

子どもにオススメな絵本/ADHDが学べる絵本を知りたい方「子供が絵本に興味もたない。どう読み聞かせしたら興味もってくれる?オススメな絵本があれば知りたい。あとADHDが知れる本も教えてほしい」
このような疑問/ご要望にお答えします!
☑本記事の内容
- 絵本で身につくスキル
- オススメな絵本
- 読み聞かせの工夫ポイント
- ADHDが学べる、おすすめな絵本(他の発達障害も)
「子どもがADHDかも・・。子どもが興味を持ちやすい、オススメな絵本があれば知りたい・・」
「ADHDや他の発達障害が知れる絵本を教えてほしい」
この記事を執筆している私は、療育セラピストを10年以上しており、これまで1,200人以上の発達障害のお子さんと、その親御さんを支援してきました。
その支援経験を元に、本記事では、ADHDのお子さんの「オススメな絵本/絵本で身につくスキル/読み聞かせの工夫/ADHDが学べる絵本」をまとめました。
絵本の紹介だけではなく、お子さんが集中して聞いてくれる「具体的な読み聞かせの方法」も載せています。また読むだけでADHDが学べる絵本も紹介しています。
絵本だけでは、なかなかお子さんが興味示してくれないことも少なくありません。専門的な経験がなくても、すぐにご家庭で取り入れられる工夫になりますので、ぜひ・・!
絵本で身につくスキル

絵本の紹介の前に、絵本で身につけられるお子さんのスキルについて簡単に説明したいと思います。
ここを把握しているかどうかで、絵本の読み聞かせの効果が、変わってきますので・・!
絵本は、何となく読んで楽しむ物になりがちですが、
ADHDのお子さんにとって絵本とは、スキルを身につけることができる、素敵な方法になります。
絵本で身につけられるスキルは、下の2つになります。
- 1:集中力
- 2:待つスキル
1つずつ見ていきましょう!
1:集中力

- 見る力
(目の前のものに注意を向ける) - 聞く力
(音に注意を向ける) - 「聞く」を持続させる力
(音に注意を向け続ける) - 「見る」を持続させる力
(注意を向け続ける)
集中力とは、注意のコントロール力ともいいます。コミュニケーションや集団生活は、相手に注意向ける/注意を向け続けることが基本になります。
「先生が話し始めたら、先生に注意を向ける(注意の切り替え)」、先生の説明が終わるまで聞き続ける(注意の持続)、などです。
ADHDの子は、こういった注意のコントロールが苦手なため、訓練することで、対処しやすくなります。家庭で、できることの1つとして、絵本の読み聞かせがあります。
2:待つスキル

- 行動のコントロール
- 自制する力
ADHDの子は待つことが苦手です。ただ集団生活の中では、待つこと、座って人の話を聞くことが多いですよね。そこで「絵本が読み終わるまで待つ」が良い練習になります。
集団生活は、一区切りごとが、数十分単位で長いです。先生の話はいつ終わるのか、ADHDの子にとっては、見通しが立ちにくく、待ちづらい環境です。
その点、絵本は終わりも明確で、読み手(親)がコントロールできます。
お子さんが頑張って待てる、ギリギリのラインで絵本が読み終えられると、お子さんの待つ力がドンドン身につきます。
おすすめな絵本

ここからは、4冊の絵本を紹介していきます!
1:だるまさんシリーズ
- テンポが良く、集中が切れづらい
- 絵、内容がシンプル
- 変化が多く、飽きづらい
- 3才以下におすすめ
2:きんぎょがにげた
- 各ページの「きんぎょ」を探す本
- 探すのに夢中で集中力を保ちやすい
- 読み聞かせが苦手な方でも、注意を引きやすい
3:もこもこもこ
- イラストがシンプル
- 擬音が多く、注意を引きやすい
- 3才以下にオススメ
4:かくしたのだあれ
- 1~10の数字を探す本
- 集中力が上がりやすい
(よく探さないと見つからない為) - 見つけられる毎に褒めると、絵本が好きになりやすい
5:ちいさな たまねぎさん
- イラストがシンプルで注意が散りにくい
- ストーリー性の理解ができる
(野菜同士のやりとり) - 絵本で有名な、せなけいこさんの絵本
対象年齢が低年齢よりの絵本が中心ですが、先程の興味を引いて集中してもらうためには、展開の早さや変化の多さ、シンプルさが大切です。
その要素が集まった絵本となると、低年齢向けの本が多くなります。大切なのは、「お子さんが楽しく聞くことができるか」です。
お子さんによって発達段階/特性/好きなものが違いますので、絶対!というものはありません!その視点で見ていただけたらと思います!
読み聞かせの工夫ポイント

読み聞かせの工夫ポイントは、大きく3つあります。
- 1:聞きやすくする
- 2:注意を引く
- 3:終わったら褒める
ここの内容は、療育指導員が実践している内容になります。
できるイメージのつくものから、1つずつ始めてみることをオススメします。上手くいくまで、何度も実践してみましょう!
1:聞きやすくする

ADHDのお子さんは注意が散りやすく、1つのものに注意を向け続けることが苦手です。お子さんの特性に配慮し、集中しやすくなるよう、読むことが大切です。
✍短く区切る
一文が長いと集中が切れやすくなります。実際の文をそのまま読むのではなく、短く区切っていきましょう。
例えば、「A君とB君が学校に行って、C君とサッカーをしました」という文であれば、「A君とB君が学校に行きました。そこでC君とサッカーをしました」と区切って読みます。
お子さんにとって長すぎる文は、内容に影響なければ、読み飛ばしをするのも、1つです!(私も療育指導でよくやります)
✍テンポ良く読む
物語の展開を早くし、リズムを良くしましょう。変化がない状態が続くと、注意が切れやすくなります。同じページを開いている時間を短くできるよう、意識すると上手くいきやすいです。
お子さんによって集中できる時間が様々ですが、お子さんの視線がずれる/姿勢をなおす/体を動かし始める、などが集中が切れるサインです。サインが出そうになったら、次の展開に進みましょう!
2:注意を引く

