特別支援学級と通級の違いが知りたい方「特別支援学級と通級って何が違うの?それぞれの特徴やメリット/デメリットが知りたい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅特別支援学級と通級の違い
~全体像~
✅通級とは
✅特別支援学級とは
✅特別支援学級と通級の
「よくあるQ&A」
✅学級選びで悩まれてる親御さんに
「必要なもの」
✅通級/特別支援学級を検討する子の
「学習対策」
お子さんの発達/今後の学校生活で不安がある方は、どういった学級が我が子に合っているのか、悩まれることがあると思います。
この記事を執筆してる私は、療育指導/発達相談を15年以上しています。
その支援経験を元に、本記事をまとめてます。
お子さんに合う学級を検討される上で、参考にしていただければ幸いです。
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特別支援学級と通級の違い
通級と特別支援学級との違いについて、図でまとめてみました。
1つ1つの詳しい説明は、後述していますので、参考にご覧ください。
通級は、普通学級に在籍のまま指導が受けられる学級になりますので、普通学級の欄に入れています。
項目 | 普通学級(+通級) | 特別支援学級 |
呼び方 | 普通級、一般級(+通級指導教室) | 支援級、なかよし学級など |
人数 | 約40名 ※小1は35名 | 8名以下 |
内容 | カリキュラムに合わせた授業 | 個別の支援計画に基づいた授業 |
メリット | 多くのクラスメイトと交流がもてる | 個人の特性に合わせた指導が受けられる |
デメリット | 抜けた授業の補填がない、子どもが傷つくことがある | 全員が専門性の高い先生ではない、内申点がつかない場合が多い(中学) |
次は、通級と特別支援学級の詳しい内容は、次でお伝えしていきます。
通級とは
通級とは、普通学級に在籍している状態で、週に数時間、通級に通って、個別で授業を受けられる学級のことをいいます。
勉強の補習ではなく、お子さん自身が、自分の特性を理解や活かし方、苦手なことへの対処法を学ぶことで、授業や生活上の困りを減らしていくことが目的になります。
✅通級の対象の子
普通学級に在籍している子になります。診断名の有無は関係なく、お子さんが学校生活で困っていて、個別のサポートが必要な場合になります。
✅通級の判定基準
明確な基準は、特にありません。親御さんの考えを踏まえた上で、通級の担当、臨床心理士などの専門家が、総合的に必要なのか、判断するものになります。
✅通級の費用
基本的に費用はかかりません。ただお子さんによっては、教材費がかかる場合があります。
✅通級の時間
授業数でいいますと、週に1~8コマになります。お子さんの特性によるため、個人差があります。
※通常の授業は、週25~28コマ
✅通級の場所
学校によって、学校内に設置されている場合(自校通級)と、近隣の学校に設置されている場合(他校通級)があります。
自治体によって様々ですので、教育委員会等に確認することをおすすめします。
✅通級の先生
全員教員免許を持っています。特別支援の免許(ex.特別支援学校教諭免許など)は、持っていない先生も多いです。
✅通級のメリット
・安心の場になる
・普通学級の子との交流がある
・普通学級の在籍扱いになる
(内申に含まれる)
✅通級のデメリット
・在籍基準があいまい
・場所が遠い場合がある
・お子さんのストレスになることがある
・専門的な先生ではない場合もある
・抜けた分の授業の補修がない
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特別支援学級とは
特別支援学級に在籍となり、別の教室(クラス)で授業を受けて過ごします。
お子さんの特性に応じたクラスに分かれ、その子に必要な特別なサポートを、受けることができます。
通級に通うお子さんは、2つの計画書を通して、段階的にお子さんに合った支援をします。
2つの計画書とは、「教育支援計画」と「指導計画」になります。
✅教育支援計画
親御さん、学校、福祉/医療/療育機関などが連携し、支援の方向性や方針を統一するためのものになります。
1〜3年程度の長期的な計画になります。
✅指導計画
長期的な「教育支援計画」を細分化して、学期毎/学年毎に目標を立て、支援をしていく短期的な計画になります。
✅特別支援学級の対象の子
対象となる子の特徴は、8つに分けられています。
- 知的障害
- 肢体不自由
- 病弱/身体
- 虚弱
- 弱視
- 難聴
- 言語障害
- 情緒障害
【参考】日本の特別支援教育について ※文部科学省
✅特別支援学級の判定基準
通級と同様に明確な基準は、ありません。親御さんの考え、学校、臨床心理士などの専門家が、総合的に必要なのか、判断するものになります。
✅特別支援学級の先生
通級と同様になります。全員教員免許を持っていますが、特別支援の免許は持っていない場合が多いです。
✅特別支援学級のメリット
・発達/障害に合った指導が受けられる
・普通学級と行き来ができることもある
・給食の時間など普通級の子と関わる時間がある
✅特別支援学級のデメリット
・在籍基準があいまい
・受け入れ可能人数など地域差が大きい
・お子さんのストレスになることがある
・高校では、ほとんど支援級がない
・学区内に支援級がない場合、遠くの学区に通学しなければならない
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特別支援学級と通級の「よくあるQ&A」
ここでは、通級や特別支援学級について、よく頂く質問と回答を紹介したいと思います。
Q.学級はどのように決まりますか?
