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【発達相談員がおすすめ】発達障害の子が楽しめる絵本~厳選10冊の紹介~

投稿日:2020年5月1日 更新日:

子どもに合う絵本を探してる「発達障害の子に合う絵本ってあるのかな。おすすめの絵本を教えてほしい」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



発達障害の子に「オススメな絵本」

✅絵本で「身につくスキル」

✅読み聞かせの「工夫ポイント」


「子どもが絵本に興味を持たない…少しでも興味が持てる絵本ってないかな…」

お子さんに絵本に興味を持ってほしい・楽しんでほしいという想いは、

親であれば、1度は持ったことがある方も多いかと思います。

この記事を執筆している私は、発達相談員を10年以上していて、発達障害の子・親御さんの支援をしてきました。

その支援経験を元に、本記事で下記をまとめました。

「発達障害の子におすすめな絵本・身につくスキル・読み聞かせの工夫」

絵本の紹介だけではなく、お子さんが興味がもちやすい(集中が続きやすい)読み聞かせの方法も紹介します。

本記事が参考になれば、幸いです。

発達障害の子に「オススメな絵本」

発達障害の子に「オススメな絵本」を10冊紹介していきます。

①:だるまさんシリーズ

  • 絵、内容がシンプル
  • 変化が多く、興味を引きやすい
  • テンポが良く、集中が切れづらい

②:きんぎょがにげた

  • 各ページの「きんぎょ」を探す本
  • 探すのが楽しめる子におすすめ
  • 夢中で探す=集中力が保ちやすい
  • 読み聞かせが苦手な方も使いやすい

③:もこもこもこ

  • イラストがシンプル
  • 擬音が多くマネ(音の)を促しやすい
  • 繰り返す音が多い為、発声の練習になる ※繰り返す音は出しやすい為

④:かくしたのだあれ

  • 1~10の数字を探す本
  • 読み手も一緒に参加しやすく、親子で楽しみやすい
  • 集中力の持続の練習になる
    (よく探さないと見つからない為)

⑤:ひとりでうんちできるかな

  • 排泄の意識付けができる
  • 1Pに1キャラクターとシンプル構成
  • 一定のパターンが好きな子におすすめ

⑥:いないいないばあ あそび

  • マネ(動作・発声)の促しができる
  • 一定のリズムで進むので、集中が切れづらい

⑦:じゃあじゃあびりびり

  • 効果音だけで楽しめる
  • 発声を促したい子におすすめ
  • 声を出す楽しみを感じやすい
  • 音のマネ(音声模倣)の促しができる

⑧:はらぺこあおむし

  • 歌・手遊びに興味を引きやすい
  • マネ(言葉・動作)の促しができる
  • 園の活動にも参加しやすくなる

⑨:どうぶつだあれ?

  • クイズ形式で読める為、参加しやすい
  • 注視(1箇所に注意を向け続ける)の促しができる

⑩:ねんねのじかんねてるこだあれ?

  • クイズにしてて一緒に参加しやすい
  • 受け答えの練習ができる
    (ex.布団の中に誰がいる?⇨答える)

低年齢向けの絵本が中心になりますが、

興味を引いて集中してもらう為には、下の3つが大切になります。

展開の早さ
・変化の多さ
・シンプルさ


その要素が集まった絵本となると、低年齢向けの本が多くなります。

一番大切なのは、

『お子さんが楽しく聞くことができるか』

という点になります。

お子さんによって、発達段階・特性・興味の幅は違いますので、答えはありませんが、

絵本選びの目安として、参考になれば幸いです。

【合わせて読みたい記事】

【発達障害の子が楽しめる】室内遊び19選

絵本で「身につくスキル」

ここでは、絵本で「身につくスキル」について、触れていきたいと思います。

ここを把握しているだけで、絵本の読み聞かせの効果が変わってきます。

絵本は、何となく読んで楽しむことが多いと思いますが、

発達障害のお子さんにとって絵本とは、

“スキルを楽しみながら身につけられる方法”

にもなります。

絵本で身につけられる、2つのスキルを見ていきましょう。



①:集中力

②:待つスキル


1つずつ、見ていきましょう。

①:集中力

集中力とは、注意のコントロール力ともいいます。

特に集団生活では、相手に注意向ける・向け続けることが、必要になります。

例えば…

・話し始めた先生に注意を向ける
(注意の切り替え)

・先生の説明を最後まで聞く
(注意の持続)

など、色んな場面で必要になります。

ここでは、大きく4つに分けて見ていきたいと思います。

  • 「見る」力
    (目の前のものに注意を向ける)

  • 「聞く」力
    (音に注意を向ける)

  • 「聞く」を持続させる力
    (音に注意を向け続ける)

  • 「見る」を持続させる力
    (注意を向け続ける)

