対応すべき?3つの対策」のまとめ
記事のポイントになります。
✅先生がしつこい
「2つの理由」
・専門知識がないが熱心
・学校の評価を気にしてる
✅しつこい先生の
「3つの対策」
・登校は「本人の意思」で決める
・先生との連絡のタイミング、頻度を決める
・信用できる先生と繋がる
✅先生がしつこい時の
「2つの注意点」
・焦らせて登校させない
・先生に謝らない
✅不登校の子に
「必要なもの」
・家族以外との社会的繋がり
・学校以外の居場所
・本人の特性/対処法の把握
・不登校の相談先
(家族の関わり/学校の向き合い方)
(今後の方向性)
✅不登校の子が
「備えておきたいこと」
・学習の成功体験を積む
・本人に合う学習方法の把握
・学習意欲を高める
・タブレット学習
以上になります。
本記事が参考になれば幸いです。
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