A.小学校入学前の場合は、就学時検診で何らかの支援の必要性があると判断されると、教育委員会と就学相談を行った上で所属学級を決めます。
入学後は、校内委員会という学校内で構成された数名の教員や専門員(心理士など)が、お子さんの様子、親の意向、学校の様子など総合的に判断して決めています。
最終的には、保護者の意思で決まります。
Q.学級を選ぶ際にはどのような基準で考えるべきでしょうか
A.子どもが学校生活で実際に困っているのか、それは今の学級では対処できないのか、第3者(学校や専門家)の方はどういう意見か、が大切になります。
また特別な支援が必要な場合は、お子さんと話をし、必要性や納得感を作って進めていくことが、必要になります。
Q.途中で転級することはできるのでしょうか?
A.通常級⇨支援級、支援級⇨通常級、いずれも転級は可能になります。
私の経験上ですが、通常級⇨支援級のパターンの子が多いです。
【合わせて読みたい記事】
【支援学級にいじめはある?】100名以上の子から見える”現状”
Q.支援級を選んだ時に、子どもの可能性を狭めてしまいそうで不安です
A.進路において支援級のデメリットは、公立高校の受験がしにくくなる場合があることです(中学は内申点がつかないため)
学校によっては、内申点を問わない所もあるようですが、選択肢が減るのは事実です。
一方で、無理な環境を選んで不適応を起こしてしまった場合、結果的に可能性が狭まってしまうという事態もありえます。
合わない環境で無理をし続けると、お子さんの二次障害に繋がる恐れもあります。
気になる方は、【発達障害の子の二次障害】原因・予防/対処法 をご覧ください。
学級に優劣はなく、お子さんが毎日を過ごす場所としてふさわしい環境を選ぶことが大切になります。
Q.高校には、通級がないって本当ですか?
A.現時点では、通級は高校には設置されていません。2018年~文部科学省が準備を進めている段階になります。
【関連記事】
【特別支援学級から普通高校に行くには何が必要?】5つのポイント・注意点
「【簡単にわかる!】特別支援学級と通級の違いとは。図で徹底解説!」のまとめ
記事のポイントになります。
✅通級とは
・普通級に在籍
・週に数回個別で授業が受けられる
(最大週8コマ)
✅通級のメリット
・安心の場になる
・普通学級の子との交流がある
・普通学級の在籍扱いになる
(内申に含まれる)
✅通級のデメリット
・在籍基準があいまい
・場所が遠い場合がある
・子どものストレスになることがある
・専門的な先生ではない場合もある
・抜けた分の授業の補修がない
✅特別支援学級とは
・原則8名以下のクラス
・支援級在籍で、別の教室で授業を受ける
・特性に応じた個人に合わせた指導
✅特別支援学級のメリット
・発達/障害に合った指導が受けられる
・普通級と行き来ができることもある
・普通級の子と関わる字時間がある
✅特別支援学級のデメリット
・在籍基準があいまい
・受け入れ可能人数など地域差が大きい
・お子さんのストレスになることがある
・高校では、ほとんど支援級がない
・場所が遠い場合がある
✅特別支援学級と通級の「よくあるQ&A」
・学級は検診や保護者の意向、学校内で決定
・双方とも、転級可能
・学級選び:子どもの生活の困り、気持ち、学校/専門家の意見が大切
・支援級は公立高校の受験がしにくい
(中学は内申点がつかない)
以上になります。
本記事が、参考になれば幸いです。
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