

子どもに合う絵本を探してる方「発達障害の子に合う絵本ってあるのかな。おすすめの絵本を教えてほしい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅発達障害の子に「オススメな絵本」
✅絵本で「身につくスキル」
✅読み聞かせの「工夫ポイント」
「子どもが絵本に興味を持たない…少しでも興味が持てる絵本ってないかな…」
お子さんに絵本に興味を持ってほしい・楽しんでほしいという想いは、
親であれば、1度は持ったことがある方も多いかと思います。
この記事を執筆している私は、発達相談員を10年以上していて、発達障害の子・親御さんの支援をしてきました。
その支援経験を元に、本記事で下記をまとめました。
「発達障害の子におすすめな絵本・身につくスキル・読み聞かせの工夫」
絵本の紹介だけではなく、お子さんが興味がもちやすい(集中が続きやすい)読み聞かせの方法も紹介します。
本記事が参考になれば、幸いです。
発達障害の子に「オススメな絵本」

発達障害の子に「オススメな絵本」を10冊紹介していきます。
①:だるまさんシリーズ
- 絵、内容がシンプル
- 変化が多く、興味を引きやすい
- テンポが良く、集中が切れづらい
②:きんぎょがにげた
- 各ページの「きんぎょ」を探す本
- 探すのが楽しめる子におすすめ
- 夢中で探す=集中力が保ちやすい
- 読み聞かせが苦手な方も使いやすい
③:もこもこもこ
- イラストがシンプル
- 擬音が多くマネ(音の)を促しやすい
- 繰り返す音が多い為、発声の練習になる ※繰り返す音は出しやすい為
④:かくしたのだあれ
- 1~10の数字を探す本
- 読み手も一緒に参加しやすく、親子で楽しみやすい
- 集中力の持続の練習になる
(よく探さないと見つからない為)
⑤:ひとりでうんちできるかな
- 排泄の意識付けができる
- 1Pに1キャラクターとシンプル構成
- 一定のパターンが好きな子におすすめ
⑥:いないいないばあ あそび
- マネ(動作・発声)の促しができる
- 一定のリズムで進むので、集中が切れづらい
⑦:じゃあじゃあびりびり
- 効果音だけで楽しめる
- 発声を促したい子におすすめ
- 声を出す楽しみを感じやすい
- 音のマネ(音声模倣)の促しができる
⑧:はらぺこあおむし
- 歌・手遊びに興味を引きやすい
- マネ(言葉・動作)の促しができる
- 園の活動にも参加しやすくなる
⑨:どうぶつだあれ?
- クイズ形式で読める為、参加しやすい
- 注視(1箇所に注意を向け続ける)の促しができる
⑩:ねんねのじかんねてるこだあれ?
- クイズにしてて一緒に参加しやすい
- 受け答えの練習ができる
(ex.布団の中に誰がいる?⇨答える)
低年齢向けの絵本が中心になりますが、
興味を引いて集中してもらう為には、下の3つが大切になります。
・展開の早さ
・変化の多さ
・シンプルさ
その要素が集まった絵本となると、低年齢向けの本が多くなります。
一番大切なのは、
『お子さんが楽しく聞くことができるか』
という点になります。
お子さんによって、発達段階・特性・興味の幅は違いますので、答えはありませんが、
絵本選びの目安として、参考になれば幸いです。
【合わせて読みたい記事】
【発達相談員が紹介】言葉が遅い子におすすめの絵本・読み聞かせのコツ
絵本で「身につくスキル」

ここでは、絵本で「身につくスキル」について、触れていきたいと思います。
ここを把握しているだけで、絵本の読み聞かせの効果が変わってきます。
絵本は、何となく読んで楽しむことが多いと思いますが、
発達障害のお子さんにとって絵本とは、
“スキルを楽しみながら身につけられる方法”
にもなります。
絵本で身につけられる、2つのスキルを見ていきましょう。
①:集中力
②:待つスキル
1つずつ、見ていきましょう。
①:集中力

集中力とは、注意のコントロール力ともいいます。
特に集団生活では、相手に注意向ける・向け続けることが、必要になります。
例えば…
・話し始めた先生に注意を向ける
(注意の切り替え)
・先生の説明を最後まで聞く
(注意の持続)
など、色んな場面で必要になります。
ここでは、大きく4つに分けて見ていきたいと思います。
- 「見る」力
(目の前のものに注意を向ける) - 「聞く」力
(音に注意を向ける) - 「聞く」を持続させる力
(音に注意を向け続ける) - 「見る」を持続させる力
(注意を向け続ける)
発達障害の子の中には、このような注意のコントロールが苦手な場合が多い為、
学べる機会があると、過ごしやすさに繋がりやすいです。
その学びの機会の1つが、
“絵本の読み聞かせ” になります。
②:待つスキル

発達障害の子は、待つことが苦手なことがあります。
ただ集団生活の中では、
「待つ・座って人の話を聞く」機会は多いですよね。
そこで「絵本が終わるまで待つ」が、良い練習の機会になります。
支援の現場では、
・行動のコントロール
・周囲に合わせる力
ともいいます。
集団生活は、一区切りごとが数十分単位で、お子さんによっては、長い時間になります。
先生の話はいつ終わるのか…お子さんにとって見通しが立ちにくく、待ちづらい環境です。
その点、絵本は終わりが明確で、読み手(大人)がコントロールできます。
“頑張って待てるギリギリのライン” で、絵本が読み終えられると、
“お子さんの待つ力” が、身につきやすくなります。
【合わせて読みたい記事】
読み聞かせの「工夫ポイント」