ADHDの特性の1つ、注意が移りやすい特性があります。動きや変化をつけて読むことで、絵本に集中しやすくなります。
✍動きをつける
なるべく変化をつけ、盛り上がる場面では、本を動かすなど臨場感を出しましょう。本を前後/上下左右に動かすことで、お子さんの注意を引くことができます。「次は何が起こるんだろう?」とお子さんに思ってもらえたら、大成功です!
✍声の強弱/抑揚をつける
物語の展開に合わせて声の大きさを調整しましょう。盛り上がる場面では、大きな声、逆に静かな場面では小さい声にする、これをするだけで、音に意識を向けやすくなります。個人的には、注意を引きたいときに、急に声を小さくすると、注意が引けるので、オススメです!
✍効果音をつける
効果音は適度にあると、注意を引きやすいです。また不定期に入れることで、集中力が切れづらくなります。もし効果音がない絵本でしたら、ランダムにオリジナルで入れて、変化をつけてみましょう。
✍スピードの強弱をつける
緊張感があるor注意を引きたい場面で、ゆっくり読むと効果的です。スピードが早すぎるのは、聞き漏らし/物語についていけず、集中が切れる原因になるので、注意が必要です。
✍めくり方の強弱をつける
ただページをめくるのではなく、少しずつめくる、一気にめくる、半分だけめくり読みながら・・残りもめくる、など使い分けましょう。注意を引きたい時は、ゆっくりめくり、集中が切れそうな場合は、早くめくるのが効果的です。
✍スキンシップなど入れる
くすぐりや息を吹きかけるなどです。主人公が痛い思いをする場面なら、くすぐる。風が吹く場面なら、お子さんに息を吹きかけることで、一層楽しめます。楽しめれば、自然に絵本に集中できます。
3:終わったら褒める

✍最後まで聞けたらすぐに褒める
絵本を最後まで読み終えたら、「最後まで絵本聞けたね!」と褒めてあげましょう。ADHDの子にとって、最後まで絵本を聞くということは、私たちの想像以上に頑張っていることです。ぜひたくさん褒めてあげて下さい!
褒められれば、「次の絵本も最後まで見るぞ!」とお子さんの次の行動に繋がります。
⚠注意点
これまで紹介させて頂いた工夫をしても、難しい場合は、絵本を無理に促すのは、控えましょう。
無理にさせることは、お子さんの拒否感/苦手意識を一層強くし、逆効果になります。お子さんの興味が持てる時期まで、待つことが大切です。
例えば、TVや動画で絵本に代わるものを流しておくだけでも良いと思います。身近な生活の中に自然に馴染ませることで、拒否感が減っていきます。
拒否感が出る子はNHKキッズがオススメです。本記事の工夫が、あらゆる所に散りばめられています。
ADHDを学べる、おすすめな絵本

読むだけでADHD含めた発達障害が知れる絵本を紹介していきます!
1:ボクはじっとできない 自分で解決法をみつけたADHDの男の子のはなし
ADHDの特性やそれを理解することの大切さを、男の子が試行錯誤して教えてくれます。発達障害と向き合う上で必要な、「自分の得意/不得意に気付き、対処していく」の視点が学べる、かわいらしい作品です。
2:すずちゃんののうみそ 自閉症スペクトラム(ASD)のすずちゃんの、ママからのおてがみ
自閉症スペクトラム(ASD)を、とても分かりやすく解説されている絵本です。お子さんがする行動の理由が、簡単に理解することができます。活字が苦手、専門書にチャレンジしたけど、最後まで読めなかった方に、特にオススメです!自閉症スペクトラムを知る最初の1歩の絵本です。
3:ありがとう、フォルカーせんせい
学習障害(LD)や当事者の子どもの気持ちを知ることができます。主人公のトリシャは、知的な遅れもなく、友達と楽しく話して日常生活を過ごせているのに、文字/数字を読むことができません。途方に暮れる中、5年生になり出会った先生との間で・・本人の努力/叱責以外での解決のヒントを示してくれています。学習障害の向き合い方、子どもへの接し方、周囲のサポートの仕方など、根本的な考え方が知れる絵本です。
4:かっくん ~どうしてボクだけしかくいの?
周囲との違い(発達障害)を、温かみのあるストーリーを通して教えてくれます。「違い」は個性であり、その子の良さ。そんな大切な視点を優しく教えてくれる物語です。
5:十人十色なカエルの子―特別なやり方が必要な子どもたちの理解のために
ADHD/自閉症スペクトラムのお子さん、ご家族、学校の先生、周囲の人のために、障害の困難さ/特別支援教育のポイントがまとめられている本になります。発達障害に関わる人の過ごしやすさのキッカケを作ってくれる作品です。
「【ADHDかも?と思ったら】おすすめな絵本5冊と読み聞かせの工夫を紹介」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。
- 【絵本で身につくスキル】
・集中力
・待つスキル - 【オススメな絵本】
・だるまさんシリーズ
・はらぺこあおむし
・もこもこもこ
・ボクはじっとできない - 【オススメな活用方法】
・聞きやすくする
・注意を引く
・終わったら褒める
以上になります。
ぜひ絵本を通して、ご家族の楽しい時間になれば幸いです!
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