発達障害の子の中には、このような注意のコントロールが苦手な場合が多い為、

学べる機会があると、過ごしやすさに繋がりやすいです。

その学びの機会の1つが、


“絵本の読み聞かせ” になります。

②:待つスキル

発達障害の子は、待つことが苦手なことがあります。

ただ集団生活の中では、
「待つ・座って人の話を聞く」機会は多いですよね。

そこで「絵本が終わるまで待つ」が、良い練習の機会になります。

支援の現場では、

・行動のコントロール
・周囲に合わせる力


ともいいます。

集団生活は、一区切りごとが数十分単位で、お子さんによっては、長い時間になります。

先生の話はいつ終わるのか…お子さんにとって見通しが立ちにくく、待ちづらい環境です。

その点、絵本は終わりが明確で、読み手(大人)がコントロールできます。

“頑張って待てるギリギリのライン” で、絵本が読み終えられると、

“お子さんの待つ力” が、身につきやすくなります。

【合わせて読みたい記事】

【発達障害の子向け】落ち着くグッズ7選

読み聞かせの「工夫ポイント」

読み聞かせの「工夫ポイント」は、3つあります。

これから紹介する内容は、療育の現場でも実践されている内容になります。



①:「聞きやすく」する

②:「注意」を引く

③:終わったら「ほめる」


1つずつ見ていきましょう。

①:「聞きやすく」する

発達障害の子の中には、注意が散りやすく、

1つのものに注意を向け続けることが、苦手なことがあります。

お子さんの特性に配慮し、集中しやすくなるに読むことが、大切になります。

✍ ” 短く ” 区切る

一文が長いと集中が切れやすくなります。

実際の文をそのまま読むのではなく、短く区切っていきましょう。

例えば、「A君とB君が学校に行って、C君とサッカーをしました」という文の場合、

「A君とB君が学校に行きました。そこでC君とサッカーをしました」と、1文ずつ区切って読みます。

長い文章は内容に影響なければ、

読み飛ばすのも、1つです。
(私も現場でよくやります)

✍ ” テンポ良く ” 読む

物語の展開を早くし、リズムを良くする方法になります。

変化がない状態が続くと、注意が切れやすくなります。

同じページを開いてる時間を短くコントロールすることで、上手くいきやすいです。

お子さんによって集中できる時間が様々ですが、

下の様子がお子さんに見られたら、集中が切れるサインになります。

姿勢を何回も直す
体を動かし始める

サインが出たら、次の展開(ページ)に進みましょう。

②:「注意」を引く

発達障害の子の中には、注意が移りやすい子がいます。

動きや変化をつけて読むことで、
絵本に集中しやすくすることができます。

✍ ” 動き ” をつける

なるべく変化をつけ、盛り上がる場面では、本を動かすなど臨場感を出しましょう。

本を前後・上下左右に動かすことで、お子さんの注意を引きやすくなります。

「次は何が起こるんだろう?」と
お子さんに思ってもらえたら、大成功です。

✍ ” 声の強弱・抑揚 ” をつける

物語の展開に合わせて、声の大きさを調整しましょう。

・盛り上がる場面
⇨大きな声

・静かな場面
⇨小さい声

ここを工夫するだけで、音に意識を向けやすくなります。

逆に、注意を引きたい時には、急に声を小さくするなどの方法も、おすすめになります。

✍ ” 効果音 ” をつける

効果音を適度に入れることで、注意が引きやすくなります。

また不定期に入れてパターン化しないことで、集中が切れづらくなります。

もし効果音がない絵本でしたら、読み手の判断でオリジナルで入れてみるのも、1つです。

✍ ” スピードの強弱 ” をつける

緊張感がある注意を引きたい場面で、ゆっくり読むと効果的です。

スピードが早すぎると、聞き漏らしたり、話についていけず、集中が切れる原因になります。

✍” めくり方の強弱 ” をつける

“ただページをめくる” ではなく、下記のように使い分けると、良いと思います。

・一気にめくる
・少しずつめくる
・半分だけめくる

注意を引きたい時は、
“ゆっくりめくり” 、

集中が切れそうな場合は、
“早くめくる” が効果的です。

✍”スキンシップ” を入れる

例えば、くすぐり・息を吹きかける等です。

・主人公が痛い思いをする場面
⇨くすぐる

・風が吹く場面
⇨息を吹きかける

など、工夫次第で色んな楽しむことができます。

夢中になるほど、絵本に集中することができます。

③:終わったら「ほめる」

✍最後まで聞けたら “すぐほめる”

絵本を最後まで読み終えたら、「最後まで絵本聞けたね!」と、ほめてあげましょう。

発達障害の子にとって、最後まで絵本を聞くということは、私たちの想像以上に頑張っていることです。

ほめられれば、
『次の絵本も見たい!最後まで見る!』と、お子さんの成長に繋がりやすいです。

⚠「無理強い」は禁物

これまで紹介させて頂いた工夫をしても、難しい場合は、

絵本を無理に促すのは避けたい所です。

無理させることは、お子さんの拒否感・苦手意識を一層強くし、逆効果になります。

お子さんの興味が持てる時期まで、待つことが大切になります。

【関連記事】

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「【発達相談員がおすすめ】発達障害の子が楽しめる絵本~厳選10冊の紹介~」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。



発達障害の子におすすめな絵本
・だるまさんシリーズ
・はらぺこあおむし
・もこもこもこ
・ボクはじっとできない
・ひとりでうんちできるかな
・いないいないばあ あそび
・じゃあじゃあびりびり
・はらぺこあおむし
・どうぶつだあれ?
・ねんねのじかんねてるこだあれ?


絵本で身につくスキル
・集中力
・待つスキル


読み聞かせの工夫ポイント
・聞きやすくする
・注意を引く
・終わったら褒める


以上になります。

ぜひ絵本を通して、ご家族の楽しい時間になれば幸いです。


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