読み聞かせの「工夫ポイント」は、3つあります。
これから紹介する内容は、療育の現場でも実践されている内容になります。
①:「聞きやすく」する
②:「注意」を引く
③:終わったら「ほめる」
1つずつ見ていきましょう。
①:「聞きやすく」する

発達障害の子の中には、注意が散りやすく、
1つのものに注意を向け続けることが、苦手なことがあります。
お子さんの特性に配慮し、集中しやすくなるに読むことが、大切になります。
✍ ” 短く ” 区切る
一文が長いと集中が切れやすくなります。
実際の文をそのまま読むのではなく、短く区切っていきましょう。
例えば、「A君とB君が学校に行って、C君とサッカーをしました」という文の場合、
「A君とB君が学校に行きました。そこでC君とサッカーをしました」と、1文ずつ区切って読みます。
長い文章は内容に影響なければ、
読み飛ばすのも、1つです。
(私も現場でよくやります)
✍ ” テンポ良く ” 読む
物語の展開を早くし、リズムを良くする方法になります。
変化がない状態が続くと、注意が切れやすくなります。
同じページを開いてる時間を短くコントロールすることで、上手くいきやすいです。
お子さんによって集中できる時間が様々ですが、
下の様子がお子さんに見られたら、集中が切れるサインになります。
・姿勢を何回も直す
・体を動かし始める
サインが出たら、次の展開(ページ)に進みましょう。
②:「注意」を引く

発達障害の子の中には、注意が移りやすい子がいます。
動きや変化をつけて読むことで、
絵本に集中しやすくすることができます。
✍ ” 動き ” をつける
なるべく変化をつけ、盛り上がる場面では、本を動かすなど臨場感を出しましょう。
本を前後・上下左右に動かすことで、お子さんの注意を引きやすくなります。
「次は何が起こるんだろう?」と
お子さんに思ってもらえたら、大成功です。
✍ ” 声の強弱・抑揚 ” をつける
物語の展開に合わせて、声の大きさを調整しましょう。
・盛り上がる場面
⇨大きな声
・静かな場面
⇨小さい声
ここを工夫するだけで、音に意識を向けやすくなります。
逆に、注意を引きたい時には、急に声を小さくするなどの方法も、おすすめになります。
✍ ” 効果音 ” をつける
効果音を適度に入れることで、注意が引きやすくなります。
また不定期に入れてパターン化しないことで、集中が切れづらくなります。
もし効果音がない絵本でしたら、読み手の判断でオリジナルで入れてみるのも、1つです。
✍ ” スピードの強弱 ” をつける
緊張感がある・注意を引きたい場面で、ゆっくり読むと効果的です。
スピードが早すぎると、聞き漏らしたり、話についていけず、集中が切れる原因になります。
✍” めくり方の強弱 ” をつける
“ただページをめくる” ではなく、下記のように使い分けると、良いと思います。
・一気にめくる
・少しずつめくる
・半分だけめくる
注意を引きたい時は、
“ゆっくりめくり” 、
集中が切れそうな場合は、
“早くめくる” が効果的です。
✍”スキンシップ” を入れる
例えば、くすぐり・息を吹きかける等です。
・主人公が痛い思いをする場面
⇨くすぐる
・風が吹く場面
⇨息を吹きかける
など、工夫次第で色んな楽しむことができます。
夢中になるほど、絵本に集中することができます。
③:終わったら「ほめる」

✍最後まで聞けたら “すぐほめる”
絵本を最後まで読み終えたら、「最後まで絵本聞けたね!」と、ほめてあげましょう。
発達障害の子にとって、最後まで絵本を聞くということは、私たちの想像以上に頑張っていることです。
ほめられれば、
『次の絵本も見たい!最後まで見る!』と、お子さんの成長に繋がりやすいです。
⚠「無理強い」は禁物
これまで紹介させて頂いた工夫をしても、難しい場合は、
絵本を無理に促すのは避けましょう。
無理させることは、お子さんの拒否感・苦手意識を一層強くし、逆効果になります。
お子さんの興味が持てる時期まで、待つことが大切になります。
拒否感が強い子は、みなさんご存知の NHKキッズ(Eテレ) がオススメです。
絵本に興味がない子も、動画でしたら興味を持つキッカケになります。
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「【発達相談員がおすすめ】発達障害の子が楽しめる絵本~厳選10冊の紹介~」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。
✅発達障害の子におすすめな絵本
・だるまさんシリーズ
・はらぺこあおむし
・もこもこもこ
・ボクはじっとできない
・ひとりでうんちできるかな
・いないいないばあ あそび
・じゃあじゃあびりびり
・はらぺこあおむし
・どうぶつだあれ?
・ねんねのじかんねてるこだあれ?
✅絵本で身につくスキル
・集中力
・待つスキル
✅読み聞かせの工夫ポイント
・聞きやすくする
・注意を引く
・終わったら褒める
以上になります。
ぜひ絵本を通して、ご家族の楽しい時間になれば幸いです。
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